メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃週刊メールマガジン
┃「グローバルリーダーへの道」
┃2018/03/22 号
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今号のメルマガは、ミーティングを設定する際のアポイント
(以下、アポ)には「柔軟に対応するのがグローバル流」という話です。
時間感覚というのは外国人と日本人とでギャップがあるという話は
以前にもメルマガで書きましたが(文末の◆ソース◆参照)、今回は
それが著しく現れている例の一つです。

書籍『これからのビジネスリーダーに贈る45の視点』(同文館出版)
から紹介します。著者の安田信氏が、PICA(アジア民間投資会社)と
いう日・米・欧州・豪・加の企業243社の共同事業に約20年勤務した
経験やその後も約20年、国際社会で仕事をしてきた経験から執筆した
書籍です。


◆急なアポ設定・変更が難しいのは日本独特のビジネス慣行?

日本の場合、アポを取る時は随分前からお願いしないと失礼だという
暗黙の了解があり、アポの時間を変えることはもっと失礼なことと
されています。企業経営のトップなど、重要なポジションにいる人に
アポを取ろうとする場合、何週間も前から、場合によっては1、2ヶ月も
前からお願いするのが普通でしょう。企業経営のトップは多忙ですから、
予定が詰まっているのは事実で、仮に「今週お会いできないでしょうか」
などとアポを取ろうとしても「そんな直前に言ってくるなんて失礼な」
と悪い印象を相手に与えてしまうだけです。

ましてや、いったん決まったアポの日時を変更してもらおうなどと
しようものなら、「失礼千万なヤツ」だと面会する前から嫌われて
しまいます。それが日本のビジネス社会での慣行でしょう。

本当に“分刻み”に忙しい場合は仕方ありませんが、「アポ設定が
容易でない人」という雰囲気を演出しているケースもあると安田氏は
指摘しています。どういうことかと言うと「あなたの都合に合わせ
ますよ」などと時間に柔軟に協力することによって、“重要でない
人物”と思われるのが嫌だという心理が働いているのかもしれないし、
あるいは秘書が、「忙しくてアポ設定は容易でない」という雰囲気を
ボスのために忖度して作り出しているというわけです。

安田氏はPICA勤務時代、海外の要人のために、日本の要人とのミー
ティングのアポ設定を長年やってきたと言います。両者の板挟みに
なって困ったことが年柄年中あったと振り返ります。海外の要人に
向かっては「アポは早めに入れて欲しい」「決まったアポの日時は
変更しないで欲しい」と何度も力説するのですが、なかなかそうは
いきません。海外の要人にはまったく悪気はないのだけれど、日本の
ビジネス社会での慣行通りにうまくいかない結果、日本側からは叱られ
たり、大変な文句を言われたことが度々だったと振り返ります。


◆柔軟に相手の都合に合わせてアポ設定・変更するのがグローバル流

安田氏の意見はこうです。世界市場や取引の状況は日々刻々と変わるし、
スケジュールも当然変更が発生します。それに対応する柔軟さや
スピードも必要です。そうした国際ビジネスの状況で生きていくため
(特にアジア地域内では“仲間意識”もあり)、時間やアポはお互い
あまりフォーマルならずに、柔軟に相手の都合に合わせていこうと
いう姿勢で協力しあっていると言います。

そのため、東南アジアや香港などのビジネスマンから見ると、相当
前からの依頼でないとアポが取れない、また、いったん決まった
アポの日時を変更するなどということは「ありえない」とする
日本の“アポ文化”は硬直した社会に映るのだと言います。

ニューヨークや香港、ロンドンなどの相当な要人たちも、直前の
アポの依頼を気にせず、可能なら、短くてもミーティングを受け
入れているということです。電話会議やテレビ会議に至っては
もっと柔軟で、いつ何時飛び込んでくるかもわかりません。時差の
ためにそれが深夜になることも珍しいことではありません。

「日本の決断は遅い。しかし、アジアや欧米の決断が早い」と
言われる原因の一つにアポに対する柔軟性の違いがあるかもしれない
と安田氏は指摘します。海外から数日前にもかかわらずアポを取りに
来たとか、日時を変更してくれと依頼が来たからといって、「自分を
見下している」などと腹を立ててはいけません。彼らに悪気はなく、
それが「普通」だと考えています。何とか15分でもやり繰りして
時間を作ればそのほうが感謝されるし、人間関係も築くことが
できます。アポの時間を作る努力をしないことによって、ビジネス
チャンスや人間関係が失われる損失のほうが、よほどマイナス面が
大きいと安田氏は指摘します。

いかがでしたでしょうか。
ビジネスの会合、面談、打ち合わせのため「何時に相手を訪問し、
どれだけの時間をもらえるか」というのは、なるべくアポで前もって
決めておいてその予定通りに厳格なほうがきっちりしていて良いだろう
という頭がメルマガ著者にはありました。しかし、安田氏によると
グローバルビジネスでは、時間については意外にも(?)自由度が
大きいほうがお互いに柔軟に対応しているということの表れで良い
のだそうです。みなさんのアポの自由度に対する感覚は厳格で
しょうか、それとも柔軟でしょうか。そしてそれは、対日本人と
外国人とで上手く使い分けることができていますか?改めて振り
返ってみると、意外な気付きがあるかもしれませんね。


◆ソース◆
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『これからのビジネスリーダーに贈る45の視点』(同文館出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4495523813/
pp.88-91
【Vol.202】外国人の“時間感覚のズレ”は直るのか?
http://pegl.ldblog.jp/archives/46849048.html
【Vol.275】日本の時間感覚 VS 米国の時間感覚
http://pegl.ldblog.jp/archives/50531491.html
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