【Vol.159】世界で活躍する人々の17の共通点(後編)

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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 「国境を越え、世界を舞台に活躍する人々には、いくつかの共通点が存在する」
 のだと国連世界食糧計画(国連WFP)に勤務する田島麻衣子氏は言います。日本
 も含めた60以上の国籍の、実際に田島氏が接したことのある人々を参考に、
 世界で活躍する人が持っている共通点を17項目挙げています。職業は、各国の
 大使やダボス会議に主席する会社経営者、ニューヨークタイムズ誌の記者、世
 界で注目される指揮者、米国の名門大学の学長、そして国連期間の田島氏の同
 僚です。田島氏の著書『世界で働く人になる』(アルク)からその17項目を挙げ
 てみましょう。前号のメルマガでは、17項目のうち前半の(1)~(8)を紹
 介しました。以下の通りです。

 (1)人を魅了してやまない話術を持つ
 (2)愛嬌と、嫌われる勇気を併せ持つ
 (3)社交家とひきこもりが、ひとりの中に同居する
 (4)人とのつながりを大切にする
 (5)大統領であれ市井の人であれ、対等に話す
 (6)相手の感情を敏感に察知し、冷静に対処する
 (7)激しい議論の後でも、相手に微笑む余裕を持つ
 (8)自分と自分の可能性を信じる

 今号のメルマガでは後半の(9)~(17)を紹介しましょう。(10)
 (14)(15)に関しては、特に解説を加える必要もないかなと思います。

 (9)朗らかさを持つ
 田島氏の愛読書の一つが『男たちへ フツウの男をフツウでない男にするため
 の54章』(塩野七生著)です。第44章に「成功する男について」という章があり
 ます。塩野氏によると、成功する男は「えもいわれぬ明るさ」を漂わせている
 そうです。「えもいわれるぬ明るさ」とは、“騒々しい笑いではなく、静かに
 そこにいるだけでも、立ち居振る舞いの中に、何か不思議な、太陽のような朗
 らかさを感じさせること”なのだとか。この「成功する男」というのは「成功
 する人」に置き換えて読んでも、説得力のある内容だと田島氏は言います。人
 生は楽しいことばかりという人はいないでしょう。辛い時、つい暗い顔をして
 しまうのは本メルマガ筆者のような凡人です。楽しい時だけでなく辛い時も常
 に朗らかさを忘れないことは、簡単なようでなかなかできません。朗らかさを
 いつもたたえることができる“ネアカ”は、集団の中で突出して目立ちます。
 そのような“ネアカ”は男性でも女性でも、どのような肌の色をしていようが
 関係なく人々の支持を集めることでしょう。
 本メルマガ筆者が知っている会社のオーナー経営者は、「自分は社員たちにと
 ってYou(同経営者) are my sunshineでなければならない」と語ったのを思い
 出します。「日々仕事でもがいている」という田島氏は、真に朗らかな人は
 「単純に表面的な明るさだけではなく、相応な苦労や困難、不条理をくぐりぬ
 けてきたからこそ醸し出す、深みのある朗らかさを持っている」という仮説を
 「朗らかな人」と数多く接した結果として持っています。その仮説から「直面
 する困難を乗り越えたら、深みのある朗らかさが似合う私になれるかもしれな
 い」とポジティブに考えるようにした結果、困難に対しても前向きに取り組め
 るようになったと言います。

 (10)人と違うことはいいことだと考える

 (11)「興味のアンテナ」が世界全体をカバーしている
 日本語以外のメディアで世界の動きをチェックするところから始めるのが良い
 と田島氏は言います。本メルマガ筆者がお薦めする手っ取り早い方法はNHKの
 「BSニュース」です。海外の主要放送局の毎日のトップニュースをNHKが編集を
 せずにほぼそのまま日本語に通訳して放送してくれます。

 (12)自分の直感を信じる
 田島氏によると、国連組織での経験が長く、経験と知識はもちろんのこと、ロ
 ジックを組み立てる力も十分に持ち合わせる人(例えば英国人)でも「その解決
 策は、う~ん、Counter-intuitive(直観に反する)だね」と言うことがあるよう
 です。最後は自分の直感(動物的カン)を信じることが許されるということです。

 (13)中途半端な服装は選ばない
 ビジネスの場において、服を選ぶという行為はプレゼンテーションの一種なの
 だと田島氏は言います。自分が担う役割や、人に与えたい印象、伝えたいメッ
 セージに合致させて、考え抜いた装いをするのがビジネスの場です。「中途半
 端なファッション」は、自分を表現する好機をみすみす逃すようなものだとい
 うことです。
 本メルマガ筆者もスーツには無頓着なのですが、もし、仕事に行くために、た
 だお決まりのスーツを引っ張り出すだけの毎日と言う読者の人がいたら、明日
 手に取るスーツに少し注意を払ってみるといいと田島氏は言います。自分の装
 いを通じて、みなさんはどのようなメッセージを相手の人に与えたいのでしょ
 うか。堅実、清潔、あるいは余裕でしょうか。今日選んだスーツは、自分が打
 ち出したいイメージとぴったり合致しているでしょうか。服装によって表現し
 たい自分のイメージを、一度客観視してみることが必要だと言います。

