※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃    グローバルリーダーへの道          2015/07/30 配信
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 本メルマガの読者のみなさまは、英語のドラマや映画で英語を勉強したことが
 あるでしょうか?ドラマや映画が好きな人であれば(しかもそれらを観ながら
 英語を勉強できるのでれば)、こんなに楽しいことはないと思います。『英語
 は右脳で学べ』(中経出版)の執筆者である、脳認知学者であり米カーネギーメ
 ロン大学博士の苫米地(とまべち)英人氏は、英語のドラマを観ることによって、
 「右脳言語野を“英語脳”にチューニングすることができるようになる」と勧
 めています。教材となる作品は、興味を持てる=続けることができるものなら
 どのようなコンテンツで構わないと言います。なお、「右脳言語野を“英語脳”
 にチューニングすることができるようになる」状態とは、同書からは「英語で
 夢を見るくらいの状態」だと本メルマガの筆者は理解しました。

 本メルマガの筆者は30年も前のことですが、米大学の英語のクラスで『Stage 
 Coach(駅馬車)』を題材に英語を学習したことがあります。白黒映画で1939年
 の有名な西部劇作品です。この英語のクラスは30年たったいまでも覚えていま
 すので、印象に残るおもしろいクラスだったのだと今振り返ると思います。今
 になっても、暗記させられた台詞は覚えていますし、字幕なしで会話を理解で
 きるのは楽しく、映画自体に愛着もわきます。このように、筆者の実体験から
 も「確かに記憶に残る程の題材であれば、英語の定着に効果があるのではない
 か?」と感じます。そこで、英語のドラマや映画で英語を勉強する苫米地氏流
 の方法を同書から紹介していきたいと思います。
 
 英語のドラマや映画で英語を勉強するにあたり、注意すべきことがあると苫米
 地氏は言います、それは、普段と変わらない環境でTVの洋画や海外ドラマ放送
 を英語で漠然と観ていても効果的な学習にならないので、観るときは自分自身
 を「英語モード」に完全に切り替えます。具体的には「世界に英語しか存在し
 ない」というバーチャルな環境をつくるのですが、そのための、(この学習法
 における)ルールというものが6つあります。それらを順番に紹介しましょう。

 (1)英語のドラマや映画を観るときは、日本語を使わない。
 自分が日本人であることを忘れ、英語圏の人間になった気になって観ます。
 発する言葉や考える言葉はすべて英語だけにします。発する言葉だけでなく、
 ドラマや映画を観ながら心に感じた言葉であっても、「すごい!」「かっこい
 い!」という口癖を発しないように注意します。感嘆したときは米国人のよう
 に“wow!”“cool!”という言葉を代わりに発します。

 (2)ストーリーに対する疑問を持たない。
 作品を観ているとき「どうしてこのようなストーリー展開になるのか?」と疑
 問を持つことがあるかもしれません。ストーリー展開が分からなくなっても良
 いので、それにこだわらずに観るようにします。右脳言語野のチューニングが
 行われれば、ストーリーは自然と分かるようになるのだと言います、

 (3)字幕を使うときは、英語の字幕にする
 英語のドラマや映画のDVDには、視覚障害者のための字幕機能がついています。
 ドラマの内容を理解する補助として字幕を使うことは悪いことではありません。
 ただし使う字幕は英語のみです。日本語の字幕は、日本語の言語野を活動させ
 てしまい、英語脳学習をだいなしにしてしまうと言います。
   
 (4)わからない英単語が出てきても、辞典で調べない
 英語に限らず、外国語を早く習得するコツは、相手が何をいったのか、その意
 味を状況から推測することだと言います。分からない単語が出てきたら、スト
 ーリーの流れと、俳優の表情などから意味を類推するようにします。

 (5)ドラマや映画を観る環境から、日本語と日本文化を排除する。
 完全に英語の環境に自分を置くため、一切の日本語を部屋の見えるところから
 は排除します。米国でドラマや映画を観ていると思い込めるようなバーチャル
 な環境を自分自身で作り出すようにします。

 (6)ドラマや映画を毎日最低2時間以上観る。
 毎日最低2時間が効果を得るための最低限必要なラインです。休日は1日中英
 語モードで過ごすことを苫米地氏はすすめます。“遊び”ではないので、ハー
 ドルが高いですが、英語脳を作ることは将来のための準備であり、投資ですか
 ら、生半可に取り組むような姿勢をとってはいけません。

 いかがでしたでしょうか。
 英語環境のつくり方なのですが、海外出張にいく機会がある人であれば、飛行
 機に乗り込んだ瞬間から、「世界に英語しか存在しない」というバーチャルな
 環境をつくることができますし、今はYoutubeやHuluなどオンライン動画配信
 サービスも沢山ありますので、通勤時間を使って集中することもできますね。
 映画や海外ドラマで既に試みた経験のある方も、もう一度上記6つのルールを
 意識してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに筆者が体験済みの『Stage Coach(駅馬車)』を面白く観るためには、
 西部劇の時代における職業格差(江戸時代の日本で言う「士農工商」のようなも
 の?)を理解する必要があるとクラスを受講した当時感じました。駅馬車に乗り
 込んだ9人の男女の職業に銀行家を頂点として上下の格差が存在します。米国人
 であれば常識なのでしょうが、そのような社会背景は、米国人に教えてもらわ
 ないと、なかなか分かりにくい部分があり、たかがドラマや映画なのですが、
 実は奥が深く、知れば知るほど面白い、当時の米国社会が描かれていたりします。


 ◆ソース◆
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 英語は右脳で学べ (中経出版)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4046006757
 pp.108 ‐115

 Stage Coach (駅馬車)
 https://www.youtube.com/watch?v=qUJ4fga2vHk
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