※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
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┃    グローバルリーダーへの道          2015/03/19 配信
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 皆さんは、「世界の“フツーの”ビジネスパーソンにはできて、日本のエリー
 トが苦手なこととは何か」と聞かれたら、どんなことを思い浮かべますか?
 船川淳志氏と今北純一氏の共著書『そろそろ、世界のフツーをはじめませんか
 ――いま日本人に必要な「個で戦う力」』(日本経済新聞出版社)は、世界の
 フツーのビジネスパーソンにはできて、日本のエリートにはなかなかできない
 ことを6項目あげています。前号のメルマガでは、前半(1)~(3)につい
 てお伝えしました。(1)~(3)を簡単に振り返ってみましょう。

 (1)“自分の意見・見解を、複数の人間、しかも専門の異なる初対面の相手
 にでも、気おくれすることなく、かつわかりやすく伝えることができる。“
 (「身内」以外に対する発信力と説明責任能力を備えているか?)

 (2)“相手の話を聞いている時に、理解できないこと、不明なこと、興味を
 持ったことについて率直に質問することができる。”
 (周りの顔色をうかがわずに、聞くべきことを聞ける質問力、胆力、そして知
 的好奇心を備えているか?) 

 (3)“自分の見解について、異なる立場の他者からの質問や提案を受けた時
 に、建設的な対話を展開することができる。”
 (肩書き、年齢、学歴などの属性を理由に、相手の質問を封じ込めたり、反対
 に、質問をはぐらかしたり、逃げたりせずに向き合える対話力を備えているか?)

 今号では(1)~(3)に続いて後半の(4)~(6)をお伝えします

 “(4)自分の国の歴史、文化、宗教、政治動向について相手から聞かれた場
 合に、バランス感覚を持ちつつ自分の定見を相手にわかりやすく説明できる。”
 (「仕事以外の分野では会話が続かない」というのではなく、自らのアイデン
 ティティについて考え、教養を深め、視野を広げているか?)

 『今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール』
 (東洋経済新報社)によると興味深いエピソードがあります。1995年、フラン
 スでハリファクス・サミットという先進国首脳会談が開催されました。サミッ
 トが終わった後、パリのエリゼ宮で日仏首脳会談が行われました。出席したの
 はフランス側は当時のシラク大統領、日本側は村山首相、河野外相、橋本通産
 相です。首脳会議だからこそ、意気投合して仲良くなるべく、会話は仕事以外
 の趣味の話などに及びます。首脳会議用に、パリのギメ美術館から特別に貸し
 出された縄文式土器の大型つぼや江戸時代の袖屏風、古代埴輪を前にして、知
 日家であり親日家として有名なシラク大統領が日本の3閣僚を相手に、古代史か
 ら蒙古襲来、さらには源義経がモンゴルに渡ってジンギスカンになったという
 伝説まで縦横無尽に話しました。この時、日本史を話題にシラク大統領と対等
 に会話できたのは、読書家で知られる橋本通産相だけだったと言います。村山
 首相も河野外相も黙して語らずだったようです。首脳会議の様子を取材した当
 時の産経新聞パリ支局長の山口昌子氏は「教養と教養の真剣勝負。キザと思わ
 れても、ウンチクを傾ける必要がある。それも長時間の会話に耐えうる知識量
 でなければならない」旨を『大国フランスの不思議』(角川書店)で書いてい 
 ます。

 このような首脳会談は雲の上の存在ですが、本メルマガ筆者も“草の根版”を
 体験して自分を恥じた事があります。江戸時代に流行ったと言われる「根付け」
 を皆さんはご存じでしょうか。金属や象牙、木でできた装飾品の一種で、帯に
 挟んで腰にぶらさげてお守りの役目もしていました。仕事で仲良くなったロジ
 シア人のフツーのビジネスパーソンがその江戸時代の「根付け」(象牙製)を
 収集していたのです。「根付け」の収集家の外国人は珍しくないようです。と
 ころが、根付けの話をされてもそれを知らなかった筆者には話についてゆけな
 かったのです。日本人としてかなり恥ずかしい思いをしました。

