【Vol.167】ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術とは

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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 商談の前日や当日、皆さんはいろいろな交渉の展開をシミュレーションすると
 思います。それでも、想定外の商談相手がいたりするものです。予期しなかっ
 た方向へ交渉が展開する際の対処法、難局を打開する秘訣のヒントを『ハーバ
 ード×MIT流 世界最強の交渉術――信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則』
 (ダイヤモンド社)から紹介します。著者のローレンス・サスキンド氏はハーバ
 ード・ロースクール交渉学講座の創設者のひとりで、MIT(マサチューセッツ工
 科大学)教授、米国の交渉学の第一人者です。

 
 ■交渉相手の本音を読み取る

 例えば、大都市の商業用不動産に狙いをつけて、不動産オーナーから購入する
 ことを考えていると仮定しましょう。典型的な不動産売買交渉を想定して、
 価格交渉など想定問答をシミュレーションして入念に準備します。そして待ち
 望んだ交渉当日、初対面の不動産オーナーと挨拶もそこそこに売却希望金額を
 尋ねます。すると、交渉相手から微笑みが消えます。不動産オーナーの口から
 出たのは「不動産を売るつもりはありません」という意外な返事でした。しか
 しながら、完全に交渉を拒否するのとは何か違う雰囲気が感じられます。
 皆さんだったらどう対処するでしょうか?3つの選択肢が考えられます。

 (1)商談を諦めて交渉を途中で打ち切り、席を立つ
 (2)不動産買収の提示金額を引き上げて交渉を粘る
 (3)もっと探りを入れる

 同書では(3)を勧めます。相手の立場に立ってみて、どのような対応だった
 ら話にのってきそうか、関心事を探ってみれば良いわけです。顧客がしたいこ
 とを自分が顧客の身になって考えるのがマーケティングの基本です。顧客がし
 たいのは、不動産を売ることではなく、不動産からなるべく多くのキャッシュ
 を得ることです。ですから、不動産からなるべく多くのキャッシュを得る方法
 をオーナーと一緒になって考えてあげれば、オーナーの目的に沿うことになり
 ます。

 いったん、不動産買収の話は棚上げし、こちらからはお互いがビジネスパート
 ナーになったつもりで話をし、この不動産物件について長期的にはどのような
 プランを持っているのか、さらに、目的を達成するお手伝いを出来ないかと商
 談の方向を変えてみます。

 不動産の買収の話に対してはまったく興味を示さなかったオーナーも、たちど
 ころに態度を和らげるでしょう。オーナーにとって不動産活用の話は興味があ
 るはずだからです。

 オーナーは、不動産を売却するよりも再開発するほうがはるかに得策だと気が
 ついたことを打ち明けます。近隣の区画にホテルが新しく建つことが分かった
 ので、この不動産の価値が高まるであろうことを見越し、当面は手放さないと
 心変わりしていたのです。
 
 オーナーの言葉や声のトーン、身振り手振り、顔の表情などから相手の本音を
 読み取り、当意即妙な対応を続けます。


 ■あらかじめ用意した戦術を捨てる

 著者が関わったもう一つ例を同書からあげます。製薬会社のA社は、前立腺がん
 の治療に極めて有効ながら、高価な薬品Bを病院Cに長年にわたって卸していま
 した。しかし、すでに特許が切れ、安い後発医薬品(ジェネリック)が製薬会社D
 から近々発売になる見通しでした。市場シェアを維持するため、A社のセールス
 チームは以下のような作戦を考えました。「実績の浅いジェネリックの効能に
 疑問を呈することにしよう。そうすれば、顧客をもう1年はつなぎ止めること
 ができるのではないだろうか」

 最低でも今後3年間、医薬品Bだけを使うと約束してくれれば、半額に値引きし
 て納入することを提案してみます。しかし、依然としてジェネリック薬品の2倍
 の値段であることを理由に断られます。医薬品の効能の違いについてもまった
 く興味を持ってもらえません。

 こうして、医薬品Bの値引き作戦は失敗しました。A社のセールス担当者はあら
 かじめ用意した医薬品Bの値引き作戦を捨てなければならなくなりました。複数
 年契約と引き換えに値引きする作戦は、病院Cには響かないのです。
 ここでも製薬会社Aだったら(1)~(3)の選択肢があります。

 (1)商談を諦めて交渉を途中で打ち切り、席を立つ
 (2)医薬品Bの値段をさらに引き下げるなどして粘る
 (3)もっと探りを入れる

 同書では(3)を勧めます。
 C病院がA社と取引のある全医薬品の包括契約を提案してみます。今後3年間、
 薬品Bを現行価格の半額で引き続き購入してくれれば、来年1年間、他の薬品の
 注文を一律10%値引きするという提案です。

