※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
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┃    グローバルリーダーへの道          2014/05/01 配信
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 そこで今回は、【大前研一の今日から使える英語】から、内容の一部をご紹介
 したいと思います。


 TOEICで高得点をマークしているにも関わらず、英語の交渉や商談に苦労する
 日本人ビジネスマンが多いのは、和文英訳で英語のフレーズを考えている為です。
 和文英訳の文章は、ビジネスの現場で使うと、真意が通じないばかりでなく、失
 敗するケースが多いのです。学校で学ぶ英語とビジネス英語は、違うものと理解
 する必要があります。

 例えば、仕事が予定より遅れている部下や取引先に理由を尋ねる時、日本人は
 「Why~」「Explain to me.」
 を使いがちですが、これは頭の中で「なぜ遅れたのですか」「説明してください」
 を和文英訳しただけです。しかしこれは英語としては、「なぜなんだ!」「説明
 しろ!」と問い詰めている様なキツい表現なのです。

 この場合は、
 「I was expecting to receive it yesterday. Can you tell me why that
 didn't happen ?」
 (それを昨日受け取るはずでしたが、まだである理由を教えて頂けますか?)

 という様に、相手を責めたり気分を害さない様に表現するのです。ビジネスで
 大事なのは、過去を引きずらず、相手をやる気にさせて前進する事です。

 こうすると続けて、
 「I would be very happy to wait for another three days, if you have a
 good reason.」
 (しっかりした理由がありましたら、私はあと3日間、喜んでお待ちします。)
 といった様に、前進につなげる事が出来ます。


 続いての例は、さほど親しくない相手に「それは止めてくれ」と言いたい場合、
 「Stop it」
 と言ったら、「お前にそんなふうに言われる筋合いは無い」と怒って喧嘩になる
 でしょう。丁寧な言い方をしようと思って
 「please」
 を付けても逆効果です。

 そんな場合は、
 「I wouldn't do it.」
 (私があなたの立場だったら、やらないと思いますけど・・・)
 という婉曲的なニュアンスを含んだ言い方が適しています。

 次なる例として、「このレポートを水曜日までに提出して欲しい」と部下にお願
 いする時に、
 「Please turn in this report by Wednesday.」
 と言う人が多いでしょう。

 しかし、これもグローバルビジネスの現場では、上から目線の命令口調に聞こえ
 ます。そんな時は、
 「If it's possible, I would like to see this report by Wednesday.」
 (できれば、私はこのレポートを水曜日までに見たいんだけれど。)
 と「I」を主語にして、遠回しの言い方にすべきです。

 相手は一方的に命令されたと感じないので、異論を挟む余地が生まれ、
 「金曜日ではダメですか?」
 「最終的なものは金曜日でも良いけれど、この数字だけは水曜日に必要なんです。」
 といった決定プロセスに参加させる事ができます。
 つまり、パートナーとして相談に持ち込む事が、英語表現でのポイントとなるの
 です。


 さて、こうした事例からも分かる様に、学校で教わった英語がビジネスの現場で
 役に立たないのは、なぜなのでしょうか?

 それは、中学・高校での6年間の英語教育が、根本的に方法を間違えているから
 です。

 1つ目には、評価方法があります。英語がコミュニケーションツールであるにも
 関わらず、他の教科と同じく○×式で判定するので、英語を話す時「正しいか、
 間違っているか」と、単語・文法・構文を気にするあまり言葉が出なくなってし
 まうのです。

 2つ目には、学習パターンがあります。構文を覚える学習パターンでは、例えば
 「no sooner ~ than・・・」
 に対して、「母が入ってくるやいなや、私はその部屋を出た」という構文の主語
 を「叔父さん」などと変えて覚えさせますが、これでは実践的な英語は身に付き
 ません。

 なぜなら、それは死んだ英語であり、これに対して生きた英語では、時間がどん
 どん進み、次にどうなったか?といった具合に状況変化に追従する必要があるか
 らです。

 3つ目には、語学を学ぶ基本があります。どの国でも赤ちゃんは「聞く→話す→
 読む・書く」という順序で言語を覚えますが、日本の英語教育は「読む・書く」
 からという逆の順番で始めています。この順番を間違えた教育方法にこそ、英語
 が出来ない本質的な原因があるのではないでしょうか。

 では、社会人となってから、英語は、どの様に学べば良いのでしょうか?

 まず、自分の頭の中にある英語を棚卸しする必要があります。そして、語学を学
 ぶ順序に沿って学習し直すのです。

 その方法とは、まずは、ネイティブの上手なスピーとやプレゼンテーションを
 「聞く」事です。お勧めは「TED(テッド)」というインターネット上で、プレゼ
 ンの動画を公開しているサイトです。「TED」の上手なプレゼンを聞いていると、
 自分が使いたいと思う巧みな表現が随所に出てくるので、それをメモして吸収す
 るのです。

 続いて「話す」については、メモを片手に、今、目の前に見えている事や、自分
 が考えている事や、さっき人から聞いた事を英語で、実況放送してみるのです。
 スマートフォンやICレコーダーに録音するのも効果的でしょう。すると、言えな
 い表現が多々ある事に気付くので、それをメモして英語学校やネイティブの友人
 に教えてもらうのです。こうして、言えなかった表現が言える様になると、とっ
 さの場合にも、自然と口から出てくる様になります。

 最後の「読む・書く」については、名スピーチの演説原稿等をじっくり何度も読
 み、その中から上手い表現を書き出して、自分のものとしていくのです。

 こうして生きた教材から、色々な表現やフレーズが頭の中でつながる様にする
 訓練を繰り返す事が重要です。

 著書では、さらにチャプターを3つに分けて、人気講師による講義のエッセンス
 がまとめられています。

 チャプター1では、ビジネスで結果を出す為の、ビジネスシーンにふさわしいワー
 ドとフレーズを解説します。

 チャプター2では、日本人の上司・部下のコンビが取引先とのビジネス会話で
 失敗する設定から、実践的で具体的なコツについて解説します。

 チャプター3では、丁寧な英語表現と、丁寧さが伝わるメールの書き方について
 解説します。

 さて、皆さんも、ご自身の英語を棚卸しして、ビジネスの現場に使える英語へ
 ブラッシュアップしませんか?


 ◆ソース◆
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 http://www.amazon.co.jp/dp/4093897484
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 【大前研一の今日から使える英語】
 大前 研一(監修)
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