 (14)日常的な運動で健康管理

 (15)ここぞ!という場面で持てるエネルギーを集中する

 (16)異文化に対する耐性が強い
 海外を拠点にするうえで、完全にはコントロールしきれない要素が3つあると
 田島氏は言います。

 “(A)慣れない気候の中で生活すること
 (B)異国の食べ物を食べて生きていくこと
 (C)その土地の宗教に日常生活の場面で関わること”

 本メルマガ筆者の経験では、海外のキリスト教徒は教徒でない私を積極的に行
 事に誘ってきました。日曜日の午前中はキリスト教会の礼拝に誘われました。
 キリスト教に疎いという私の事情を知っている親戚も日曜礼拝に私を誘いまし
 たので、誰でも誘うのだと思います。田島氏は同書の中で「日本人として異文
 化を楽しむ寛容さ」で行事に臨めば良いと述べています。キリスト教を信じる
 かどうかは別として、誘われれば遠慮せずに積極的に行事に参加していいので
 はないでしょうか。一方、人当たりは良さそうなのですが、ユダヤ教徒は、宗
 教行事には一切誘ってこなかったというのが私の個人的な経験です。

 (17)自国について「多角的な理解」と「静かなプライド」を持つ
 どんなに長くある土地に暮らし、その場所の生活に馴染んだとしても、その土
 地の人からみれば日本人はあくまで日本人として見られるということです。周
 囲が外国人だらけだと自分もその土地の人間に成りきってしまって、自分が日
 本人の姿形をしていることを忘れてしまうのは私だけでしょうか。例えば米国
 の公衆トイレに入った時、中の大きな鏡に写っている米国人になりきっている
 つもりの東洋人(=本メルマガの筆者)がいます。どこからどう見ても日本人
 にしか見えない自分の姿形を目の前に突きつけられて我に返ります。また、日
 本人のふりをした「自称日本人」の東洋人に出会ったこともありますが、日本 
 人でないことがばればれです。良くも悪くも日本人であることは一生ついて回
 るということですね。日本人としてのアイティティをきちんと持たなければな
 りません。

 いかがでしたでしょうか。
 世界を舞台に活躍するビジネスパーソンの行動様式や考え方は、読者のみなさ
 んのイメージと合致したものでしたでしょうか。私たちが世界で働くうえで何
 を学んだら良いかを改めて考えさせられますね。


 ◆ソース◆
 ============================================
 『世界で働く人になる』(アルク)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4757426054/ 
 pp.110-145

 『男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4167337037
 ============================================

【Vol.158】世界で活躍する人々の17の共通点(前編)

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
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 「国境を越え、世界を舞台に活躍する人々には、いくつかの共通点が存在する」
 のだと国連世界食糧計画(国連WFP)に勤務する田島麻衣子氏は言います。
 日本も含めた60以上の国籍の、実際に田島氏が接したことのある人々を参考に、
 世界で活躍する人が持っている共通点を17項目挙げています。職業は、各国の
 大使やダボス会議に主席する会社経営者、ニューヨークタイムズ誌の記者、世
 界で注目される指揮者、米国の名門大学の学長、そして国連機関の田島氏の同
 僚です。田島氏の著書『世界で働く人になる』(アルク)からその17項目を挙げ
 てみましょう。紙幅の関係上、17項目のうち前半の(1)~(8)を今号で、
 後半の(9)~(17)を次号で紹介します。

 (1)人を魅了してやまない話術を持つ
 話術で相手を魅了する人は、「必ず相手を魅了したい」という素直で健全な欲
 求を持ち合わせているのだと田島氏は述べています。「相手に聞いてもらいた
 い」という強い思いがあるからこそ、相手の心に言葉が届くのだといいます。
 本メルマガ筆者が個人的に、話術に思わず引き込まれてしまうのがソフトバン
 クの孫正義社長です。「ソフトバンクは30年後、株式時価総額200兆円ぐらい
 になっていないといけない」と孫社長は言います(2015年3月23日現在の株式時
 価総額は約8.5兆円)。世界最大の時価総額を誇る米アップル社の株式時価総額
 が100兆円弱です。あまりにも奇想天外な話で「大法螺なのかな」と感じる面
 もあるのですが、孫社長の話術は人を魅了して止みません。日本では孫社長が
 目指す「株式時価総額200兆円」などという「欲望」は、何かドロドロしていて、
 人前には晒さずに隠しておくべきものと思われていますが、人前で話す場合に
 は肯定的に捉えたほうが、プラスに働く面が多いのだと言います。自分の信念
 や情熱をしっかりと持ち、「聞き手を魅了したい」という気持ちで話すことが
 重要です。