 筆者のような恥を海外でかかないためには、よその国の文化に関心を持つこと
 も大事ですが、まずは自国の文化について、最低限の知識くらいは身につけて
 おくべきだと今北氏はアドバイスします。

 “(5)日本人が自分一人という状況でも、多国籍チームや組織の中で、貢献
 ができる。”
 (国籍、宗教、文化的価値観など多様なバックグラウンドを持つ相手と、お互
 いの価値観を認め合いながら、共同作業ができるか?)

 船川氏は一時期、会社を辞めて海外放浪の旅をしていたのですが、海外では外
 国人相手に武道のインストラクターをしていました。武道は日本人のアイデン
 ティティを示すのに有利ですね。白い袴をはいて外国人に棒術や空手の指導を
 していたので、日本人冥利に尽きたといいます。33歳まで武道のインストラク
 ターをしていたことが、その後も船川氏の拠り所になっています。

 船川氏が所属していた武道の団体は、インストラクターは白い袴をはき、稽古
 着も白でした。この白装束は昔なら切腹する際の死に装束そのものです。師範
 からは、普段の稽古に「切腹する覚悟で臨め」と言われていました。帯を結ん
 で、袴の紐をギュッと結びながら気持ちを高めていくのだと言います。プレゼ
 ンやワークショップを行う前にスーツに着替える時の感覚が、全く同じで、ま
 さに腹をくくる、覚悟を持つという感覚だと言います。

 多文化組織は異なる価値観や視点がプラスに働きますが、それゆえ、コンフリ
 クト「対立」も起きやすくなります。そうした時に、決して逃げることなく、
 なおかつお互いの価値観を認め合いながら前に進めていく姿勢が必要となりま
 す。それを支える軸は、最後はアイデンティティの問題に行き着くと船川氏は
 言います。

 “(6)ユーモアの感覚、遊び心がある。”
 (日本人の仏頂面は英語でもBuddha-like stone faceと言われることがありま
 す。場を和まずユーモアのセンス、ウィットの感覚を持ち合わせていますか?)

 皆さんは笑いが取るのが得意でしょうか?
 笑いを取る効果を否定する人はいないと思います。笑いは一瞬のうちにその場
 の空気を和ませる効果を持ちます。誰もが持ちたい能力であり、『世界のジョ
 ーク集』のような本も出版されているくらいですが、間の取り方は本から学ぶ
 ことはできません。そのため『人志松本のすべらない話』のDVDを視聴して笑い
 を取る“研究”をしている人からそのDVDを勧められたことがあります。皆さん
 はどのようにして笑いを取るスキルを磨いているでしょうか。

 笑いを取る秘策というものはなさそうです。一朝一夕には身につかないでしょ
 う、普段から笑いを取る能力にも目を向けることから始めればいいのだと船川
 氏は言います。
 
 いかがでしたでしょうか。
 (1)~(6)のいずれも、歳を重ねて経験を積むことによって自然に身につ
 けば良いのですが、残念ながら努力をしないと身につけることができません。
 問題はどうやって身につけるかです。「こんな国際的日本人になりたいな」と
 言う尊敬できる"師匠“を見つけてその人を目標・お手本にするのは、ひとつ
 の方法ではないでしょうか。


 ◆ソース◆
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 そろそろ、世界のフツーをはじめませんか―いま日本人に必要な「個で戦う力」
 http://www.amazon.co.jp/dp/4532318823
 pp.15-18、206-225
 今さら英語を勉強しなくても、グローバル・エリートになれる39のルール
 http://www.amazon.co.jp/dp/4492044221
 大国フランスの不思議
 http://www.amazon.co.jp/dp/4048836757
 人志松本のすべらない話
 http://www.fujitv.co.jp/suberanai/index.html
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