 A社のセールス担当者は、病院CがA社製の医薬品を大量購入している実績を考慮
 することにより、まったく新しい包括契約を提案できました。ジェネリックの
 会社は品揃えの豊富さからはA社に勝てないところを衝いたわけです。成功の秘
 訣は、あらかじめ用意した作戦を捨てたことです。

 同書から二つの例を紹介しましたが、いずれの例も交渉相手を顧客と考え、
 マーケティングでは当たり前の顧客の目的に沿ったソリューションを提案して
 あげたのが、成功の秘訣です。

 いかがでしたでしょうか。
 「WIN‐WIN」という言葉を皆さんは使ったことがあると思います。『ハーバー
 ド流交渉術』(知的生きかた文庫)に出てくる言葉です。『ハーバード×MIT流 
 世界最強の交渉術』は『ハーバード流交渉術』の続編として出版された書籍で
 す。交渉において、最初からこちらの手の内を相手に見透かされているのは望
 ましい状況とは言えず、致命傷にもなりかねません。『ハーバード流交渉術』
 が一世を風靡したため、改良版として『ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術』
 が著されたという位置づけになります。つまり、両書とも世界の商談相手が読
 んでいる可能性が高い書籍です。世界の商談相手がどのようなメソドロジーで
 交渉に臨んでくるか、商談相手の手の内を知るために読んでおきたい一冊です。


 ◆ソース◆
 ============================================
 ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術――
 信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則
 http://www.amazon.co.jp/dp/4478027501
 訳者はしがき、pp.112-118
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【Vol.166】日本的「根回し」は世界で通用するのか?

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
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 皆さんは「根回し」に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。
 「根回し」と聞くと、何か陰湿でネガティブなものと捉える傾向があるのでは
 ないでしょうか。「根回し」が見えるところで行われるのではなく水面下の見
 えないところでコソコソと行うことに原因があるのかもしれません。そのため
 でしょうか、日本では「根回し」をできればないほうが望ましい、いわば「必
 要悪」の存在に捉えている人も多いと思います。

 今号のメルマガでは『伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHIの
 技術』(CCCメディアハウス)の内容を紹介します。著者の新将命氏は、シェル
 石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスを
 含む世界企業6社で40数年にわたり社長職などを歴任した国際派ビジネスマン
 です。

 英語では、事前の準備や下調べのことをホームワーク(Homework)と言います。
 ホームワークは公式の活動ではありませんが、結果がうまくいくかいないかは
 ホームワーク次第だと新氏は断言します。「ネマワシ」はホームワークを構成
 する重要な要素の一つで、欠くべからざる要素なのだと新氏は言います。新氏
 の失敗談としてネマワシ不足の結果、一度は米国総本社から日本法人社長職の
 座の解任を言い渡された経験があったのだと同書の中で打ち明けています。米
 国総本社での経営会議で、本社の経営方針に断固反対を表明したところ「本社
 の方針に従えないのならクビだ」と日本法人社長職を解任されてしまったので
 す。事前にNEMAWASHIさえしておけば、本社の方針のバックグラウンドや真意
 を分かったであろうし、そうすれば会議で反対を唱えるにしても、より妥当な
 着地点が見つかったはずだと振り返ります。新氏は当時、既に長いキャリアを
 外資系企業で積んでいましたが、解任された体験がなければ「米企業の会議と
 言えどもNEMAWASHIは必要」とは実感しなかったかもしれないと言います。世
 界に通じるNEMAWASHIを考えるようになったきっかけは、この解任された体験
 にあるのだと新氏は言います。

 新氏によるとネマワシは世界中で行われていますが、日本的ネマワシと世界標
 準のネマワシでは異なる部分があるのだと言います。同書では日本的ネマワシ
 を「根回し」、世界標準のネマワシを「NEMAWASHI」として便宜的に表記を区
 別していますので、本メルマガでも同表記に倣います。

 米国でNEMAWASHIと言えば、代表的なのが「ロビー活動」です。ロビー活動とは、
 企業や団体、あるいは外国政府から依頼を受け、政治家や官僚に対してその企
 業や団体にとって有利な政策を行うように働きかける活動のことです。
 そのロビー活動ですが、概して日本は弱いと言われています。ホワイトハウス
 や米議会へのロビー活動では、既にだいぶ前から中国や韓国に大きく水をあけ
 られているとも言われます。「根回しは日本固有のもの」と自負する人が多い
 のにもかかわらず、なぜ日本は国際舞台に出るとNEMAWASHI、すなわちロビー
 活動が弱いのでしょうか。その問いに対し新氏は、日本的な「根回し」は、日
 本国内限定でしか通用しない“ガラパゴス型”だからなのではないか、世界で
 通用するNEMAWASHIに進化できていないからではないかと考えています。