 (2)愛嬌と、嫌われる勇気を併せ持つ
 大の大人の男性が男性に向かって人懐っこく笑顔でウインクして挨拶すること
 に驚いた経験が本メルマガ筆者には何度かあります。誰に対しても自然体で愛
 嬌を振りまけることができる男性は外国人のほうが多いと思いますが、日本人
 男性の中にもいます。憎めない朗らかさは、幼い子供だけに許される特権では
 なく、人としての円熟味や経験とも立派に両立し得るものです。しかし、ただ
 愛嬌を持っているだけでは不十分です。人から嫌われることを気にしないとい
 う強さも兼ね備えています。
 日本社会では、人から嫌われると「嫌われてしまった」と悩んでしまう人が多
 いですが、上司や家族など、自分の人生に重要な影響を及ぼすと判断している
 人々には繊細な注意を払う一方で、そうでない人々にまで好かれなければなら
 ないという気持ちは持ち合わせていないのが、世界で活躍するビジネスパーソ
 ンです。社会で生きていくうえで、ある一定の人々から嫌われることを避けて
 通ることはできないということを受け入れているのです。

 (3)社交家とひきこもりが、ひとりの中に同居する
 パーティなどでは社交的なビジネスパーソンであっても、24時間365日、常に
 社交的なわけではなく、「引きこもり」を選択する場面があります。田島氏の
 知人であるグローバル企業の代表者が「商談相手とは夕食をとらないことにし
 ている」「夕食は家族ととるのが一番」だと話してくれ、社会に浸透にしてい
 るその人が持つ社交的なイメージとは正反対の発言を聞いたときのギャップの
 大きさが印象に残っているのだと言います。
 世界で活躍するビジネスパーソンは、場面と目的に応じて、主体的に顔を使い
 分けることが上手です。自分が生きたい人生を送るために、自分自身の選択で
 顔を使い分けています。

 (4)人とのつながりを大切にする
 初めて会った時はどんな関係になるか全く想像できない相手でも、運命の転が
 り方によっては、不思議とその後も縁がつながるケースがあります。直接の利
 害関係が今はなくても、人とのつながりを大切にします。

 (5)大統領であれ市井の人であれ、対等に話す
 人間の懐の深さ具合というものは、誰とでも対等に話せることと関係している
 と、田島氏は述べています。TVニュースを見ていると、例えば安倍首相が街頭
 で、初対面の一般市民と握手する場面はあっても、一般市民が安倍首相に対し
 ていきなり親しげに談笑しているという場面はほとんどお目にかかったことが
 ありません。米国のニュースを見ているとオバマ大統領に対して初対面のごく
 普通の一般市民と握手しながら、何やら親しげに話しかけて、それにオバマ大
 統領も長々と返事しているという場面に出くわします。社会的地位や立場に関
 係なく、誰とでも臆さずに話せる度胸は羨ましくも、人間力の賜物であると思
 います。

 (6)相手の感情を敏感に察知し、冷静に対処する
 相手の感情を察知するには、自分の感情感知センサーを健全な状態でONにし、
 意識して敏感でいる必要があります。上手に仕事を進めていくためにはロジッ
 クも大切ですが、相手と自分の感情のあり方も重要です。

 (7)激しい議論の後でも、相手に微笑む余裕を持つ
 仕事で目に見える成果を挙げているビジネスパーソンは、仕事上の問題と相手
 の人格を別モノとしてしっかりと切り離して考えています。例え、仕事上で合
 意できないことがあったとしても、相手の人格までを否定してはいけません。
 仕事と人格を分けて考えるように訓練されていないと、仕事上で否定されたこ
 とによって自分の人格までもが否定されてしまった気分に陥ります。そしてそ
 のことが、人間関係にまで悪影響を及ぼすことさえあります。

