※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。
■━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。
■━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン
┣━┛
┃ グローバルリーダーへの道 2015/08/06 配信
┃
┃ ★本日開催・説明会予約受付中!★
┃ 『実践ビジネス英語講座』
┃ 全世界対応のオンライン説明会も
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
教科書や参考書にあまり載っていないような、興味や関心がわく英語の「なぜ
?」をまとめた“50の秘話”が『もしも、こんな英語の授業に出会っていたら
?』(三恵社)に掲載されています。興味深い内容がありましたので、それらの
秘話の中から、二つをピックアップして紹介します。
(1)“I know Ichiro”という英語表現は正しいのか?
「イチロー(のこと)を(TVなどで見て)知っているよ」というつもりで、日本人
が英語で“I know Ichiro”と言うと、たいていの欧米人は驚くのだと同書の
著者である各務行雅氏は言います。“I know+人”という英語表現は、「(人)
と知り合い(懇意)である」という意味になります。「(人)を(TVなどで見た
ことがあって間接的に)知っている」という意味とはなりません。仮にイチロー
などのスポーツ選手や有名人を(TVなどで見たことがあって間接的に)知ってい
る」と言いたい場合、英語では何と言ったらいいのでしょうか? それは、
“I know of Ichiro”のように前置詞ofを入れたり、“I know who he is”の
ように間接疑問文で表現します。
メルマガの筆者はこの英文法解説を同書で読んで、「あれ?」と疑問に思った
ことがあります。1980年代に放送された古いTVCMの1シーンをふと思い出した
のです。アメリカンエキスプレスのTVCMの中で、米国人プロゴルファーのジャ
ック・ニクラウス氏が英語で「私のことを知っていますか?」と聞くシーンが
ありました。さっそくYouTubeで検索して英語で本当は何と言っているのかを聴
き直して確認してみました(文末の「◆ソース◆」のURL参照。TVCMの冒頭部分
です)。当時は“Do you know me?”とニクラウス氏が言っているとばかり思っ
ていたのですが、実はそうではなく、よくよく聞き直すと“Do you know of me?”
と言っていたのですね。
(2)日本語と英語では語順が逆さまになることが多いという不思議
日本語では「あれこれ」とか「あっちこっち」と言います。花いちもんめでは
「あの子が欲しい、あの子じゃ分からん。この子が欲しい、この子じゃ分から
ん」のように距離が遠い方→距離が近い方の順で言います。英語の語順はどう
でしょうか?「あれこれ」は“this and that”、「あっちこっちは」は“here
and there”、遠近は“near and far”と言います。日本語とは語順が逆で、
英語では距離が近い方→距離が遠い方の順で言います。
書簡を郵送するときの宛名書きも日本語と英語では順番が逆さまです。日本で
は住所は都道府県→市区町村→番地の順番に書きます。一方、英語では逆で、
記述する順番は番地→市区町村→州です。加えて、日本では「住所・氏名」と
言い、住所→氏名の順番に宛名を記述しますが、英語では順番が逆さまで
“name and address”と言い、氏名→住所の順番で宛名を記述します。ちなみ
に、各務氏による中国語は基本的に英語の語順と同じだと言います。各務氏の
中国人留学生が「近いほうが大事だから」と各務氏に教えたそうです。
上述したように、日本語と英語の語順が逆さまになる例が数多く存在します。
下記をご覧下さい。一個一個だと今まで気づきませんでしたが、まとめて列挙
すると、なぜかことごとく語順が逆さまなのは意外な発見です。(もちろん、
例えば“men and women:男女”のように日本語と同じ語順になる英語表現も
ありますが、ここでは割愛します)
Black and white :白黒
Oil and water/vinegar :水と油
Mom and dad :父母
Young and old :老若
Friend and foe :敵味方
Rich and poor :貧富
Come and go :行ったり来たり
Pencil and paper :紙と鉛筆
Skin and bones :骨皮
Right and left :左右(注:「みぎひだり」ということもある)
Rain and shine :晴雨
Life and death :死活(注:「生死」ということもある)
North, south, east and west:東西南北
(both)physically and mentally:心身(共に)
Eat and drink :飲食
Back and forth :前後
Sooner or later :遅かれ早かれ
Food, clothing and shelter :衣食住
Night and day :昼夜
One and all :誰も彼も
Flora and fauna :動植物
いかがでしたでしょうか。
みなさんは、ほかにどのような決まり文句が思いつきますか?
これらの決まり文句の中には中国語由来の日本語も数多く含まれていると思わ
れるので、必ずしも英語と中国語の語順が同じということもないかもしれませ
んが、みなさんはどう思われますか?同書の中にも、英語と日本語の語順が逆
さまになる理由までははっきりとは記述されていません。みなさんは、理由に
心当たりが何かありますか?
上記のような内容は学校の英語の授業で習った記憶はありませんでした。もし
もこんな英語の授業に出会っていたら、もっと我々も違う視点と興味を持って
学習を始めていたかもしれませんね。
◆ソース◆
============================================
『もしも、こんな英語の授業に出会っていたら?』(三恵社)
http://www.amazon.co.jp/dp/4864873240
pp.33‐34、42
アメリカンエキスプレスCM 80年代
https://www.youtube.com/watch?v=NTZcwowOQr8
============================================