 では世界で通用するNEMAWASHIとはどのようなものでしょうか。10ケ条に新氏が
 まとめています。


 1.NEMAWASHIは組織を泳ぐ必要悪ではなく、組織を動かす正当な必要技術である

  ビジネスや国際政治の世界では、日本でも欧米でも大事なことをネマワシな
  しに決めることはありません。ネマワシを談合や社内政治と同一視する否定
  的な意見もありますが、世界の一流ビジネスパーソンは、必ず洗練された
  NEMAWASHIスキルを身につけています。

 2.義理人情型の根回しだけでは、グローバルビジネスで通用しない

  ビジネスは結果です。義理人情も、結果を求めるための重要な要素の一つで
  はありますが、日本人は概して義理人情に頼りすぎる傾向があります。その
  ため、洗練されたNEMAWASHIスキルを身につける努力を怠りがちです。

 3.NEMAWASHIは大義を背負った者が勝つ

  利(Benefit)<理(Logic)<大義(Cause)。
  日本的根回しが人間関係だけで進んでしまうのと違い、世界のNEMAWASHIは理
  論的に納得でいないオファーは受け入れません。まず中心にLogic(理)のある
  ことが必要条件です。欧米人と話していると、彼らの頭の中には常に“What 
  is in it for me”つまり「それが私に何の利益をもたらずのか」という言葉
  があることを痛感します。さらに、欧米ではCause(大義)はLogic(理)とBenefit
  (利)を超える存在です。日本人にあっては人間関係を超えるのが大義です。
  利益が少なく理屈が整っていなくても、そこにCause(大義)があれば人は動くと
  いいます。何より大切なのがCause(大義)になります。「I(私)とYou(あなた)」
  という対立的な利ではなく、「We(私たち)」という双方的全体の利にポジショ
  ンを取り、長期的視野で理を説くのが大義を背負ったNEMAWASHIの基本です。

 4.NEMAWASHIの段取り

  NEMAWASHIの段取りは世界共通です。
  第1段階:賛成派を固めます
  第2段階:キーマンを味方につけ、中間派を取り込みます
  第3段階:最後に反対派を攻略します

 5.嫌な相手へのNEMAWASHIほど手間をかけて丁寧に行う

  嫌な相手、苦手な人物に対するNEMAWASHIは、理と利をもって臨みます。
  嫌な相手、苦手な人物ほど、中間派を取り込むキーマンとなります。
  時には、仲介者を立てる手間も厭わずに丁寧に行います。

 6.NEMAWASHIを説得だと考えるのは二流

  NEMAWASHIのスタート段階では、情報収集8割、説得2割と心得ます。
  どういう形にすればプランが通るか、着地点を探るのもNEMAWASHIの機能です。
  説得で粘るのは着地点が決まってからにします。
  いきなりすべてのカードを見せてしまうのは下手な交渉の仕方です。相手の
  YESを得るにはまず相手の考えを知ることから始めます。「彼を知り、己を
  知れば百戦危うからず」

 7.NEMAWASHIはマージナルな過半数を取っても勝ったと思わない
 
  世界のNEMAWASHIの安定多数は75%です。
  多数決ならば過半数を取れば勝ちですが、それは会議の場合です。非公式な意
  思確認の作業であるNEMAWASHIでは、最終局面で寝返る人物が出たら負けてし
  まうおそれがあります。自分がNEMAWASHIしているということは、必ず相手も
  NEMAWASHIをしていることを忘れてはなりません。

 8.NEMAWASHIは一度成功すればそこがゴール――ではない

  NEMAWASHIはTRUST(信頼)、TALK(話す)、TIMING(タイミング)の三つのTで支え
  られています。すなわち、相手の信頼を得るために、適切なタイミングで途
  中経過を伝えることが必要です。一度ネマワシした相手には、必ず途中経過
  をレポートし続けるのが世界のNEMAWASHIの常識です。信頼を損なう行動は禁
  物です。

 9.メールでNEMAWASHIするべからず

  NEMAWASHIの大原則はFace to Face(フェイス・トゥ・フェイス)。メールで
  ネマワシするような人物はナイーブと見なされ、相手にされないのが世界の
  NEMAWASHIの常識です。メールはネマワシするにはリスクが高い手段です。