 (8)自分と自分の可能性を信じる
 世界を舞台に活躍している人を観察していると、日常的に、なるべくポジティ
 ブなイメージの言葉に接することで自分を肯定的に捉える習慣付けをしている
 と田島氏は言います。ポジティブなイメージの言葉に接する方法として、自分
 でコントロールできるものと他者から投げかけてもらうものの2種類が存在し
 ますが、自分でコントロールできるものとして、米国でよくすすめられる方法
 に、何と「独り言」があるのだと田島氏は言います。「独り言」は日本ではあ
 まり肯定的なイメージを持っていませんが、米国では「独り言のすすめ」と言
 って、就職の面接前や試合前に自分を励ますことを強く推奨する専門家さえい
 るのだと言います。心の中で自分に語りかけることはあると思いますが、それ
 を声に出して言うというイメージです。誰も見ていないところで「よっしゃ」
 「やったね」と思わず独り言を吐いてしまうことがありますが、悪いことでは
 ないと知りほっとさせられます。
 また、自分の身振りにも効果があります。米国の社会心理学者のエイミー・
 カディ(Amy Cady)氏によると、「大事な局面での一人ガッツポーズ」も自己肯
 定感を高めるのに、大いに効果があるのだと言います。
 ビジネスパーソンではありませんが「一人ガッツポーズ」をしているのをTV番
 組のスポーツ中継などで目にするのは卓球の試合で1点ごとに拳を握る福原愛
 選手。そして「さーっ!」という掛け声。最近ではテニスの錦織圭選手の「一
 人ガッツポーズ」を目にします。能力を発揮するために効果的なアクションな
 んですね。

 いかがでしたでしょうか。
 世界を舞台に活躍するビジネスパーソンの行動様式や考え方の前半(1)~
 (8)は、読者のみなさんのイメージと合致したものでしたでしょうか。
 私たちは世界で働く上で何を学んだら良いのか改めて考えさせられます。

 後半の(9)~(17)は来週のメルマガで解説します。お楽しみに。


 ◆ソース◆
 ============================================
 『世界で働く人になる』(アルク)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4757426054/ 
 pp.76-109

 エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」(TEDの英文日本語訳資料)
 http://goo.gl/8IAVDt

 『ソフトバンク新30年ビジョン』(ソフトバンククリエイティブ)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4797362561
 ============================================

【Vol.157】ジョブズ流!1分で観衆の心を掴むプレゼン術

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
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 何度かこのメルマガでもご紹介しているスティーブ・ジョブズ氏のプレゼン術
 ですが、今回は米Apple社が2005年10月12日、米カリフォルニア州のサンホセ
 に位置するカリフォルニア劇場で、デスクトップPCであるiMac、新しい携帯用
 メディアプレーヤーであるiPod、そして音楽、写真、動画をダウンロードでき
 るiTunesの新しいバージョンを発表した「Special Event」の場面を例にご紹介
 します。そのイベントで米Apple社の当時のCEO(最高経営責任者)のスティーブ
 ・ジョブズ氏が基調講演しています。韓国のプレゼンテーション教育コンサル
 タントのキム・キョンテ氏は、「一度視聴するだけでも価値がある」として本
 プレゼンを絶賛しています。そして同プレゼンの進行順番にしたがってオープ
 ニングからクロージングまでを解説して1冊の本にまとめました。『スティーブ
 ・ジョブズのプレゼン技術を学ぶ本』(こう書房)がその本です。今号のメルマ
 ガでは、スティーブ・ジョブズ氏がプレゼンの冒頭部分で使っているテクニッ
 クを、同書から具体的に見てみましょう。

 ※YouTubeで動画を視聴できます。URLを文末の◆ソース◆に記載しました。


 ■自分がこれから行うプレゼンを“古典名作オペラ”に例えるオープニング

 “Wow! Good morning. Good morning, we got some amazing stuff to show 
 you this morning. And, like every great classic story, I've divided 
 it into three acts.So, what do you say let’s get started?
 Act one. The iMac.

 今朝、みなさんにお見せする驚くべきものを準備しました。すべての古典名作
 のように、今回のプレゼンテーションも3幕で構成しました。それでは、何から
 始めましょうか。第1幕、iMacです。”

 時間にして1時間を超える、長いプレゼンの始まりです。ジョブズ氏はスター
 トの段階でプレゼンに対する聴衆の関心と期待感を呼び起こし、雰囲気を明る
 く好意的なものにするため、最初の1分間で次のようなアピールをしているの
 だとキム氏は分析します。

 ラ・トラビアータ、リゴレット、タンホイザーのような古典名作オペラは、全
 3幕で構成されています。同じく“3幕”で構成したジョブズ氏のプレゼンが、
 オペラの古典名作と同等、聞く価値があることをアピールしています。会場と
 なっているカリフォルニア劇場ではオペラも上演するのでしょう。「古典名作
 並みにおもしろい話を今からプレゼンテーションしますよ」ということを聴衆
 にアピールして、聴衆の注意をひきつけているわけです。次のような3段論法が
 背後にあるとキム氏は指摘します。

 “(1)古典名作は、すべて3幕で構成している
 (2)私のプレゼンテーションも3幕で構成している。
 (3)よって、私のプレゼンテーションも名作である。”

