※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
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┃    グローバルリーダーへの道          2015/04/30 配信
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 これまで本メルマガでは、コミュニケーションやプレゼンテーションをテーマ
 にみなさんに話題を提供してきましたが、今号のメルマガでは、実践ビジネス
 英語講座・リーダーシップ力トレーニングコースで講師を務めるロッシェル・
 カップ氏ら二人の共著書の『外国人との交渉に成功するビジネス英語』(語研)
 から3回シリーズで紹介しています。

 第1回:交渉テクニック(前号メルマガ)
 第2回:なぜ、日本式交渉が外国人に通用しない(失敗する)のか
 第3回:交渉における文化や国による違い

 第2回の今号は、日本式交渉の何が問題なのかを紹介したいと思います。
 大きくは次の二つ(A)コミュニケーションスタイルと(B)日本企業の組織的
 な特徴に関連する問題があります。ここでは(A)コミュニケーションスタイル
 から問題点を紹介しましょう。
 
 (1)【問題点】Noを直接言わない、言えない
 日本人は間接的なコミュニケーションスタイルを持っています。そのため「No」
 とはっきり言うことに心理的な抵抗を覚えます。同書でこの記述を読んだときに、
 メルマガ筆者にも思い当たって反省することがありました。家の一部改築をした
 がっている配偶者(日本人ですが)から何度かそれについての相談されているも
 のの、筆者は今のところはそのつもりがありません。ところが「No」とはっきり
 いう事がなかなかできません。「No」と言いたくはないけれど「こちらの表情や
 態度で『No』であることを相手には悟って欲しい」という気持ちが働いているの
 は確かです。相手にとってはNoであっても「はっきり言って欲しい」、そのほう
 が「誤解したり、時間を無駄にしたりせずに済む」という点は交渉相手が外国人
 に限りませんね。

 【対策】否定的なことをはっきり言うことによって人間関係がぎくしゃくするの
 ではないかと懸念してしまいます。実はその逆のことが多いというのが実態です。
 特にビジネスでは、否定的なことを直接言わないために混乱や誤解が生じ、その
 結果として相手との信頼関係にひびが入ります。


 (2)【問題点】賛成の意味ではない「Yes」
 日本人の私たちは、「うん」といううなずきの軽い気持ちで「Yes」という英単語
 が無意識に口をついて出てしまうことがあります。日本人からすると、そのとき
 の「Yes」はYes, I heard you(はい、あなたの言っていることを聞きました)や
 Yes, I understand your point(はい、あなたのポイントは理解しています)の
 後ろの文の省略です。しかしながら、外国人からすればYesはあくまで賛成も意味
 するものであると著者は述べています。
 例えば、外国人従業員との賃上げ交渉の席で、相手の賃上げを求める理由の説明に
 対して、うなずきの軽い気持ちで「Yes」と口をついて出てしまうのは、賃上げに
 対して賛成であると受け止められてしまう恐れがあります。

 【対策】賛成しない場合はYesと言わないようにします。また、相手の話を頷きな
 がら聞いた後には、誤解を避けるためにも、自分の意見を言葉で伝えるほうが良い
 でしょう。

 (3)【問題点】あいまい
 日本では言葉ですべてを伝えようとするよりも、顔の表情や声の調子、ボディラン
 ゲージなどの非言語的コミュニケーションによって言いたいことを伝えようとしま
 す。ことばを使わなくても「阿吽の呼吸」「腹芸」「以心伝心」などによってお互
 いの言いたいことを伝えようとします。(1)でメルマガ筆者の経験例を紹介しま
 したが、外国人に対しても、同じように「この人なら『阿吽の呼吸』『腹芸』『以
 心伝心』がひょっとしたら通じているのではないか」という甘えた期待を抱いてい
 はいないでしょうか?決して通じません。

 【対策】外国人と効果的にコミュニケーションを取るためには、自分が考えている
 ことをできるだけ言葉で表現する努力が必要です、それにはもちろん英語力も伴い
 ます。著者は、相手が表情やボディランゲージで理解してくれるということを期待
 すべきではないと述べています。

 (4)【問題点】口数が少ない
 いろいろな国の人が集まって話している席の中で、日本人はおとなしい傾向があり
 ます。言いたいことがあっても、英語の会話の中でどのタイミングでそれを言った
 ら良いのかと迷ってしまいます。速いペースで流れる英語の会話に割って入るのは
 容易ではありません。「この話が一段落したら、割ってはいろう」とタイミングを
 うかがっているうちに、まったく別の話題に変わってしまった。あるいは時間切れ
 でお開きになってしまった――という経験はないでしょうか。

 【対策】思い切って会話に割り込むしかありません。会話を遮るのをおそれてはい
 けません。日本ではほかの人が発言しているときにそれを遮るのは失礼にあたりま
 すが、米国などカジュアルな文化では、人の発言を遮ることは大した問題ではあり
 ません。発言する機会が与えられるのを待つのではなく、自分で作らなければなり
 ません。

 (5)【問題点】沈黙
 日本人はコミュニケーションの中で沈黙を頻繁に利用します。相手の発言について
 考えたり、次の発言を用意するためです。ところが、英語のコミュニケーションで
 は、沈黙はめったに訪れないと著者は述べています。沈黙するということを否定的
 に捉えるため、日本人の“悪気の無い沈黙”を「何かうまくいっていないのでは?」
 と不安になるのだそうです。沈黙を恐れて無理して何か言おうとしてしまうと、言
 わなくてもいいことまでついしゃべってしまうことがあるかもしれません。無理し
 てしゃべるくらいなら、沈黙する時間を1分でもくれるように話し相手にはっきり
 と言いましょう。

 【対策】会話の中ではなるべく沈黙を作らないようにします。頭の中を整理するの
 に時間が必要なときは、沈黙して考える時間をくれるように話し相手に説明するよ
 うにしましょう。

 (6)【問題点】アイコンタクトの欠如
 日本人を相手に話すとき、相手の目を見ながらではなく、ネクタイの結び目あたり
 に視線を置くことをすすめるマナーを教わった経験がメルマガ著者にはあります。
 欧米ではアイコンタクトを重視しますので、視線をしっかりと合わせます。もっと
 大事なことですが、人のことを聞きながら目を閉じることは避けましょう。深く考
 えたり、集中したいときに目を閉じて、視覚からの雑音をシャットダウンすること
 があります。耳からの英語に集中しようとして、視覚をわざとシャットダウンした
 経験はないでしょうか。欧米人の話し手にとっては非常に失礼にうつります。
 「そんな話は興味がない」というシグナルと解釈されてしまうからです。

 【対策】自分が話す場合も聞く場合も、相手の視線から目をそらすことなく、しっ
 かり相手の瞳を見る努力をしましょう。相手の話を聞く時、目を閉じながら聞くこ
 とは避けましょう。

 いかがでしたでしょうか。
 紙幅の関係で今回は詳しくご紹介できませんでしたがもうひとつの問題点が
 (B)日本企業の組織的な特徴に関連する問題です。具体的には、交渉の場に立っ
 ている日本人が組織から全権を委任されておらず、その場で意思決定や決断がで
 きず、日本に持ち帰らないと話が進まないという点です。みなさんの組織では、
 いかがでしょうか。

 次号はいよいよ最終回「交渉における文化や国による違い」です。
 皆さんの知らない“国の常識”が飛び出すかもしれません。お楽しみに。


 ◆ソース◆
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 外国人との交渉に成功するビジネス英語(語研)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4876152322
 pp.40-51
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