 10.世界でも日本でも結局NEMAWASHIの切り札は人間力
  日本でも世界でも「人物を見込んで」YESという事はあります。
  コネクションや過去の付き合いとは関係なく、話し振り、物腰からその人物
  の力量を認め、意見がYESに傾きます。世界のNEMAWASHIで「あの人が言うなら」
  と合意が形成されるのは、義理人情によるのではなく、人物の器(人間力)に
  動かされたことを意味します。


 いかがでしたでしょうか。
 皆さんの中でも「ネマワシ」という言葉の印象が大分変ったのではないでしょ
 うか。日常的な仕事を日常的な範囲で、従来通りにこなすのであれば、「ネマ
 ワシ」は要りません。「ネマワシ」は意欲的で革新的なビジネスパーソンにこ
 そ必要な地ならしのスキルです。地ならしの手段に過ぎないのではありますが、
 スキルがないと一歩も進みません。「ネマワシ」は避けては通れないスキルの
 一つで、日本でも世界でも同じことです。ただし、グローバルリーダーを目指
 すのであれば、日本の「根回し」と世界の「NEMAWASHI」では中身が少し違う
 ことを覚えておく必要は十分にありそうです。


 ◆ソース◆
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 伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHIの技術
 http://www.amazon.co.jp/dp/4484142309/
 pp.1-27
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【Vol.165】外国人社員から“評価されない”日本人 (後編)

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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 今号のメルマガでは意思決定のスピードについて解説します。実践ビジネス英
 語講座・リーダーシップ力トレーニングコースで講師を務める米国人のロッシ
 ェル・カップ氏は、マネジメント・コンサルティング歴が長く、日本企業を間
 近で見ています。日本企業の海外支店で働いている外国人社員、および供給業
 者、顧客、パートナーとして日本企業と一緒に仕事をしている外国人ビジネス
 パーソンが一番不満に思っていることは、日本企業は意思決定に長い時間を必
 要とすることだとカップ氏は指摘します。カップ氏の著書の『日本企業の社員
 は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか』(インプレス)から、日本企業
 の意思決定のスピードの遅さについて解説します。

 カップ氏がよく耳にする、日本企業で働く“米国人の愚痴”というのは、「ビ
 ジネスチャンスを逃してしまう」「市場の波に乗れない」「素早い対応ができ
 ないと、顧客を失ってしまう」というものが多いそうです。日本企業の意思決
 定に時間がかかることが、米国市場での成功に不利な条件となっていることを
 懸念しているわけです。

 世界中で技術と社会環境の変化がスピードアップしていますが、中でもカップ
 氏が住んでいる米国サンフランシスコ近郊のシリコンバレーは、ビジネスのペ
 ースが非常に速いのだと言います。世界のどこよりもスピードが速いのは、他
 の文化と比較して、米国社会が常にスピードを重視してきたからです。米国人
 は昔から「急ぐ」ことを好み、「とりあえず行動して、後から考える」という
 風潮があります。これは、厳しい環境で生き残るために素早い行動が必要とさ
 れた米国の入植者や開拓者に不可欠だった行動様式なのかもしれないとカップ
 氏は言います。カウボーイ文化でもスピードが重視されていました。西部劇で
 ガンマン同士の決闘シーンでは、背を向け合った決闘相手と同時に振り返りざ
 ま拳銃で撃ち合います。「quick on the draw 銃を抜くのが素早い」と言う表
 現は「機転か利く」という意味ですし、銃を抜くことすらせずに「shoot from 
 the hip 銃を腰のベルトから外さずに、弾丸を発射する」(衝動的な行動をす
 る)」と言った表現が生まれています。

 米国人がしゃべるスピードが年々速くなっている、つまり早口になっていると
 いうことを本メルマガ筆者は米国人の英語の教師から聞いたことがあります。
 そして、米国東部よりも西部の人々のほうが早口なのだと聞いたことがありま
 す。

 米国経済の成長につれて、米国人は他人を追い越すことにより、競争の激しい
 ビジネス環境でアメリカンドリームをつかもうとしています。西部開拓魂は早
 撃ちの姿を変えて今も受け継がれているに違いありません。