 ジョブズ氏は、自分のプレゼンが古典名作に匹敵するくらい水準が高くて有用
 なものであるという自信があるからこそ、「古典名作」を引き合いに出してい
 るのでしょう。聴衆は「会場(カリフォルニア劇場)に合わせて、うまいこと言
 うな」と感心するとともに、「どんな素晴らしいプレゼンが始まるのか」と、
 プレゼンに興味を向かせるわけです。

 ■「1 million」という販売実績数字だけをテキストで画面をいっぱいにする

 ジョブズ氏はまず、iMacの製品力を物語るのにわかりやすい販売実績を話します。

 “The iMac is an awesome computer. We introduced the third generation 
 iMac about a year ago. And I'm pleased to report today that we sold 
 over a million of it in its first year, and we are thrilled with this.

 iMacはすごいコンピュータです。今から約1年前、私たちは第3世代iMacを発売
 しました。発売した年に100万台以上のiMacを販売したという嬉しいニュース
 をみなさんにお知らせします。私たちはとても鼓舞されています。”

 プレゼンを準備する段階から、あるテーマの「大きな絵」が何かについて考え
 て、それをどのようにして分かりやすく簡潔に伝えたら良いか、聴衆に与える
 べき印象について考えるべきであるとキム氏は言います。今日は100万台売った
 第3世代iMacよりもいい製品を見せようとしています。そのために聴衆の期待度
 はさらにアップします。第3世代の写真すらプレゼンには登場させないのも計算
 のうえでしょう。

 ■大きな絵を先に話す

 ジョブズ氏はNew iMacの大きな絵を説明します。

 “And, it's a fantastic computer.
 I think it’s the ultimate desktop architecture.
 Because, when you have this large flat display what better place to 
 put the computer than right behind display?
 We put the optical drive, the hard drive, power supply to make a 
 beautiful compact package with the whole computer in it.
 And then float it on a beautiful, elegant stand. 

 また、iMacは素晴らしいコンピューターです。最高のデスクトップの構造を持
 っているコンピューターです。私たちが大きくて平たいディスプレーのモニタ
 ーを持っているなら、コンピューターのほかの装置を置く場所はディプレーの
 後ろよりいいところはないでしょう。私たちは、オプティカルドライブ、ハー
 ドディスクドライブ、パワーサプライなど、すべての装置を素敵でコンパクト
 なパッケージとして作り、ディスプレーモニターの後ろに入れました。そして、
 このすべてが美しく洗練されたスタンドの上に乗っています。”

 ジョブズ氏はiMacを「最高のデスクトップの構造を持っているコンピューター」
 と一言で明快に定義します。続いて、様々な例を挙げながらiMacがなぜ最高の
 デスクトップコンピューターであるのかを説明します。つまり、大きな絵から
 始めて、細部に言及してゆきます。New iMacは液晶ディスプレイと本体が一体
 型のデスクトップコンピューターです。これが、コンピュータの細部の仕様を
 説明する前に、外見を見るだけで誰もが感じることができるiMacならではの長
 所です。つまり大きな絵です。

 いかがでしたでしょうか。
 本メルマガを執筆している筆者も、みなさんと同じようにスティーブ・ジョブ
 ズ氏のプレゼンテーションに魅了されるひとりですが、「具体的にどの部分が
 ?」と聞かれるとうまく答えることは難しいです。プレゼンの専門家が分析し
 た解説書があると、いろいろなテクニックが存在し使われていることが具体的
 に分かるので、「プレゼンのここが素晴らしい」というポイントが具体化して
 きます。解説書を片手にプレゼン動画を視聴すると気づきが多く見つかるでし
 ょう。無料動画を数多くYouTubeで視聴でき、紹介したような解説書籍の類書が
 多いジョブズ氏はプレゼンのお手本にしやすいので、おすすめです。

 みなさんも次回、日本語や英語でプレゼンを行う際に、改めて彼のテクニック
 を参考にしてみてはいかがでしょうか。


 ◆ソース◆
 ============================================
 『スティーブ・ジョブズのプレゼン技術を学ぶ本』(こう書房)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4769610483
 pp.11-41

 Apple Music Special Event 2005 (1/7)
 https://www.youtube.com/watch?v=biL_KxQQW6o
 (2/7)~(7/7)は上記YouTubeを参照下さい
 ============================================ 

