※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃    グローバルリーダーへの道          2014/10/30 配信
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 10月23日(木)、実践ビジネス英語講座(PEGL)では、グローバルリーダーシップを
 テーマに、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長の
 ロッシェル・カップ氏を迎え、特別セミナー【~文化の違いを超えるコミュニ
 ケーション力を身につけるには~】を開催し、約90名が参加いたしました。

 セミナーは、海外の異文化の中で、どの様にコミュニケーションスタイルを取れ
 ば良いのかについて、ケーススタディ/診断テスト/グループディスカッション
 を交えて進められました。今回は、セミナー内容の一部をご紹介します。

 ロッシェル氏は、米国で駐在するビジネスマン向けに、異文化トレーニングを
 実施していますが、そこで学ぶのは、母国と相手国の文化は、一般論で語れるも
 のではなく、日本/米国/中国のそれぞれの中でも、多様性を持っているという
 点です。

 まずは、あるスケールを示しました。横軸の左側はリスク回避の傾向が強く、右
 側はリスク志向の傾向が強い事を示します。日本は左側、米国は右側に位置しま
 すが、その正規曲線カーブは日本は山が急峻でばらつきが少なく、米国は山がな
 だらかで多様性がある事を示しています。つまり、どの部分の価値観が良いか悪
 いかではなく、それぞれを認め、自分のやり方を調整する方が良いのです。

 セミナーでは、開始早々、グループディスカションとして、「外国人とのコミュ
 ニケーションで苦労した点」について挙げてもらい、各人に「文化的傾向の自己
 診断テスト」を実施してもらいました。

 ケーススタディでは、「フランス人女性が、一緒に働いている日本人から、突然
 話しかけられるのを止められてしまった」というシーンを元に、日本人が会話を
 止めた理由について考えられる仮説をリストアップし、「このフランス人女性は
 どうすべきであったか?」について考えます。さらに、「中国人社員に、中国語・
 英語・日本語の説明書の翻訳を依頼したものの、締め切りが来ても提出されない」
 というシーンでは、「中国人社員がそれでも依頼した際に“出来る”と言った理
 由は何だったのか」、「この時、日本人はどうすべきであったか」を考えました。

 解説では、最初とは別のスケールを示し、横軸の左側は、事実をオープンにして、
 物事をストレートに言い、ディベート好きの傾向が強い事を示し、横軸の右側は、
 メンツにこだわり、メンツをつぶす事を言わない傾向が強く、言う場合であって
 も控えめにソフトに反対意見も言わない傾向が強いと解説しました。つまり、
 「左文化」では摩擦を生じさせようとし、「右文化」では衝突を避けようとする
 のです。

     フランス   米国   英国 インド 日本 東南アジア/南米各国
 <---------------------------------------------------------------------->
  【オープン/対立OK/直接的】             【対立回避/間接的】 

 このスケールに各国を当てはめると、左文化には、ストレートな言い方にソフト
 な言い回しを入れて話す「米国人」が来て、その次にソフトな言い方の「英国人」
 が来て、その次にストレートで控えめな言い方をミックスした「インド人」が来て、
 次に「日本人」が来ます。さらに日本よりも右側には、間接的な文化を持つ「東南
 アジア各国」や、「南米各国」が来ます。(上記の図や解説は、セミナーで使用し
 た中から特定の国に絞って簡易化しています)

 つまり、欧米人から見ると日本人は右文化に位置しているので穏やかに感じ、
 日本人は欧米人に対し強い言い方を感じます。逆に、日本人より右文化の人から
 日本人を見ると、日本人は左文化に位置するので、言い方が強いと感じるのです。
 要するに、どの位置との比較なのかが鍵を握るのです。つまり、どの国を相手に
 しているか気にすべきであり、フレキシブルな対応が求められるのです。

 さて、右文化に位置する日本では、「臭い物にフタをする」、「言わぬが花」と言
 われる様に、ストレートに言うと、人を尊敬しないニュアンスを伴うので、言い
 方に注意するものです。しかし、左文化に位置する国では、ストレートに物事を
 言っても、そういったニュアンスは伴いません。

 しかし例外もあります。ある米国企業からセミナーにやってきた米国人が、質問
 してきました。「会社の顧客が日本人で、商品に問題があって、日本人からクレー
 ムを受ける事になったのです。日本人は丁寧で、物静かだと聞いていたのに、ど
 なって怒られた事にショックでした。なぜ、あんなに怒るのでしょうか?」日本
 では、仕事の結果がマッチしないと、こうした事が起きるという例外です。

 左文化では、言葉によるフィードバックが必要で、上司に期待されているスキル
 です。米国では、自分の考えを正直に言うのを奨励していますが、同時に、ソフ
 トに丁寧に言う事も求められます。

 もしも、右文化の人との調整が発生する場合、人前で間違いや意見の違いを指摘
 するのを好まないので、1対1で対面して他の人に聞かれない様にし、言い方やトー
 ンに気をつけて、メンツを傷付けない様にする配慮が必要です。

 また、右文化の人は、左文化の人からの意見の押付けに対し、「OK!」と言うも
 のの、内心では賛成しない、別のアイデアを持っている事がよくあります。右文
 化の人はこうした事を言わないので、左文化の人が見過ごしてしまう事がありま
 す。この文化の違いによって、重要な情報を知らないまま、失敗してしまった事
 例もあります。

 日本人よりも右文化にある国には、東南アジア、南米、中国がありますが、一方
 的に押し付けない様にする事が重要です。また、米国よりも左文化の国には、フ
 ランスがありますが、米国人ですらフランス人が、なぜディベートしたがるのか
 不思議に思っており、文化の違いを知り、自分に対する攻撃では無いと知る事が
 重要です。

 続くグループディスカッションでは、日本人上司と米国人部下のコミュニケー
 ションエラーによって生じた誤解から、どの様にすれば良かったのか考えてもら
 いました。会話は、米国人部下が提案した内容に対し、日本人上司が難しいと返
 事をしたものの、米国人部下がチャレンジすべしと解釈して取り組んだというケー
 スです。

 そこで確認されたのは、双方の浅い会話から誤解が生じている事から、2~3回の
 やりとりで互いの認識を確認する事が必要という事です。この様な言いにくい事
 に対しては、ハンバーガー的に、ソフトとハードな内容を両方取り入れて言うと
 スムーズに話が出来ます。

 最初は「バンズ」部分で、ここはソフトに、部下の提案に対してお礼と、提案自
 体は良い事である旨を伝えます。続いては「ピクルス」と「肉」部分で、今回は
 残念ながら実施できない事をはっきりと伝えます。次に「トマト」「レタス」部
 分で、実施できない理由と背景を説明します。最後に「バンズ」で、ソフトに良
 い展開になる様に、ポジティブな言い方で終わらせます。

 こうして、自分の考えをもっと多くの言葉を使い、細かく伝えるスキルを磨く努
 力が、異文化環境でリーダーシップを発揮する上ではとても重要なのです。

 グループディスカッションでは活発な発言と、最後には質疑応答があり、約2時
 間半のセミナーは盛況のうちに終わりました。

 実践ビジネス英語講座(PEGL)では、今後もこうしたセミナー等のイベント開催
 を企画して参りますので、どうぞご期待下さい。