 それに比較して日本文化は安定の中で育ってきました。広大なアメリカ大陸を
 たったの200年間で東海岸から西海岸を目指して急いで我が土地を競って手に
 入れていった米国の無骨なフロンティア(開拓者)精神とは異なり、日本では千
 年以上の時間をかけてゆっくりと定住が定着しました。日本人の生活は1年間か
 けて1サイクルする稲作農業を繰り返すというリズムの中で展開します。何事
 を行うにも急いだり先送りしたりせずに、田んぼの水張りや田植えや稲刈りの
 最適の時期を待つことが重視されました。日本人は期限に対する意識は高いの
 ですが、大きな決断を下す際には必要以上に時間をかける傾向があります。
 「time is money 時は金なり」または「time is of the essence 時間は重要
 である(から急がなければならない)」といったような表現は、米国と比べて
 日本ではあまり使用されていないのだとカップ氏は言います。

 日本式意思決定のプロセスに「調整」「根回し」「稟議」があります。いずれ
 のプロセスも日本独特で、あまりにも特殊なため、英語ではそれに相当する言
 葉が存在しません。

 (1)「調整」とは、日本の組織が物事を進めるにあたって、様々な構成要素
    を体系化し組織化することです。
 (2)「根回し」とは、調整のプロセスで行われる、個人的で非公式な交渉の
    要素です。
 (3)「稟議」とは、提案書を関係者に回覧することです。意思決定が必要な
    内容はすべて、この提案書に要約され、それを主要な意思決定者(十人
    以上のこともある)に回覧します。各人が提案書を読んだうえで内容を
    検討し、承認印を押します。

 米国では一般的に平社員レベルで決定するような提案書の内容で、正式な稟議
 書を必要としない場合でも、日本企業では経営上層部の承認が必要です。これ
 は社員やマネジャーがエンパワーメントの不足を感じさせられるだけでなく、
 多数いる経営上層部全員から承認印を得ることに時間がかかります。

 日本企業は急速に進化する今日の市場の変化に対応するため、意思決定のスピ
 ードアップを図り、そのプロセスに莫大な社内資源を費やすことをやめないと、
 国際競争に取り残されるおそれがあると、カップ氏は警鐘を鳴らします。日本
 企業は、自分たちにとって重要である意思決定プロセスの美点をあきらめるこ
 とができないかもしれません。そうであっても、プロセスを早める方法を見つ
 け出す必要があります。それは日本企業が国際競争の中で生き残り、繁栄する
 ためには不可欠です。

 スピードアップを図るため、まず最初に、承認プロセスの合理化から始めるの
 が良いとカップ氏は言います。稟議を承認する人数を削減し、ある程度の内容
 に対しては経営上層部の承認を必要とせず、下層管理職に決定権を与えること
 をカップ氏は提案しています。

 いかがでしたでしょうか。ちなみに「根回し」という言葉を語源を考えずに本
 メルマガ筆者は使っていました。同書によると園芸に関する言葉です。樹木を
 植えかえる時、一日で掘り出して新しい場所に移植しようとすると、樹木がシ
 ョックで枯れてしまうことがあります。そこで、樹木の根の各部分に特別な注
 意を払いながら、何日かにわたってゆっくりと土をほぐして馴染ませながら移
 植すると、枯れることなく、健康に成長します。転じて、意思決定に向けて道
 を整える意味に使われるようになりました。

 次号メルマガは根回しのスピードアップについて踏み込んでいきます。
 お楽しみに。


 ◆ソース◆
 ============================================
 日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか(インプレス)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4844373951/
 pp.133-142
 ============================================ 

【Vol.164】外国人社員から“評価されない”日本人 (前編)

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 今号のメルマガではマネジメント・スタイルについて取り上げます。実践ビジ
 ネス英語講座・リーダーシップ力トレーニングコースで講師を務める米国人の
 ロッシェル・カップ氏は、マネジメント・コンサルティング歴が長く、日本人
 マネジャーの長所と欠点を間近で見ています。カップ氏が特にコンサルティン
 グの対象としているのは、「米国式上司を期待している米国人社員」を管理す
 る日本人マネジャーです。カップ氏によれば、日本人マネジャーは、米国や他
 の国々では時代遅れ、または効果がないとされているマネジメントのアプロー
 チをいまだに用いていることが多いと言います。カップ氏の著書の『日本企業
 の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか』(インプレス)から、日
 本人マネジャーが外国人社員を管理する際の盲点について解説します。

 リクルートが中国、日本、シンガポール、インドのアジア4カ国で約300人ずつ
 合計約1200人の社員を対象として実施した調査「アジア4カ国の上司像と働き
 方に関する調査2012」(文末URL参照)によると、「上司への満足度」で日本
 は最低のスコアを記録しています。インド人社員の82%、中国人社員の89%が
 現在の上司のマネジメント・スタイルに満足しているのに比較して、日本人社
 員の満足度はわずか50%でした。