【Vol.156】超簡単「ハーバード式・5行エッセイ」の極意

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
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 実践ビジネス英語講座(PEGL)初級コースの講師でもあり、ハーバード大学経営
 大学院でMBAを習得した青野仲達氏によると、同ビジネススクールには、英語を
 母国語としない「非ネイティブ」の学生に対して「英語で生き抜く技術」を教
 えるプログラムが存在するのだと言います。同プログラムの狙いは「非ネイテ
 ィブ」の学生が言葉の壁を越えて、円滑に授業に溶け込めるようにすることで
 す。その最重要項目が「エッセイの書き方」です。ここで言う「エッセイ」と
 は、相手に対して伝えることを前提に「自分の考えを整理して書いたもの」を
 指します。本当に使える英語を学ぶための最も効率的で、最も有効な方法は
 「エッセイの書き方」を習得することだと、青野氏は同プログラムを受講して
 確信したと言います。今号のメルマガでは青野氏の著書『グローバル時代を生
 き抜くためのハーバード式英語学習法』(秀和システム)から、エッセイの書
 き方を紹介します。

 ハーバード大学でも通用する「英語のエッセイ」といっても難しいことは何も
 なく、下のようにたった5行で軸を構成します。

 “I like summer best.(私は夏が一番好きだ。)
 The days are longer.(日が長い。)
 We can dress down.(楽な服装ができる。)
 I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる。)
 My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ。)”

 5行エッセイを書くためには「3つのルール」というものが存在します。
 以下の「ルール1」~「ルール3」の通りです。

 ■ルール1:最初に結論を述べる(1行目)。
 結論とは「要は何が言いたいか」です。「夏が好きだ」は明確に「自分の考え」
 を述べています。それに対して例えば「夏は暑い」はどうでしょう?一見する
 と結論のように見えますが、「自分の考え」を主張しているわけではありませ
 んので、結論にはなりません。「状況を描写している」だけに過ぎません。状
 況を描写するのではなく、意見を主張するのが結論のコツだと青野氏は述べて
 います。

 ■ルール2:理由を3つ挙げる(2~4行目)。
 結論を述べた後は次に、理由を挙げます。理由は結論を支える柱となるもので
 す。誰かの意見を聞くと、人は「なぜ、そういう意見なのか?」と理由を知り
 たくなります。会話でもそうですし、文章を読む場合でも同じです。理由を挙
 げるときの数は3つが多すぎず、少なすぎずちょうどいいです。
 このときのコツは、考える段階では3つと言わず思いつく限りの理由をなるべ
 くたくさんリストアップしてみることです。その中から、最も説得力を持ちそ
 うな理由を3つ厳選してください。同時に、それらの理由がお互いに「似ていな
 い」ことが大切です。なるべく多面的な視点を提示することによって、エッセ
 イの説得力が増します。

 上で挙げた理由は
 【理由1】:日が長い。
 【理由2】:楽な服装ができる。
 【理由3】:家族と一緒に旅行ができる。
 ――と毛色が異なるものです。

 そのほかにも、
 ・ビールがうまい。
 ・野球観戦ができる。
 ・虫捕りができる。
 といった毛色が異なる理由が思い浮かびます。

 ■ルール3:最後に結論を繰り返す(5行目)。
 次の作業は「結論を繰り返す」ことです。結論を繰り返す目的は「念を押すこ
 と」です。結論を伝えることが最重要ですので、「話は聞いたが、結論は忘れ
 た」ということになっては意味がありません。最初に述べた結論を「もう一度
 伝える」ことで万全を期しましょう。 

 結論を繰り返す方法は二つあります。一つは反復です。最初の結論を文字通り、
 そのまま反復します。1行目が「I like summer best.」なら終わりも「I like 
 summer best.」で締めくくります。これが最も簡単に結論を繰り返す方法です。
 もう1つの方法は「言い換え」です。結論は同じなのですが(変えてはいけませ
 ん)、言い方を換えます。「夏が一番好きだ」は「好きな季節は夏だ」と同じ
 意味です。最初の結論は次の文のように言い換えることができます。
 「My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ。)」

 反復にするか言い換えにするかはどちらでも構いません。「最初は無理をせず
 に反復し、慣れてきたら言い換える」ことを青野氏は推奨します。
 これで、このたった5行のセンテンスでエッセイの骨格が完成しました。

 5行エッセイを書く事に慣れてきたら、少し内容を膨らませてみましょう。5行
 エッセイで挙げた理由に証拠を付け加えます。理由は結論を支える柱でした。
 証拠はその理由を支える具体的な情報です。動かし難い事実や数字は絶好の補
 強材料となります。「なるほど、確かにそうか」と相手に対して納得させやす
 くなります。証拠の数は1つの理由について2つか3つくらいが適当です。最も説
 得力がある証拠を2つか3つ選んで下さい。証拠が1つしかないという状況は避け
 ましょう。「理由の根拠はたったそれだけ?」と相手に思われてしまいます。

 【理由1】~【理由3】を補強する証拠を考えてみましょう。 

 【理由1】:The days are longer.(日が長い。)
 《証拠1》:The sun rises before 6am.(日の出は朝6時前だ。)
 《証拠2》:The sun sets after 7pm.(日没は夜7時過ぎだ。)

