※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

■━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
┣━┛ 
┃    グローバルリーダーへの道          2015/05/07 配信
┃                    ★ 好評ご予約受付中! ★
┃                   『実践ビジネス英語講座』
┃                    通常説明会・オンライン説明会
┃                   ∟ http://goo.gl/UZmMMq
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

 今号のメルマガは、実践ビジネス英語講座・リーダーシップ力トレーニングコ
 ースで講師を務めるロッシェル・カップ氏ら二人の共著書の『外国人との交渉
 に成功するビジネス英語』(語研)から3回シリーズで紹介している「異文化の
 壁を超える交渉テクニック」の最終回です。3回の構成を振り返ると以下のよ
 うになっています。
 第1回:交渉テクニック
 第2回:なぜ、日本式交渉が外国人に通用しない(失敗する)のか(前号メルマガ)
 第3回:交渉における文化や国による違い

 第3回の今号は、交渉に影響する国民性や文化的な側面について解説します。
 「文化的な側面」というと日本人は比較的慣れ親しんでいる「欧米的」か、そ
 の他の「非欧米的」かという単純化した構図でつい考えてしまいがちですが、
 実際は複雑です。国別差だけでなく個人差も大きいのですが、同書では大胆に
 国別の特徴をとらえています。同書が比較している軸は以下の(1)~(8)
 です。

 (1)コミュニケーションスタイル (直接vs間接)
 日本は間接的なコミュニケーションスタイルを持つ文化と思っている読者の方
 も多いと思います。しかし、世界の中には、日本よりももっと間接的な文化が
 あります。東南アジアや中近東やアフリカなどです。そのような文化を持つ人
 たちは、こちらが強い発言で押せば相手が引き下がって表面的に妥協したよう
 に見えます。しかし、相手が侮辱を感じたり気を悪くしたりすれば、表向きは
 交渉に合意しても実際には協力しないということもあります。間接的なコミュ
 ニケーションスタイルを持つ文化に属する人たちは表向きは譲歩しがちに見え
 るため、こちらが強く出れば強引に進めることができるように錯覚してしまい
 ます。
 しかしこれは実際には効果的な交渉方法とは言えません。同書では「日本人が
 東南アジアの人と仕事する場合に頻繁に起こる」と指摘しています。欧米人も
 日本人に対して同じような印象を受けているのではないでしょうか。

 (2)コミュニケーションスタイル (言語的 vs 非言語的)
 同書によると例えば中国人は言語への依存度が大きいコミュニケーションスタ
 イルを持っている文化です。交渉する時、日本人は相手の真意を誤解しやすい
 ので注意する必要があると言います。このような文化の人はよくしゃべり、自
 己主張も強いので、日本人から見ると彼らのコミュニケーションスタイルは欧
 米人と同じように思えることがあります。そのため、多くの日本人は、中国人
 が欧米人と同じように直接的なコミュニケーションを好むものだとつい誤解し
 てしまいます。しかし、実際には彼らは間接的なコミュニケーションスタイル
 を持っているので、彼らに欧米人との交渉で使うような直接的な表現を使うと
 失礼にあたります。本メルマガの筆者は中国語を学習していたときに、褒めら
 れた時は「褒めていただいて、ありがとうございます」と素直に答えるのでは
 なく、「そういう時は謙遜して『そんなことはないです』という受け答えをし
 なければならない」と教えられたことを思い出します。

 (3)時間に対する価値観の違い (スピード重視 vs 重視しない)
 例えばメキシコ人やブラジル人は時間の感覚がゆったりしています。会議は決
 まった時間に始まらないかもしれません。会議が延期されたりキャンセルされ
 たりすることも珍しくありません。また、締切日や日程を厳守しなければなら
 ないという意識が薄く、フレキシブルと考えています。したがって交渉には時
 間がかかり、何回も交渉を重ねる必要があるので、忍耐力が必要です。そんな
 時でも、メキシコ人を急がせるのは得策ではありません。

 (4)意思決定の方法 (トップダウン式 vs コンセンサス重視)
 ロシア企業や韓国企業やインド企業はトップダウンによる意思決定の文化を持
 っており、組織内の地位を重視します。そのため、地位の上の者が交渉に直接
 関わることを望みます。ロシア人や韓国人の下の地位の人が提案を受ける場合、
 組織の上層部に確認する必要があるため、回答は遅れがちです。

 (5)フォーマル度 (フォーマルvsカジュアル)
 ドイツ人との交渉の席はフォーマルな雰囲気になります。少人数での打ち合わ
 せの場合は、多少リラックスできるかもしれません。堅苦しい雰囲気を解こう
 と冗談を言うのは避けるほうが良いでしょう。「その場の空気を読めていない」
 と思われてしまうおそれがあります。
 交渉の席でイギリス人も、フォーマルで毅然とした態度を示します。フレンド
 リーな態度で接するのは良いのですが、世間話はなるべく控え、個人的なこと
 はあまり話さないほうが良いでしょう。

 (6)人間関係の重視 (人間関係重視vs任務遂行重視)
 インドには人間関係を大切にする文化があります。ビジネスでは、既に面識が
 ある人との取引を優先します。交渉相手がインド人の場合、まずは人間関係を
 構築することが最も重要です。しかし、交渉過程では、日本や中国のように宴
 会や夜の飲み会はそれほど積極的には行いません。同書では、反対にドイツや
 デンマークなど任務遂行に重きを置く国では、すぐに具体的な仕事の話に入っ
 た方がスムーズなコミュニケーションを築くことができると解説しています。

 (7)取引の継続性 (長期的取引vs短期的取引)
 日本企業は安定して長期的な取引を好み、一度まとめた取引は長期的に継続す
 る傾向があります。一方、取引は短期的であることを前提とする米国企業のよ
 うな文化もあります。このような文化では、継続的な取引は期待されていない
 ので、より良い条件を提示する競合企業があれば、そちらに乗り換える可能性
 が高くなります。そのため交渉は“勝つか負けるか”になりがちです。

 (8)変化に対する態度 (変化を好むvs変化を好まない)
 欧州や中南米、アフリカの文化は昔からの慣習や伝統を大事にして、できるだ
 け現状を維持しようとします。対照的に、米国や韓国に代表されるように変化
 を好み、新しいことをどんどん取り入れようとする文化もあります。

 いかがでしたでしょうか。
 3回にわたり「異文化の壁を超える交渉テクニック」をご紹介してきましたが、
 みなさんが各国に対して持っている印象と一致したでしょか。今回取り上げた
 テーマは、実践ビジネス英語講座のリーダーシップ力トレーニングコースでも
 著者のロッシェル・カップ氏が講師となり「Cultural Intelligence」という
 科目内で大きく取り上げています。みなさんは「この国の人と交渉するときは
 気をつけている」ことはありますか?


 ◆ソース◆
 ============================================
 外国人との交渉に成功するビジネス英語(語研)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4876152322
 pp.23-38、71、88、114、116、125、141、177、190、208、235

 リーダーシップ力トレーニングコース
 http://www.ohmae.ac.jp/ex/english/campaign/leadership/
 ============================================