 タワーズワトソンが実施した調査でも類似した結果が出ています。「上司がマ
 ネジャーとしての仕事を効果的にこなしているか」という質問に対して日本人
 社員で「こなしている」と回答したのは45%、「どちらでもない」は39%、
 「こなしていない」は16%でした。世界平均は「こなしている」が61%、「ど
 ちらでもない」は25%、「こなしていない」は15%でした。

 日本人マネジャーはどうして評価が低いのでしょうか。日本人マネジャーの弱
 点について同書は考察しています。


 ■日本人マネジャーの“マイクロマネジメント”は自身の保身のため?

 日本人マネジャーに関して最も問題が大きいのは、“マイクロマネジャー”と
 して過度に細部に気を配るマネジメント・スタイルです。マイクロマネジャー
 とは部下の仕事を極度にコントロールしたがるマネジャーのことを言います。
 マイクロマネジャーは部下の仕事の細部にわたって、すべての段階でチェック
 を入れ、仔細な意思決定にまで関与します。 

 米国人マネジャーなら部下に作業を一任し、細部は気にしません。米国人は一
 人前のプロフィールを持っている社員なら、プロジェクトの責任を持ってすべ
 てを処理するものだと考えていると、カップ氏は述べます。マネジャーから委
 託された個別の仕事に対し、自分の専門知識をフルに動員し、持てる力の全て
 をそこに注ぎ込むものと捉えているわけです。専門知識も力もあって仕事を一
 人で完遂できる米国人社員は、マネジャーの助言を頻繁に求める必要がないと
 考えられています。個人の仕事は個人の産物であり、個人の業績のみを反映し
 ているものであるという考え方です。米国人上司は最初に緻密な指示を与え、
 あとは部下が「ボールを受け取って走り」(米国で頻繁に使われるイディオム
 です「take the ball and run with it」)、「独立して行動」(同「works well 
 independently」)することを期待しています。よってマネジャーは自分の部下
 が取り組んでいる仕事の詳細をすべて把握していることは必要とされていませ
 ん。自分の管轄下にあるプロジェクトの詳細についてマネジャーが把握してい
 ない場合、上層部に対して「ちょっと分からないので、担当している部下に確
 認して後から報告します」という回答は正直で妥当であるとされるのだと、カ
 ップ氏は述べています。

 一方、日本人マネジャーはすべてを監視し、細部にまで口を出すという点に心
 当たりはないでしょうか。日本では上司が部下の仕事の内容に責任を持つこと
 になっているため、必要に応じて上司自身が納得するように部下の仕事をやり
 直すことも多く見られます。日本人マネジャーは自分の部署で進行している仕
 事の非常に細かいことすべてを把握して、上層部からどんな質問があっても、
 即答できるように準備しています。即答できなければ上層部から注意や叱責が
 あり、将来の昇進の道を閉ざしてしまうと恐れているわけです。結果としてそ
 れが息苦しいマイクロマネジメントのスタイルにつながっているのだと同書は
 指摘します。


 ■ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は米国人社員には期待できない

 ホウレンソウ(報告・連絡・相談の頭文字を並べたもの)は、大学卒の新入社員
 が社員教育で一番最初に学ぶ仕事のやり方です。この概念は日本でこそ一般的
 に普及しており、知らない人はいないと思いますが、米国では知られておらず、
 英語の言葉すら存在しません。同書によると前述した「マイクロマネジメント」
 が最も近い言葉です。カップ氏が開催するセミナーでは、「ホウレンソウ」が
 出来ていない米国人社員が多いのだと、次のような嘆きを日本人マネジャーか
 ら多く聞くのだと言います。「なぜ自分の部下は、進捗状況や質問の有無を自
 分に報告しないのか?部下の仕事の状況について闇の中に取り残されているよ
 うな気がする」――。米国人に特有の「独立して行動」する仕事の仕方、つま
 り仕事の進捗状況や完成度など途中経過が見えず、締切期限の直前になって初
 めて最終的な完成物をまとめてドカンと渡されるようなやり方は、日本人マネ
 ジャーにとって不慣れで戸惑うものです。「締切期限までに果たして間に合う
 のだろうか」「完成度が低かったらどうしよう」と不安に感じることでしょう。

 米国では部下が「ホウレンソウ」を実行すると、米国人マネジャーはその部下
 のことを「手を引いての世話が必要な仕事能力に欠ける人材」だと判断するこ
 とになるだろうと同書は指摘します。


