※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。
 
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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン     
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┃    グローバルリーダーへの道          2016/07/28 配信
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 今号のメルマガは、動詞「get」の使い方についてです。
 メルマガ読者のみなさんもよくご存知の動詞「get」は、中学1年生の英語の
 授業で習う、基本的な単語です。get の意味は「(何かを)得る、手に入れる、
 ゲットする」と理解していると思います。ところが、ときどきどう考えても
 「(何かを)得る、手に入れる、ゲットする」という意味ではないgetを目に
 することがありますよね。そういう時は、getという動詞が意味するところ
 の本質が良くわからなくなりますが、英文の中からgetを無視してしまえば
 「英文の意味がまったくわからない!」と困るほどの大問題でもないのが災
 いしてか、メルマガ筆者はあいまいな知識のまま放置して今日に至っており
 ました。

 書籍『デスマーチに追われるIT技術者が勉強せずに英語力を身につけてキャ
 リアアップした方法』(秀和システム)の筆者で、IT企業に勤務するITエンジ
 ニアの鈴木信貴氏は、同書の中で、getに対する問題意識を持った旨を記述
 しています。同書でそんな記述を読んで「ほかの人も、getという動詞は分
 かりにくいものだったのか」「分かりにくいと思っていたのは自分だけでな
 かったのか」とメルマガ筆者は共感しました。初歩的な英単語だけにぼんや
 りとした知識だけで何となく理解していた気になっており、「getの使い方
 が難しいので教えてください」と人に基本から教えてもらうことも、はばか
 られてきたような気がします。

 鈴木氏が同書の中でgetに対する問題意識を抱いた「最たる例」としてあげ
 たのが「getting started guide」という表現です。ITエンジニアらしい着
 目点で一般の人はあまり気にしたこともないかもしれません。「getting 
 started guide」はパソコンで英語版のソフトウエアを使う時に見かける
 「マニュアル」を指す表現で、日本語版のマニュアルで言うと「スタート
 ガイド」と呼ばれる初心者向けのものです。鈴木氏はなぜここで「get」を
 使うのか?ということに対して問題意識を持ったわけです。試しに「getting 
 started guide」でgoogle検索すると、IT企業各社の「スタートガイド」が
 確かに多数ヒットします。

 アルクのWEBサイトに「get」の詳しい解説があります。ここからもう少し詳
 しく見てみましょう。(同WEBサイトのURLは文末の◆ソース◆をご覧下さい)


 ●「ある状態になる」ことを意味するget

 getには「ある状態になる」という使い方があり、その中の一つとしてgetting 
 startedのように「get+過去分詞」で表現する方法があります。アルクの解
 説の中に上と同じ「get started」という表現が例として掲載されていました。

 Let's get started. (さあ、始めよう)
 getがないLet's start.という言い方もできるわけで、前述したように上の英
 文例からgetを省いて考えてみると、おそらくLet's start.の意味なのだろう
 なと推測できます。getのあるなしの違いについて深く考えたことがなかった
 のですが実際のところはどのように違うのでしょうか。

 Let's start.は「自分が中心になって始めるイメージ」だということです。
 Let's get started. は会議などでよく使われるようです。自分が中心になり
 すぎて自分ばかりがしゃべっていては会議になりませんものね。会議ならLet's 
 get the meeting started. の意味で、皆の気持ちをまとめたうえで会議を開
 始するというニュアンスになります。皆に会議に参加して意見を述べてもら
 えるよう、司会者にはそれなりの努力が求められます。司会者としては皆に
 向かって「Let's get started.」と会議開始を呼びかけるほうが、出席メン
 バーに当事者意識を持ってもらえる言い回しだと言えそうです。

 また、get+過去分詞には、「その動作を始める」というイメージがあります。
 例文で考えてみましょう。

 They got married. (彼らは結婚した)
 「結婚をした」という動き、経緯に注目している表現です。

 They are married. (彼らは結婚している)
 単に「結婚している」状態を表します。


 ●getの機能は3つある

 ちなみに、get がもともと持っている基本的な機能は「AがBに達する」です。
 私たちはget を「(何かを)得る、手に入れる、ゲットする」と理解している
 と思います。「ゲットする」のイメージが強すぎると、本来のgetの用法を
 使いこなせなくなってしまうかもしれません。 

 機能1:「AがBに達する」
 She got home. (彼女は家に着いた)

 このイメージを出発点として get はさまざまな意味に使われるのですが、
 以下の2つの機能を加え、機能1から機能3まで大きく3つにグループ分かれ
 ます。

 機能2:「物を所有する、所有するに至る」
 I got a new CD. (新しいCDを手に入れた・買った)

 機能3:「ある状態になる」、「~させる、~される」
 I got my book published. (私は本を出版した)

 冒頭で説明した「get started」は機能3の「ある状態になる」の一つの例
 です。
 
 いかがでしたでしょうか。
 だんだんと学習が進むと、get のいろいろな用法を知るようになりますね。
 知れば知るほど混乱する時期を経て、だんだんと get を使いこなせるよう
 になってきます。みなさんはgetを使いこなしているでしょうか?

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 ◆ソース◆
 『デスマーチに追われるIT技術者が勉強せずに英語力を身につけて
 キャリアアップした方法』(秀和システム)
 https://www.amazon.co.jp/dp/4798046132
 pp.135‐142

 第17話 GET (その1) ―― アルク
 http://www.alc.co.jp/vocgram/article/basic/17.html

 第22話 GET (その6) ―― アルク
 http://www.alc.co.jp/vocgram/article/basic/22.html
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