メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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今号のメルマガは、パラグラフ・リーディングについてです。
ひとつのパラグラフの内部は、ある特徴的な構造をしているのだ
という話です。どのような構造をしているのか、みなさんは
ご存知でしたでしょうか。著書『日本の英語、英文学』(研究社)から
紹介します。著者は、御茶ノ水女子大名誉教授で英文学者として
著名な外山滋比古氏です。

◆パラグラフ内部の構造は同心円状で、AとBとCの3段階をしている

学校の英文法では、語、語句、節、文を習いました。その上位概念
であるパラグラフについてみなさんは習いましたでしょうか。
おそらく、あまり習ったことがない方が多いのではないかと思います。
同書によると、パラグラフについてはっきりと意識していないのは
日本人だけでなく、意識していない英国人や米国人もかなり多い
はずだと述べています。

活字になった英文においては、パラグラフは大切な単位です。
10行から長くても15行ぐらいでひとつのパラグラフを構成し、
改行します。

ひとつの標準的なパラグラフは、以下の3つの部分A→B→Cで構成します。
A:抽象的、一般論的:2~3行
B:上記の具体例:長い
C:AとBを踏まえた結び=短い

AとBとCは同心円のようなもので、同じことを違う表現で述べて
いるのが一般的です。Aは抽象的、一般論的な書き方がしてあります。
日本人には特にAが手強いのだと同書は言います。Bは、Aを具体的に
示す部分です。Aの部分は動詞の現在形であることが多いのですが、
Bの部分は、過去形の動詞が使われることが多く、具体的で物語調に
なります。Aが抽象的で何を言いたいのか分かりにくくても、Bを
読めば具体的で分かりやすいのだそうです。しかも、AとBが同心円の
ように同じことを言っているのだということを知っていれば、Bを
理解することによってAを理解することができます。Cの部分は、
短く、抽象的にAとBをまとめています。

抽象的な表現に弱くてAを理解する段階でつまずきがちで、先を読む
ことを諦めてしまったりしていませんでしょうか。この構造を知って
いれば、「最初の2、3行が難しくて理解できなくて、あとは到底理解
できない」と勝手に決め付けてしまうのは日本人の思い違いという
ことになります。とにかく全体を読んでみて、AとBとCを区別して
認識することが大事だということです。一番具体的で分かりやすい
Bを読むことで、Aが理解出来ることが多いのです。

◆洋書や翻訳書の読み方は“前方重心”で

パラグラフの内部構造は前方重心なのですが、表現における前方重心の
傾向はパラグラフの次元にとどまりません。1冊の書籍でも似たような
構造をしています。日本人は知らずに損をしていると同書では述べて
います。日本人は後方重心思考が強いので、書籍でも終わりの部分に
一番大事なことが出てくると考えて、結末を重視します。それに対して、
書き出しを“はしがき”などと称して軽視する傾向があると言います。
読む側もさらっと読み流すことが多いのではないでしょうか。洋書や
翻訳書も同じように、はじめを軽く読み飛ばし、結末に全力を傾ける
というような読書をしていては“誤読”になりかねないと同書では
注意を促しています。

欧米の書籍は冒頭の部分がきわめて大切です。イントロダクション、
緒言、序論はしばしば結論の予告編であったり、結論の変形であったり
することも少なくありません。読み飛ばしてはいけません。書籍の
主張したいことは冒頭部分に展開されるところが、日本の書籍との
大きな違いだと言います。

したがって、難解な書籍を読むときも、一度読んだだけでは理解
しづらい場合、冒頭部分やイントロダクションだけを読み直すのが
有効です。時間的にも有効だし、理解が深まることにもつながります。

いかがでしたでしょうか。
大学受験の英語の問題などで、「次の英文を和訳せよ」とひとつの
パラグラフを丸々訳す問題があったのを記憶している読者の方も
多いのではないでしょうか。採点経験が豊富にある外山氏は、採点に
疲れてくると白紙答案に正直なところほっとしたと同書の中で述懐
しています。白紙答案だと手間をかけずに0点に採点できるからですね。
一方で、上記のパラグラフの先頭2、3行のAのところで悪戦苦闘した
末に断念した痕跡が見られる答案を不憫に感じたと言います。
本メルマガで解説したような読み方をすれば、白紙答案を出さず
済んだ可能性が高いというわけです。メルマガ著者もパラグラフ内部の
構造に特徴があることを同書を読むまで知らなかったので、「受験生
時代に知っていれば」と悔やまれます。みなさんはいかがでしたで
しょうか?

◆ソース◆
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『日本の英語、英文学』(研究社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4327490237/
pp.15-21、38-46
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