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今号のメルマガは、日本語で言う「参加する」の英語“attend”と“participate”の意味には大きな違いがあるという話です。何かの集まりに参加するときの言い回しにはおもに“attend”と“participate”があるわけですが、両動詞の意味には大きな違いがあるのをご存知でしょうか。書籍『仕事に効く!ずるい英語表現100』(宝島社)から両動詞をどのように使い分けたら良いのかを紹介します。

(1)attend
“attend A”=“go to A”(Aに出席する)は、単にそのイベントに参加するときに使います。
【例文】
I attended my friend’s wedding.
(私は友人の結婚式に参加しました)

(2)participate
“participate in A”=“take part in A”は、そのイベントに参加することに加えて、何か「役割」を担うときに使います。
【例文】
Everyone must participate in class.
(全員がクラスに参加しなければいけません)
教室で、机に座って黙って授業を聴いていれば良いというのではなく、クラスの一員として、積極的に発言して授業に参加しなければいけませんということですね。“participate”は、“take part in”とほぼ同じ意味で、分解して考えて「イベントの中(in)で役割(part)を担う(take)」と考えます。

以下の例文が(1)attendと(2)participateの違いを良く表しています。

【例文】
A::Are you going to the conference in San Diego?
(あなたはサンディエゴの会議に行く予定ですか)
B:Yes. But I'm attending as an audience member.
(はい。聴衆として参加します)
A:Oh! You're not participating in the lectures?
(ほう、レクチャーする側としての参加ではないのですね)
B:Not this time.
(今回は違います)

ではここで、少しひねった問題をみなさんに出題してみます。「私は、会社の代表として、そのパーティに出席しました」と言いたい場合には、“attend”を使うべきでしょうか?それとも“participate”を使うべきでしょうか。

同書によると英文は、
I attended the party as a representative of our company.
――です。
ただ単に会社の代表という肩書きだけでパーティに主席するだけでは、会社を代表していると言えどもパーティに参加している大勢の中のひとりに過ぎません。具体的に何か「役割」を担っていない限りは、“attend”を使うのが正解なのですね。あくまで、会議側から見て何か「役割」を担っているかどうかが問題であって、参加者側から見た「役割」には依存していないことが分かります。

(3)I can't make it.(参加できない)
「参加する」に関連して、日本人はほとんど使わないけれども、ネイティブが良く使う慣用表現を紹介します。“can't make it”(参加できない)という慣用表現があります。直訳では意味を掴みにくいので、知らないと、聞いた時に、首をかしげてしまうかもしれませんね。このような言い回しが良く使われていることも以下の例文で知って起きましょう。

【例文】
A:You're coming to Tom's birthday party, right?
(トムの誕生パーティに来ますよね)
B:Sorry, I can't make it this time.
(ごめん、今回は行けそうもないんだ)
A:That' s too bad.
(それは残念)

いかがでしたでしょうか。
同じ「参加する」と言っても、聴衆者としてただ単に参加するのと、発表者などの役割を担って参加するというのは、日本語だと意識して使い分けることはありませんが、言われてみれば確かに大きな違いですね。間違った使い方をしてしまうと例えば、「参加してください」とほかの人に依頼する時など、何かの役割を担うのか担わないのかを巡って誤解が生じかねません。要らぬ誤解を相手に与えないように正しい英語を使わないといけませんね。みなさんは両動詞をきちんと区別して使っていたでしょうか?

◆ソース◆
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『仕事に効く!ずるい英語表現100』(宝島社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4800270618
pp.51、110-113
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【記事提供元】実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-
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