メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃週刊メールマガジン
┃「グローバルリーダーへの道」
┃2018/04/05 号
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今号のメルマガは、論理的思考に欠かせない3つの要素「NFL」について
です。外国人とのビジネスコミュニケーションには「ロジック」が
欠かせない要素であることをPEGL[ペグル]の講座を通しても強調して
いますが、自分の考えを“自分なりの論理展開”で他の人にも理解
できるようにするにはどうしたら良いでしょうか。書籍『日本人が
「世界で戦う」ために必要な話し方』(日本実業出版社)では、自分の
意見を価値観の異なる他の人に理解できるように落とし込む手法を
紹介しています。

同書の著者は3つの要素、すなわち数字(Number)、ファクト(fact)、
ロジック(logic)が論理的会話には欠かせないと言います。これらの
3つの頭文字をとって、同書の著者は「NFL」と呼んでいます。

◆人を動かす3種の神器「数字」「ファクト」「ロジック」
(1)数字(Number)
「かなり大きい」というような定性的な表現に対して、「15億」と
いうように具体的な数字のことです。過去の売上の数字のような
客観的なデータもありますし、売上予測のような主観的な数字も
あります。過去のデータでも、加工の仕方によっては主観が入る
こともあります。
(2)ファクト(fact)
「ファクト」は事実認識のことです。「事実との認識が一般的に
共有されていること」(例:日本は島国である)もありますし、
話し手が「事実だと思うこと」(例:北方領土は日本の領土である)も
含まれます。
(3)ロジック(logic)
「ロジック」は話し手が使う具体的な論理のことです。

単純に言うと、論理的な会話の基本形は「私はAだと思います。
理由は三つありB、C、Dです」(I think A because B, C, D)です。
このB、C、Dの部分に「数字」「FACT」「ロジック」を入れると、
論理展開の説得力が格段に増します。

グローバル企業で活躍している人間は、数字、ファクト、ロジックを
存分に駆使して自説を展開するのだと同書では述べています。
例えば、以下のような文です。

【例文】
《結論》
「私は、クライアントのA社はX社の買収を検討する価値があると
思います。
《理由》
理由は3つあります。
《理由1:数字》
理由の一つ目は、X社の強い東南アジアでは、今後5年間で平均8%の
高い市場成長率が見込まれているからです。
《理由2:ファクト》
理由の二つ目は、X社の商品は、所得水準が1万ドル以上を超えた国で
売り上げた伸びた実績があります。東南アジアでは、所得水準が
1万ドルを超えてきています。X社の商品は東南アジア市場で有望です。
《理由3:ロジック》
理由の三つ目は、買収による両社の相乗効果です。SWOT分析を行った
結果、X社の強みは製造です。弱みは販売力です。X社の弱みである
販売力はA社では逆に強みであり、A社がX社の弱みをカバーして打ち
消すことができます。」

◆結論を一番先に述べる「結論ファースト」が基本
【例文】では結論を一番先に述べています。「結論ファースト」は
わかり易い説明の基本です。さまざまな価値観や多様性が交じり合う
環境で仕事をする上で、シンプルに結論からものを言う訓練ができて
いることはグローバル人材として最も重要なスキルの一つです。
【例文】のように結論を先に言ってから、そのあとで結論の根拠と
なる理由を述べることで効率良い会話を可能にします。【例文】で
言うならば「A社はX社の買収を検討する価値がある」が言いたいこと
なのだということが、話を聞いてすぐにわかるからです。

「結論ファースト」の話し方には「説明がわかり易い」というメリット
があるだけはありません。テンポ良く議論が弾みやすくなるという
メリットも生まれてきます。会議の場で発言者が結論から話し出せば、
参加者の面々は自分の考えとの違いがすぐに分かり、即座に反応し
やすくなります。「いや、私はこう思う。理由は…」「その提案には
賛成できない。理由は…」といった切り返しも活発に起こり、議論が
スムーズに弾みます。

外国人には日本人の話は長くてわかりづらいと言われることがあります。
その大きな理由の一つは「結論ファースト」でないからです。日本人は、
(言語的にも文化的にも)背景説明から入るのが好きな傾向があります。
時系列でまるで物語のような展開で説明する人も多いのではないで
しょうか。特に、文章ではなく「話し言葉」になった時ほど、“無意識に”
結論を最後に置いて話してしまう傾向があるのかもしれません。

いかがでしたでしょうか。
例えば、結論の理由として3つをあげるとして、切り口は一通りではなく、
いろいろ考えることができます。【例文】でいうならば、3C(自社、
競合、市場)や4P(商品、価格、プロモーション、流通)なんていうのも
切り口として考えることができそうです。3つの理由ともファクト、
すなわち《理由1:ファクト》《理由2:ファクト》《理由3:ファクト》
という方法もあるかと思います。しかしながら「NFL」を知っていると、
「数字」「ファクト」「ロジック」と理由の切り口の選択肢が【例文】
のように、幅広くなりますね。「NFL」をフレームワークの一つとして
知っておくとビジネスで役に立つ場面がありそうです。全米フット
ボールリーグ(National Football League)の「NFL」と同じなので、
覚えやすいですね。


◆ソース◆
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『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』(日本実業出版社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4534051026/
pp.80-89
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