※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、
 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン      
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┃    グローバルリーダーへの道          2015/10/01 配信
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 メルマガ読者のみなさんは英語学習法に音読を取り入れている方も多いのでは
 ないかと思います。その際、どのようなことに心がけて音読をしているでしょ
 うか?一般的な英語学習法としては、以下のようなことに心がけて音読するの
 がオーソドックスな方法だと思います。

 (1)文の要素ごとの区切りを意識しながら読む。具体的には主語の塊、動詞
 になる塊、目的語になる塊、補語になる塊、修飾語になる塊――という具合。
 「チャンク(「塊」=「意味のまとまり」)音読」とここでは便宜的に呼びます。

 (2)正確な発音、自然なリズム・イントネーションを心がけながら読む。具
 体的には特に伝える必要がある「内容語」(名詞・動詞・形容詞・副詞など)は
 強く、強調する必要のない「機能語」(前置詞・代名詞・be動詞・助動詞・冠詞
 など)は弱く発音して、メリハリにより英語らしいリズムを作る。「ノーマル
 音読」とここでは便宜的に呼びます。

 今号のメルマガでは、一風変わった音読学習法を紹介します。『パワー音読入
 門』(アルク)によると、(1)(2)のような“普通の”読み方に加えて、
 下記のようなトレーニングを併せて行うのが効果的だとしています。同書の著
 者で英語同時通訳者の横山カズ氏は、このトレーニング方法を「POD」(パワー
 音読)と名づけています。「感情をこめて」という日本人が最も苦手(?)とす
 る音読を行うのが「POD」のユニークなところです。今までは、音読する時、
 感情を働かせていなかったのではないかと思います。

 (3)声を出さず、息の力だけで英文を音読して子音の発音を改善する。
   「ささやき音読」とここでは便宜的に呼びます。
 (4)英文の和訳を音読して、英文の意味を母語で腑に落とす。
   「和訳音読」とここでは便宜的に呼びます。
 (5)感情を込めて英文を音読して、英文と自分の感情を直結させる。
   「感情音読」とここでは便宜的に呼びます。
 (6)英文を一定の時間内に、感情を込めて、できるだけたくさんの回数音読
    して英文を脳に叩き込む。
   「タイムアタック音読」とここでは便宜的に呼びます。

 同書によると50語~100語の英文素材と和訳を用意し(1)~(6)を1ユニッ
 ト合計15分で1日1回行うと2ヶ月で効果が現われると言います。出勤前15分と
 寝る前に15分というように朝夜2回行うとさらに効果的です。

 (1)    チャンク音読    [2分]
 (2)    ノーマル音読    [2分]
 (3)    ささやき音読    [2分]
 (4)    和訳音読      [1分]
 (5)    感情音読      [3分]
 (6)    タイムアタック音読 [5分]

 では、同書独特のステップであるところの(3)~(5)はどのような効果が
 あるのでしょうか。順番にトレーニング方法とその効果について解説します。

 (3)ささやき音読
 日本語は母音中心の言語ですが、英語で話すときは、余計な母音を意識して排
 除し、子音をしっかり発音するようにすると英語らしく、通じやすくなります。
 そのための練習が「ささやき音読」です。コツは「2m先にいる相手に対して、
 全力で内緒話しているイメージ」で音読します。ささやき声で読み上げてみる
 と、母音はあまり響きません、ささやき声で話すときには子音に頼るしかなく
 なります。ささやき声のように、あえて子音にしか頼れない状況を強制的に作
 り出すことによって子音の発音を強化するのがささやき音読の狙いです。

 (4)和訳音読
 「和訳音読」は英文の和訳を、感情を込めて音読するステップで、この後の 
 「感情音読」の準備として行います。自分の感情と英語を直結させ、脳を意識
 して働かせなくても、感情が動いた瞬間にその英語がすっと口から出てくるま
 で叩き込めと横山氏は言います。
 具体的な例で説明します。

 Why does it always rain when I wash my car?
 「私が洗車をするときはなぜいつも雨が振るのでしょうか?」という直訳では
 気持ちが乗りません。洗車を終えてピカピカに磨き上げた瞬間に額にポツンと
 雨粒が落ちて来るシーンを心の中のスクリーンに投影しながら、いまいましげ
 に読み上げます。

 「な~んで、おれが洗車すると、いっつも雨が降るんだよっ!」

 その時に湧いた感情をしっかりと覚えておいて、その感情を次のステップの
 (5)で英語と結びつけます。

 (5)感情音読
 自分の感情と英語をリンクさせる、PODの最重要段階だと横山氏はこのステッ
 プを位置づけます。(4)「和訳音読」で確認した情景と感情を呼び起こしな
 がら英文を音読します。役者になりきって感情と英語をつないでいきます。感
 情と英語が一体化するまで音読を繰り返します。上記で例をあげた(4)のよ
 うなベースとなる感情とのリンクが完了したら、次にさまざまな感情パターン
 で音読します。役作りを通じて、さまざまな感情を疑似体験します。

 (A) できるビジネスパーソン風――さわやかに、明瞭に
 (B) 政治家のスピーチ風――堂々と、自信溢れた感じで
 (C) 怒れるクレーマー風――いきり立ったように早口で
 (D) インテリ評論家風――皮肉を込めて、ユーモラスに
 (E) 悟りを開いた人格者風――穏やかに、おごそかに
 (F) 悪霊風――怨念を込めて、呪いをかけるように

 「感情音読」は自己の表現のバリエーションを増やせるという効果があります
 が、効果はそれだけではありません。英語からすくい取れる感情パターンが増
 えることで、リスニングするときに話者の気持ちをより敏感にキャッチできる
 ようになり、さらには英語で空気が読めるようになると横山氏は言います。

 いかがでしたでしょうか。
 みなさんは、英語の勉強にすぐに取り掛かれるでしょうか?やる気モードに入
 るためのスイッチをどのように入れているでしょうか?横山氏は「作業興奮」
 を起こすために「POD」を使って欲しいと言います。「作業興奮」とはどんなに
 やる気が起きない作業でも、手が付けられるところから始めてみると、だんだ
 ん気分が乗ってきて、続けることができるという脳の作用です。「POD」自体は
 手順が(1)~(6)と決まっている単純作業なので、「取り敢えず15分間だ
 けでもやるか」というとっかかりに向いていそうですね。


 ◆ソース◆
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 『パワー音読入門』(アルク)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4757426372
 pp.38-54、126
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