本メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

 本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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今号のメルマガは、ビジネスランチなどのシーンにおいて、
日本人のマナーが外国人からどう見られているかという話です。
書籍『TOEIC400点だった私が国際舞台で“デキる女”になれた理由』
(日本経済新聞出版社)から紹介します。海外出張したりすると、
食事をしながら商談することも多いと思いますが、そんな時に
「異文化を知らないとマナー違反を無意識に犯して失敗しやすい」と
同書は指摘します。もちろん、これは国によってもルールや文化が
異なるため、予備知識も必要となります(文末のURL参照)。たとえば、
チップの文化が根強くあるアメリカをはじめ、すでにサービス料と
して上乗せされているオーストリアやドイツなどの国もあれば、
日本と同様のイギリス・ニュージーランド・オーストラリアのように
チップの文化はほとんどないという国まであります。
今回は、特にチップ制度のある国での異文化マナー事情について、
注意しておかなければいけない事項をいくつか紹介します。


◆「日本人はチップを払いたがらない」と思われると、ビジネスに悪影響を及ぼす

同書によると、お金(チップ)に関して、日本人は「払いたがらない」と
思われているようです。日頃チップを払う習慣のない日本人の多くは、
「払い方が分からない」などの理由をいいことに、払うべき
シチュエーションなのにもかかわらず、払わないこともしばしばあります。
しかしながら、これを接待の場などでやってしまうと、これがビジネスの
命取りになることがあるのだと同書は警鐘を鳴らします。

チップを支払わないと、単に財布の紐が堅いと思われるだけでなく、
サービス提供者や接待した側からしてみると「何が不満だったのか?」と、
ショックを受けることになります。100ドルの支払いのところを、
80ドルしか支払ってもらえなかったのと同じ感覚だと同書は指摘します。
日本人の感覚では、100ドルの支払いのところをチップを加えて
120ドル支払わされるような感じですからギャップがありますね。
「チップの支払いはあくまで任意であって義務ではない」という
頭があり、ついつい軽く考えてしまいがちです。

このようなマナーは、同行者側にも同様に見られています。
「わざわざおすすめの店に連れてきたのだけれど、この店の
サービスの何が不満だったのか?」「食事が不味かったのか?」と
後味の悪さが残るでしょう。

同行者がこれから商売相手になろうとしている場合、「ちゃんと
自分に対して仕事の対価を支払ってくれるのだろうか?」などと
心配されかねません。「某国とビジネスするのはいいのだけれど、
支払いが悪い」などと、自分のことは差し置いてよその国の支払いの
悪さを日本人は噂するわけですが、逆に日本人もそのように外国人から
影で噂されている可能性があるということですね。

他国のビジネスパーソンと同行している場合、しっかりと見られて
いますから、チップを支払うべきあらゆるシチュエーションに注意を
怠ってはなりません。チップを支払うべきシチュエーションなのか
どうか分からない場合、同行者に確認するのはマナー違反では全く
ありません。例えば、タクシーに乗ると、運賃メーターの金額に加えて、
20%のチップを支払うべきシチュエーションとなります。
外国人の同乗者がいたら、「見られている」と思ったほうが良いでしょう。


◆お金の支払い方――割り勘にするのか、ご馳走するのか

国によってはレディファーストが徹底されているため、
ビジネスランチでも女性にはご馳走する習慣もありますが、
初めてのビジネスランチでは、ご馳走はせず、割り勘にするのが
無難な選択です。ご馳走しようとすると、相手から余計な警戒をされて
しまうことすらあります。国によっては「日本人と食事を一緒にすると
すぐにご馳走してくれる。だから誘おう」というようにご馳走して
もらうというお金目当てになり、利用されるだけになることもあります。
習慣の違う国の人に簡単にご馳走することは、かえって信頼関係を
築きにくくすることがあります。


◆知っているようで知らない中華圏の人との食事

中華圏に住んでいる人は、生姜やニンニクが入っている料理は
毎日欠かせない食事です。日本人の感覚だと、ニンニク料理は匂うので、
ビジネス目的の食事の時は遠慮したりしますが、中華圏の人は
気にしないのですね。

中華レストランでは、平気でテーブルクロスを汚すし、鶏の骨などを
テーブルクロスの上に捨て、わざと汚しているような姿も見られます。
どんな資産家やエリートでも、そうする光景が見られたと同書では
振り返ります。これはレストランが最も喜ぶ行為なのだと同書は
述べています。テーブルクロスを汚すのは「美味しかった」という
証拠でもあるそうです。

中国人の知人を一人だけ食事に招待したら、許可なく家族全員を
連れてくることもよくあるようです。中国人にとってみれば、
自分の家族を紹介することに「あなたは親友である、心を許している」
という意味があるからだと同書は記述しています。決してケチで
ずうずうしいというわけではありません。メルマガ筆者も中国人と
食事に行った時、我々だけなのかと思ったら、何の事前の連絡もなく
全然知らない人(相手の家族や友人)も大勢一緒だったりして驚いた
経験を何度かしています。その人たちは特にビジネスに関係がある
わけでもないので、「せっかくのおいしい食事の機会なのでついでに
呼んだのかな」ぐらいに考えていました。彼らは彼らで話が弾んで
いましたし、その輪の中にメルマガ筆者が割って入って積極的に話す
こともなかったのですが、「あなたは親友である、こころを許している」
という意味があることをその時に知っていれば、全然違う対応を
していたと思います。

いかがでしたでしょうか。
その他、ドレスコードに関してカジュアルか正装(スーツ)かというのも
国によって違うと同書では書いています。みなさんはどのような
異文化や習慣の違いを経験していますか?

◆ソース◆
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『TOEIC400点だった私が国際舞台で“デキる女”になれた理由』
(日本経済新聞出版社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532176158
pp.178-181

チップの習慣のある国・ない国
http://www.compass-j.com/sp48.html
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