※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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 皆さんは普段、日本語でプレゼンテーションやスピーチをするとき、事前に
 どのような準備をしておきますか?出たトコ勝負、無計画なままぶっつけ本
 番で臨みますか?もしかすると、失敗に終わってしまって「話し漏れがあった」
 とか「準備しておけばよかった」と後悔した経験をお持ちの方もいるかもしれま
 せん。話し慣れていない人の場合、論理的にまとまったプレゼンやスピーチを行う
 のは日本語でも気が重いはずです。増してや、英語で行わなければならないとした
 ら――自信を持って“英語で”要点をうまく相手に伝えることができるでしょうか。
 今回のコラムでは、英語を使ったプレゼンやスピーチについて解説しましょう。

 英語のプレゼンやスピーチを成功させる秘訣は果たしてあるのか…という疑問に、
 東進ハイスクールで英語を教えている人気講師の安河内哲也氏は、『1日30分で、
 英語が話せる!「4つの習慣」勉強』(フォレスト出版)という書籍の中で、英語
 によるプレゼンテーションやスピーチする際の簡単な秘訣を披露しています。
 英語だけでなく、日本語にもあてはまる秘訣です。知っておいて損はありません。

 秘訣と言っても割と単純で、「論理パターン」というべき基本構造に、プレゼン
 テーションやスピーチの内容をただ当てはめるだけで使えるようになります。
 では、「論理パターン」はどのような構造をしているでしょうか。同書による
 と次の通りです。

 【論理パターン】
 “1.主張(I prefer, I think, I consider, In my opinion など)
 2.理由1(That's because, One reason is など)
 3.具体例1(For example, For instance など)
 4.理由2(The second reason is, An another reason is など)
 5.具体例2(For example, For instance など)
 6.結論(主張を繰り返す)(All in all, So ,In conclusion など)
 7.締めのあいさつ(Thank you very much. など)”

 1.から見ていくと、まず冒頭で自分の主張を「私は~だと考える」と言う具
 合に述べます。続いて「なぜならば~」とそう考える理由とその裏付けとなる
 具体例をセットで紹介します(「2.と3.」「4.と5.」のセット)。
 理由と具体例のセットは最低でも2セットから3セットは列挙できるように
 あらかじめ用意しておきます。最後に、理由の具体例のセットから得ることが
 できる 結論を述べます。この結論によって、1.で述べた主張に帰着する
 ことを聴き手に納得してもらうというわけです。

 この「論理パターン」に基づいて英語で組み立てたスピーチを、上記の書籍の
 中から具体的に見てみましょう。テーマは「2種類の仕事――給料が高くて休
 みが少ない仕事と、給料が安くて休みが多い仕事――があると仮定して、どち
 らの仕事を選択するか」というものです。

 上記の【論理パターン】の文例をそのまま使ってスピーチのストーリーを次の
 ように組み立てます。
 【例】
 1.主張
 I prefer to have a job that gives me a plenty of time.
 (自分の時間が十分取れる職業を選びます)

 2.理由1
 That's because I want to spend time with my family.
 (なぜなら、家族と一緒に過ごしたいからです)

 3.具体例1
 When I was little, my father was very busy and, ….
 (というのも私が幼かった頃、父がとても忙しくて、云々)

 4.理由2
 The second reason for my choice is that I want to have time to pursue
 my hobby.
 (二つ目の理由として、趣味を追い求めたいからです)

 5.具体例2
 I love TV drama and,….
 (というのも私はTVドラマが好きで、云々)

 6.結論
 All in all, I believe….
 (結論として私は、云々)

 7.締めのあいさつ
 Thank you very much.
 (ありがとうございました)


 ■主張とその根拠の構造は、主張を頂点として根拠をピラミッド状に配置

 以上、個人的なスピーチの例で「論理パターン」を説明しました。
 「論理パターン」はスピーチだけでなく、プレゼンテーションでも基本的には
 同じです。もっと強力に説得力を増そうと思えば、そう考える根拠の対象範囲
 を、家族、趣味から友人、ペット、旅行などに広げれば良いだけです。「なる
 ほど、分かりやすい」と納得してもらうべく具体例を持ち出して説明します。

 また、自分の個人的な理由だけでなく、親や親せき、先輩や同僚、友人といっ
 た他人が給料よりも休みを重視しているという例、さらには第三者である宗教
 家や専門家や有名人や統計データの権威を借りると、客観的にもっと自分の主
 張に説得力が増すことができます。例えば、「医学的に、あまり長時間労働し
 ないほうが長生きできる」とか「仕事人間よりも、趣味人間のほうが老後を幸
 福と感じる」という事実関係が存在するとします(これらの“根拠”は、事実
 の裏付けを取っていない架空の話なので、実際に根拠とするには事実関係を確
 認する必要があります)。そのような事実関係を根拠にできるのであれば、
 「自分の好み」について主張するのにとどまらず、「みんなも休みが多い仕事
 を選ぶべき」という主張をしても、聞く耳を持ってもらえるようになります。

 主張や結論を根拠で支える「論理パターン」の構造を図示化すると、主張や結
 論を頂点にしてそれを支える根拠が裾野のように広がるピラミッドに似た構造
 をしています。ピラミッド構造が実際にどのような形をしているかは、例えば
 末尾の◆ソース◆の「2」のURLをご覧ください。

 このように、「論理パターン」は、主張を頂点として根拠で土台を支えるピラ
 ミッド構造さえ頭の中でイメージできていればシンプルな英語で聴き手を納得
 させることができる便利な方法です。

 皆さんも、「論理パターン」の言い回しを英語で覚えて、明日からスピーチや
 プレゼンテーションに試してみませんか?


 ◆ソース◆
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 1.1日30分で、英語が話せる!「4つの習慣」勉強法
 http://www.amazon.co.jp/dp/4894515040
 pp.130-134

 2.プレゼンをすっきりと見せるピラミッド型の論述
 http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1204/26/news071.html
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