※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。
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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン
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┃ グローバルリーダーへの道 2015/01/08 配信
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日本人の話言葉は特有で、曖昧な表現を好み、結論を先に話さないのがその典型
です。外国人とのコミュニケーションやビジネスにおいては、そのような日本人
的な話言葉は通じにくい面があります。ビジネスで英語を使う時は、話の内容を
シンプルに整理したうえでコミュニケーションを行う必要があり、そのための
ちょっとしたスキルが存在します。
このスキルを知らずに、思いつくままにだらだらと話し始めると、聞いている
相手に対して「この人はいったい何が言いたいのだろう?」とイライラさせて
しまうことがあります。話の最後まで聞かないと、結論としてどこに連れて行
かれるのとか、“迷子”になってしまいます。話をだらだらと続けられると聞
き手はイライラし始めるのです。みなさんも聞く立場になった時に経験したこ
とがあるのではないでしょうか。
今号のメルマガでは、自分が言いたい内容を相手に対して如何にしたら伝える
ことができるかについて考えてみましょう。『英語で働け!キャリアアップ読本』
(日刊工業新聞社)では以下の「三つの方法+一つの約束」を提唱しています。
<三つの法則>
(1)CCLの法則(Conclusion Comes First=主張・結論を先に)
(2)NLCの法則(Numbering(主張の数と番号振り)、
Labeling(各主張のポイント)、Claiming(各主張の内容))
(3)AREAの法則(Assertion(主張・結論)、Reasoning(理由)、
Evidence(裏付け)、Assertion(主張・結論))
<一つの約束>
主語・述語・目的語、5W1Hを明確に!
■思いつきで話すと、聞き手の頭の中は話に振り回されて迷子になってしまう
まず、上記の「三つの方法+一つの約束」を守っていない“悪い”話し方とは
どういうものかを、同書に掲載している事例で見てみましょう。
【状況設定】
社内システムのヘルプデスクを海外に置きました。ある時、営業部の中に、
無理な要求やクレームをヘルプデスクに対して行ってくる人が多いことが分か
りました。そこで、営業部から問い合わせを受けた場合は、海外メンバーで対
応せず、その問い合わせを日本メンバーに転送するように、私(管理者)から
海外メンバーに指示を出すことにしました。その内容を口頭で通達します。
【“悪い”話し方の例】
私:「営業部って、うるさ型が多いんですよねぇ。
営業部からの問い合わせには毎度毎度、手を焼くんですよ。
あ、なので、今後は営業部から問い合わせがあった場合は、すぐにこちら
へ転送してもらったほうがいいかな?そうしましょう。ということで、
これからよろしく。」
海外メンバー:「…は、はい???」
一見すると何の問題もなさそうに見えるかもしれません。通常はこんな具合に
だらだらと話してしまいがちです。しかしながら、聞いている人にとっては分
かりにくい話になってしまっています。
「うるさ型」とは、どんな人たち?
「手を焼く」とは、どういうことが起こっているの?
「今後は」とは、具体的にはいつから?
「こちら」とは、具体的にはどちら?
話の始め方にも問題があります。「営業部って、うるさ型が多いんですよねぇ」
と話し手が話し始めれば、聞き手は営業部に関する話がこれから始まるのかと
考えます。営業部に関していろいろと思いを頭の中に巡らせて、話の次の展開
を待ち構えます。ところが実際の話の展開は違うところへと進んでいくので、
聞き手はイライラし始めます。
「あ、そう言えば、云々」「それから…、それから…、あ、もう一つこの話も…」
というようなまとまりがなくとりとめのない発言は相手に伝わりません。理路
整然としたシンプルなコミュニケーションを取るにはどうしたらよいでしょうか。
相手に対して理解されやすいように話を組み立てなければなりません。
■Conclusion Comes Firstで話のゴールが見えると聞き手は安心して話を聞ける
【分かりやすい話し方の例】を見てみましょう。
【分かりやすい話し方の例】
「私からみなさんに一つお願いがあります。
1月1日からは、営業部の人から問い合わせを受けた場合は、私たち日本人のメン
バーにすぐにそのメールや電話を転送してください。
理由は、営業部には細かい要求や、無理な要求をしてくる人が多く、対応にとて
も時間がかかるためです。
よって、みなさんで対応しようとはせずに、私たちに転送してください。」
<三つの法則>と<一つの約束>がどのように使われているのかを分解して
見てみましょう。
(1-1)CCLの法則(Conclusion Comes First=主張・結論を先に)
「私からみなさんに一つお願いがあります。」が主張・結論です。
(1-2-1)NLCの法則(Numbering(主張の数と番号振り)
お願いされる項目が一つだけであることが分かります。“たくさんお
願いされるわけではないのだな”“お願いは一つだけなのだな”と聞
き手は安心して続きを聞けます。
(1-2-2) Labeling(各主張のポイント), Claiming(各主張の内容)
「1月1日からは、営業部の人から問い合わせを受けた場合、私たち日本人のメ
ンバーにすぐにそのメールや電話を転送してください。」と主張のポイントと
内容が明確です。
(1-3)AREAの法則(Assertion(主張・結論), Reasoning(理由),
Evidence(裏付け), Assertion(主張・結論))
Assertion(主張・結論)の後に「理由は、営業部には細かい要求や、無理な
要求をしてくる人が多い、対応にとても時間がかかるためです。」と続いて
おり、AREAの法則の順番の通りに構成されています。上記の事例の場合、
Evidence(裏付け)はありません。
(2)<一つの約束>主語・述語・目的語、5W1Hを明確に!
5W1Hが念頭に置かれて、以下のような情報が盛り込まれています。
When :1月1日からは
What(happened):営業部の人から問い合わせを受けた場合
To Whom :私たち日本人のメンバーに
How :そのメールや電話を転送
いかがでしたでしょうか。
<三つの法則>と<一つの約束>に則るだけなので、ビジネスで英語を使う時に
“英語人格”に変身して、いきなり話すことが出来る人がいるかもしれません。
しかし、いきなり英語で話すところまでは自信のない人のほうが多いと思います
ので、その場合には日本語で会話をする時から上記を心がけて徐々に習慣化して
いくのが良いでしょう。あるいは、上記を心がけてメモを書き、それを話言葉に
するところから始めてはどうでしょうか。
◆ソース◆
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英語で働け!キャリアアップ読本
http://www.amazon.co.jp/dp/4526072737
pp.34-48
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