 ■マイクロマネジメントの対極にあるエンパワーメントが米国のトレンド

 マイクロマネジメントと対極にあるマネジメント・スタイルが「エンパワーメ
 ント(権限委譲)」です。同書によると米国ではエンパワーメントが非常に効果
 的であるとされています。エンパワーメントとは、社員が賢明で責任感が強い
 と信じることに基づいています。エンパワーメントを与えられた社員は上司の
 承認を取らずに自分で意思決定できます。近年、社員にエンパワーメントを与
 えて、個々の社員に意思決定を任せることが米国企業でトレンドになっている
 のだと同書では言います。個人だけでなくチームの全員に対し、上司に相談す
 ることなしにチームメンバーのスケジュールを管理したり、意思決定できるよ
 うなエンパワーメントを与えることも重要だと同書では説きます。日本のマネ
 ジャーは、社員をもっと信頼し、社員が自分で考えて行動する裁量を与えるこ
 とが必要だと同書ではアドバイスしています。

 いかがでしたでしょうか。
 みなさんには自分が今までに慣れ親しんだマネジメント・スタイルがあると思
 います。それだけで突き進もうとすると、時に予期しない不具合を生じかねま
 せん。特にグローバル環境では要注意。自覚のないまま行っているマネジメン
 ト・スタイルがあるかもしれません。それを自覚した上で、日本人・外国人の
 個々の部下に応じたマネジメントを意識的に行うのが望ましいと言えるでしょ
 う。本メルマガが、みなさんのマネジメント・スタイルを見直すきっかけにな
 れば幸いです。


 ◆ソース◆
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 日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか (インプレス)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4844373951/
 pp.164-175

 アジア4カ国の上司像と働き方に関する調査2012 (リクルート調査)
 http://www.recruit-ms.co.jp/research/inquiry/in121128.html
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【Vol.163】異文化の壁を超える交渉テクニック(第3回)

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
┣━┛ 
┃    グローバルリーダーへの道          2015/05/07 配信
┃                    ★ 好評ご予約受付中! ★
┃                   『実践ビジネス英語講座』
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┃                   ∟ http://goo.gl/UZmMMq
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 今号のメルマガは、実践ビジネス英語講座・リーダーシップ力トレーニングコ
 ースで講師を務めるロッシェル・カップ氏ら二人の共著書の『外国人との交渉
 に成功するビジネス英語』(語研)から3回シリーズで紹介している「異文化の
 壁を超える交渉テクニック」の最終回です。3回の構成を振り返ると以下のよ
 うになっています。
 第1回:交渉テクニック
 第2回:なぜ、日本式交渉が外国人に通用しない(失敗する)のか(前号メルマガ)
 第3回:交渉における文化や国による違い

 第3回の今号は、交渉に影響する国民性や文化的な側面について解説します。
 「文化的な側面」というと日本人は比較的慣れ親しんでいる「欧米的」か、そ
 の他の「非欧米的」かという単純化した構図でつい考えてしまいがちですが、
 実際は複雑です。国別差だけでなく個人差も大きいのですが、同書では大胆に
 国別の特徴をとらえています。同書が比較している軸は以下の(1)~(8)
 です。

 (1)コミュニケーションスタイル (直接vs間接)
 日本は間接的なコミュニケーションスタイルを持つ文化と思っている読者の方
 も多いと思います。しかし、世界の中には、日本よりももっと間接的な文化が
 あります。東南アジアや中近東やアフリカなどです。そのような文化を持つ人
 たちは、こちらが強い発言で押せば相手が引き下がって表面的に妥協したよう
 に見えます。しかし、相手が侮辱を感じたり気を悪くしたりすれば、表向きは
 交渉に合意しても実際には協力しないということもあります。間接的なコミュ
 ニケーションスタイルを持つ文化に属する人たちは表向きは譲歩しがちに見え
 るため、こちらが強く出れば強引に進めることができるように錯覚してしまい
 ます。
 しかしこれは実際には効果的な交渉方法とは言えません。同書では「日本人が
 東南アジアの人と仕事する場合に頻繁に起こる」と指摘しています。欧米人も
 日本人に対して同じような印象を受けているのではないでしょうか。