 日の出と日没の時刻という具体的な定量情報を提示することによって、「日が
 長い」という理由を裏付ける証拠になります。

 【理由2】:We can dress down.(楽な服装ができる。)
 《証拠1》:We have a loose dress code at work.
      (会社ではクールビズの制度がある。)
 《証拠2》:We need neither coats nor jackets at home.
      (家ではコートも上着もいらない。)

 クールビズという制度やコートも上着が不要という具体例を挙げて「楽な服装
 ができる」という理由を補強しています。

 【理由3】:I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる。)
 《証拠1》:Our firm encourages us to take two weeks off in summer.
      (会社は2週間の休暇を夏に取ることを奨励している。)
 《証拠2》:My children have no school in August.
      (子供たちの学校が8月は休みになる。)

 理由が「家族と一緒に」ですから、家族の構成員である「自分」と「子どもた
 ち」を例に取り上げ、それぞれの休みが取れる事情を説明しています。会社で
 休暇が取れるという環境と学校が夏休みという状況を組み合わせて、「一緒に
 旅行ができる」という理由を補強しているというわけです。

 いかがでしたでしょうか。
 核となるトピック・センテンスを上記の肉付けし、5行エッセイからスタート
 して発展させることができます。このようにA4判の紙を1枚で自分の考えを思
 う存分伝えることができるようになります。「どこから何を書き始めたらよい
 のか分からない」という時、みなさんもこのフレームワークをぜひ使ってみて
 ください。


 ◆ソース◆
 ============================================
 グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法
 http://www.amazon.co.jp/dp/4798043176
 pp.6-7、pp.31-37、pp.118-127
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【Vol.155】いま日本人に必要な「個で戦う力」(後編)

※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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 皆さんは、「世界の“フツーの”ビジネスパーソンにはできて、日本のエリー
 トが苦手なこととは何か」と聞かれたら、どんなことを思い浮かべますか?
 船川淳志氏と今北純一氏の共著書『そろそろ、世界のフツーをはじめませんか
 ――いま日本人に必要な「個で戦う力」』(日本経済新聞出版社)は、世界の
 フツーのビジネスパーソンにはできて、日本のエリートにはなかなかできない
 ことを6項目あげています。前号のメルマガでは、前半(1)~(3)につい
 てお伝えしました。(1)~(3)を簡単に振り返ってみましょう。

 (1)“自分の意見・見解を、複数の人間、しかも専門の異なる初対面の相手
 にでも、気おくれすることなく、かつわかりやすく伝えることができる。“
 (「身内」以外に対する発信力と説明責任能力を備えているか?)

 (2)“相手の話を聞いている時に、理解できないこと、不明なこと、興味を
 持ったことについて率直に質問することができる。”
 (周りの顔色をうかがわずに、聞くべきことを聞ける質問力、胆力、そして知
 的好奇心を備えているか?) 

 (3)“自分の見解について、異なる立場の他者からの質問や提案を受けた時
 に、建設的な対話を展開することができる。”
 (肩書き、年齢、学歴などの属性を理由に、相手の質問を封じ込めたり、反対
 に、質問をはぐらかしたり、逃げたりせずに向き合える対話力を備えているか?)

 今号では(1)~(3)に続いて後半の(4)~(6)をお伝えします

 “(4)自分の国の歴史、文化、宗教、政治動向について相手から聞かれた場
 合に、バランス感覚を持ちつつ自分の定見を相手にわかりやすく説明できる。”
 (「仕事以外の分野では会話が続かない」というのではなく、自らのアイデン
 ティティについて考え、教養を深め、視野を広げているか?)

 『今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール』
 (東洋経済新報社)によると興味深いエピソードがあります。1995年、フラン
 スでハリファクス・サミットという先進国首脳会談が開催されました。サミッ
 トが終わった後、パリのエリゼ宮で日仏首脳会談が行われました。出席したの
 はフランス側は当時のシラク大統領、日本側は村山首相、河野外相、橋本通産
 相です。首脳会議だからこそ、意気投合して仲良くなるべく、会話は仕事以外
 の趣味の話などに及びます。首脳会議用に、パリのギメ美術館から特別に貸し
 出された縄文式土器の大型つぼや江戸時代の袖屏風、古代埴輪を前にして、知
 日家であり親日家として有名なシラク大統領が日本の3閣僚を相手に、古代史か
 ら蒙古襲来、さらには源義経がモンゴルに渡ってジンギスカンになったという
 伝説まで縦横無尽に話しました。この時、日本史を話題にシラク大統領と対等
 に会話できたのは、読書家で知られる橋本通産相だけだったと言います。村山
 首相も河野外相も黙して語らずだったようです。首脳会議の様子を取材した当
 時の産経新聞パリ支局長の山口昌子氏は「教養と教養の真剣勝負。キザと思わ
 れても、ウンチクを傾ける必要がある。それも長時間の会話に耐えうる知識量
 でなければならない」旨を『大国フランスの不思議』(角川書店)で書いてい 
 ます。

