※本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。
 
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┃ ┃ 『実践ビジネス英語講座』 メールマガジン     
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┃    グローバルリーダーへの道          2017/04/13 配信
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 今号のメルマガは“「英語を読む」ということはどういうことか”につい
 てです。自称「英語は読めるけれど、話せない」という日本人は多いと思
 います。しかしながら、書籍『村上式シンプル英語勉強法』(日経ビジネス
 人文庫)の著者の村上憲郎氏(グーグル日本法人元社長)によると、意外にも
 日本人のほとんどは「英語を読めていない」のだと言います。英語上達へ
 向けた「読む力」とは一体何なのか――今回は、村上氏の経験から、ビジ
 ネスパーソンに要求される英語能力とそれを身につけるための勉強方法の
 うち、「読む」に絞って同書から紹介します。

 ◆英語が書いてある順番で、日本語に訳さず英語のまま理解する
  英文和訳や英文解釈のように「英語を日本語に訳す=英語を読む」と考
  えてはいけません。英文法に忠実に文章を分解していくのではなく、文
  頭から日本語に訳することなく英語のままで読みます。そして英語のま
  ま理解します。

 【例文】
 Modern computers are based on tiny integrated circuits and are 
 millions to billions of times more capable while occupying a 
 fraction of space.

 英語が書いてある順番で、英語のまま理解しようとすると、以下のような
 感じになります。

 「Modern computersは、basedしている、tiny integrated circuitsの上に、
 and millions to billions of times more capableである、占めながら、
 fraction of spaceを」

 こなれている日本語とはかけ離れている、分かったような分からないよう
 な変な文章ですが、すっと頭の中に入ってくるでしょうか?(全然頭に入
 ってきませんよね?)日本語として考えるから意味不明なのですが、これ
 を英語のまま、「小型だけれど高性能なコンピュータの中に、回路や部品
 がぎっしり集積しているイメージ」を映像に変換して頭に描くと、理解が
 頭の中に定着していきます。このように、「内容を英語で読む」というこ
 と、さらにはその重要性に気付くことが、英語上達への第一歩であると村
 上氏は述べています。

 ◆後戻り&息継ぎ禁止。ひたすら前へ前へと読み進む
  英文の読み方に関して村上氏が同書で書いているポイントは以下の二つ
  です。

 (1)後戻りしない
    パラグラフ(段落)の先頭から読み始めたら、絶対に後戻りしないよ
    うにします。意味がわからなくても、後戻りせずに、そのまま前へ
    前へと読み進めます。
 (2)息継ぎしない
    なぜ息継ぎをしてはいけないのでしょうか。それは“「英語を聴く
    時と同じ条件で「読む」からだ”と村上氏は言います。実際の会話
    では、相手は待ってくれません。途中で息をしないことで、一定の
    スピードを自分に強制することで、同時にリスニング力の向上も狙
    えます。

 息継ぎしないわけですから、当然のことながら前へ前へと読み進めるしか
 ありません。後戻りもできません。上の2つのポイント(1)後戻りしな
 い(2)息継ぎをしない――は連動しているわけですね。

 ◆知らない形容詞はとりあえず「good」か「bad」に置き換えて読み流す
  知らない単語が出てきた時の対処法についてです。いちいち辞書を開い
  て単語の意味を調べていたのでは前に読み進むことができません。そん
  な時は、“名詞の説明をする形容詞には、シンプルに「good」か「bad」
  しかない”と割り切ってしまうことを同書では提案しています。実際に、
  ほとんどの形容詞はそのどちらかに分類できるのだと言うことです。

 【例文】
 The man let the gun hang by his right side. He was tall and languid, 
 with longish blond hair, a deep tan, pale blue eyes, and a diamond 
 in his left ear.
 (その男は、体の左側に拳銃をぶらさげている。背が高くlanguidで、長
 い金髪をしており、日焼けし、paleな青い眼で、左の耳にはダイヤモンド
 が光っている。

 日本語に訳さず英語のまま残したように、「languid」と「pale」が未知
 の単語だとしましょう。拳銃をぶらさげており、男性でありながら、長い
 金髪で左の耳にはダイヤモンドが光っている風貌を頭の中に映像としてイ
 メージすると、善良そうな市民ではないことは明らかでしょう。Languid
 もpaleも「bad」と置き換えて読み流すのが、村上式の読み方です。正し
 い英語は分からないままであるものの漠然と「bad」に置き換えた男性の
 風貌のイメージを持っておけば、十分にこのストーリーについていける
 というわけです。

 ◆最新のビジネス書を、日本語版が出版される前に原書で読む
  このような「読む力」を実践するために、日本語翻訳されていない海外
  の書籍に挑戦してみましょう。たとえば海外のベストセラーやビジネス
  書であれば、日本で翻訳・出版されるまでの期間を待たずとも、1、2年
  早く情報を入手できるようになります。そうなると、日本語に翻訳され
  た話題のビジネス書籍を読む人よりも、「自分は最先端の情報を仕入れ
  ているのだ」というモチベーションが生まれてきます。それでますます
  読むことが楽しくなるという好循環が生まれます。みなさんも、おそら
  く一度は原書から情報を収集することを考えたことがあるのではないで
  しょうか。村上氏が同書でそのように書いているということは、“でき
  るビジネスパーソン”は多くが同じことを考えており、ビジネスのヒン
  トやトレンドをすでに原書からいち早くつかんでいるとみるべきです。
  自分たちも遅れをとってはなりません。

 村上氏が言うには、英語が読めるようになるという目標に到達したイメー
 ジは、以下のようです。

 出張の車中で『Newsweek』誌を読んで、読み終えた『Newsweek』誌をその
 ままゴミ箱に捨てたとします。しばらくたって記事の内容を思い出して、
 「あれ?あの記事が載っていた『Newsweek』誌は日本語版だったっけ?そ
 れとも英語版だったっけ」とすぐに思い出せなくなる――そのレベルに達
 するということです。

 いかがでしたでしょうか。
 みなさんもなぜか英語がスラスラ読めるという非常に調子の良い時、1回
 ぐらいは上記と似たような経験したことがあるのではないでしょうか?文
 章を読んでいるときには、もはや自分の意識の中に日本語だとか英語だと
 かいう意識がなくなっている――。そんな感じでスラスラと「英語が読め
 る」域に常に自分を置けるようにしたいものですね。

 ◆ソース◆
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 『村上式シンプル英語勉強法』(日経ビジネス人文庫)
 https://www.amazon.co.jp/dp/4532198097
 pp.45、48‐49、57‐59、62‐64
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