 (2)コミュニケーションスタイル (言語的 vs 非言語的)
 同書によると例えば中国人は言語への依存度が大きいコミュニケーションスタ
 イルを持っている文化です。交渉する時、日本人は相手の真意を誤解しやすい
 ので注意する必要があると言います。このような文化の人はよくしゃべり、自
 己主張も強いので、日本人から見ると彼らのコミュニケーションスタイルは欧
 米人と同じように思えることがあります。そのため、多くの日本人は、中国人
 が欧米人と同じように直接的なコミュニケーションを好むものだとつい誤解し
 てしまいます。しかし、実際には彼らは間接的なコミュニケーションスタイル
 を持っているので、彼らに欧米人との交渉で使うような直接的な表現を使うと
 失礼にあたります。本メルマガの筆者は中国語を学習していたときに、褒めら
 れた時は「褒めていただいて、ありがとうございます」と素直に答えるのでは
 なく、「そういう時は謙遜して『そんなことはないです』という受け答えをし
 なければならない」と教えられたことを思い出します。

 (3)時間に対する価値観の違い (スピード重視 vs 重視しない)
 例えばメキシコ人やブラジル人は時間の感覚がゆったりしています。会議は決
 まった時間に始まらないかもしれません。会議が延期されたりキャンセルされ
 たりすることも珍しくありません。また、締切日や日程を厳守しなければなら
 ないという意識が薄く、フレキシブルと考えています。したがって交渉には時
 間がかかり、何回も交渉を重ねる必要があるので、忍耐力が必要です。そんな
 時でも、メキシコ人を急がせるのは得策ではありません。

 (4)意思決定の方法 (トップダウン式 vs コンセンサス重視)
 ロシア企業や韓国企業やインド企業はトップダウンによる意思決定の文化を持
 っており、組織内の地位を重視します。そのため、地位の上の者が交渉に直接
 関わることを望みます。ロシア人や韓国人の下の地位の人が提案を受ける場合、
 組織の上層部に確認する必要があるため、回答は遅れがちです。

 (5)フォーマル度 (フォーマルvsカジュアル)
 ドイツ人との交渉の席はフォーマルな雰囲気になります。少人数での打ち合わ
 せの場合は、多少リラックスできるかもしれません。堅苦しい雰囲気を解こう
 と冗談を言うのは避けるほうが良いでしょう。「その場の空気を読めていない」
 と思われてしまうおそれがあります。
 交渉の席でイギリス人も、フォーマルで毅然とした態度を示します。フレンド
 リーな態度で接するのは良いのですが、世間話はなるべく控え、個人的なこと
 はあまり話さないほうが良いでしょう。

 (6)人間関係の重視 (人間関係重視vs任務遂行重視)
 インドには人間関係を大切にする文化があります。ビジネスでは、既に面識が
 ある人との取引を優先します。交渉相手がインド人の場合、まずは人間関係を
 構築することが最も重要です。しかし、交渉過程では、日本や中国のように宴
 会や夜の飲み会はそれほど積極的には行いません。同書では、反対にドイツや
 デンマークなど任務遂行に重きを置く国では、すぐに具体的な仕事の話に入っ
 た方がスムーズなコミュニケーションを築くことができると解説しています。

 (7)取引の継続性 (長期的取引vs短期的取引)
 日本企業は安定して長期的な取引を好み、一度まとめた取引は長期的に継続す
 る傾向があります。一方、取引は短期的であることを前提とする米国企業のよ
 うな文化もあります。このような文化では、継続的な取引は期待されていない
 ので、より良い条件を提示する競合企業があれば、そちらに乗り換える可能性
 が高くなります。そのため交渉は“勝つか負けるか”になりがちです。

 (8)変化に対する態度 (変化を好むvs変化を好まない)
 欧州や中南米、アフリカの文化は昔からの慣習や伝統を大事にして、できるだ
 け現状を維持しようとします。対照的に、米国や韓国に代表されるように変化
 を好み、新しいことをどんどん取り入れようとする文化もあります。

 いかがでしたでしょうか。
 3回にわたり「異文化の壁を超える交渉テクニック」をご紹介してきましたが、
 みなさんが各国に対して持っている印象と一致したでしょか。今回取り上げた
 テーマは、実践ビジネス英語講座のリーダーシップ力トレーニングコースでも
 著者のロッシェル・カップ氏が講師となり「Cultural Intelligence」という
 科目内で大きく取り上げています。みなさんは「この国の人と交渉するときは
 気をつけている」ことはありますか?


 ◆ソース◆
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 外国人との交渉に成功するビジネス英語(語研)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4876152322
 pp.23-38、71、88、114、116、125、141、177、190、208、235

 リーダーシップ力トレーニングコース
 http://www.ohmae.ac.jp/ex/english/campaign/leadership/
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実践ビジネス英語講座
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