 このような首脳会談は雲の上の存在ですが、本メルマガ筆者も“草の根版”を
 体験して自分を恥じた事があります。江戸時代に流行ったと言われる「根付け」
 を皆さんはご存じでしょうか。金属や象牙、木でできた装飾品の一種で、帯に
 挟んで腰にぶらさげてお守りの役目もしていました。仕事で仲良くなったロジ
 シア人のフツーのビジネスパーソンがその江戸時代の「根付け」(象牙製)を
 収集していたのです。「根付け」の収集家の外国人は珍しくないようです。と
 ころが、根付けの話をされてもそれを知らなかった筆者には話についてゆけな
 かったのです。日本人としてかなり恥ずかしい思いをしました。

 筆者のような恥を海外でかかないためには、よその国の文化に関心を持つこと
 も大事ですが、まずは自国の文化について、最低限の知識くらいは身につけて
 おくべきだと今北氏はアドバイスします。

 “(5)日本人が自分一人という状況でも、多国籍チームや組織の中で、貢献
 ができる。”
 (国籍、宗教、文化的価値観など多様なバックグラウンドを持つ相手と、お互
 いの価値観を認め合いながら、共同作業ができるか?)

 船川氏は一時期、会社を辞めて海外放浪の旅をしていたのですが、海外では外
 国人相手に武道のインストラクターをしていました。武道は日本人のアイデン
 ティティを示すのに有利ですね。白い袴をはいて外国人に棒術や空手の指導を
 していたので、日本人冥利に尽きたといいます。33歳まで武道のインストラク
 ターをしていたことが、その後も船川氏の拠り所になっています。

 船川氏が所属していた武道の団体は、インストラクターは白い袴をはき、稽古
 着も白でした。この白装束は昔なら切腹する際の死に装束そのものです。師範
 からは、普段の稽古に「切腹する覚悟で臨め」と言われていました。帯を結ん
 で、袴の紐をギュッと結びながら気持ちを高めていくのだと言います。プレゼ
 ンやワークショップを行う前にスーツに着替える時の感覚が、全く同じで、ま
 さに腹をくくる、覚悟を持つという感覚だと言います。

 多文化組織は異なる価値観や視点がプラスに働きますが、それゆえ、コンフリ
 クト「対立」も起きやすくなります。そうした時に、決して逃げることなく、
 なおかつお互いの価値観を認め合いながら前に進めていく姿勢が必要となりま
 す。それを支える軸は、最後はアイデンティティの問題に行き着くと船川氏は
 言います。

 “(6)ユーモアの感覚、遊び心がある。”
 (日本人の仏頂面は英語でもBuddha-like stone faceと言われることがありま
 す。場を和まずユーモアのセンス、ウィットの感覚を持ち合わせていますか?)

 皆さんは笑いが取るのが得意でしょうか?
 笑いを取る効果を否定する人はいないと思います。笑いは一瞬のうちにその場
 の空気を和ませる効果を持ちます。誰もが持ちたい能力であり、『世界のジョ
 ーク集』のような本も出版されているくらいですが、間の取り方は本から学ぶ
 ことはできません。そのため『人志松本のすべらない話』のDVDを視聴して笑い
 を取る“研究”をしている人からそのDVDを勧められたことがあります。皆さん
 はどのようにして笑いを取るスキルを磨いているでしょうか。

 笑いを取る秘策というものはなさそうです。一朝一夕には身につかないでしょ
 う、普段から笑いを取る能力にも目を向けることから始めればいいのだと船川
 氏は言います。
 
 いかがでしたでしょうか。
 (1)~(6)のいずれも、歳を重ねて経験を積むことによって自然に身につ
 けば良いのですが、残念ながら努力をしないと身につけることができません。
 問題はどうやって身につけるかです。「こんな国際的日本人になりたいな」と
 言う尊敬できる"師匠“を見つけてその人を目標・お手本にするのは、ひとつ
 の方法ではないでしょうか。


 ◆ソース◆
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 そろそろ、世界のフツーをはじめませんか―いま日本人に必要な「個で戦う力」
 http://www.amazon.co.jp/dp/4532318823
 pp.15-18、206-225
 今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール
 http://www.amazon.co.jp/dp/4492044221
 大国フランスの不思議
 http://www.amazon.co.jp/dp/4048836757
 人志松本のすべらない話
 http://www.fujitv.co.jp/suberanai/index.html
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