メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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┃週刊メールマガジン
┃「グローバルリーダーへの道」
┃2018/06/21 配信号
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今号のメルマガは、「グローバル・インテリジェンス(以下、
本メルマガでは便宜的に「GI」と略します)についてです。書籍
『世界で生きる力――自分を本当にグローバル化する4つのステップ』
(英治出版)から紹介します。


◆IQでもEQでもないGIとは?

IQ(知能指数)やEQ(感情指数)はみなさんもご存知だと思いますが、
同書によると、GIとは「人類を分かつ境界線を越えるべく、持てる
機能のすべてを活用できる能力」のことを指します。最も簡潔かつ
単刀直入に言えば、自分と異なる人々と共存し、共創することを
可能にする人間の能力のことを指します。

GIは単なる概念ではなく、IQやEQと同様にテストの形で計測すること
が可能です。テストは複数の種類が存在しているようですが、最も
高度なものの一つが「グローバル・マインドセット」リストと言われる
ものです。同書では、自分の今のGIを評価するために、このような
GIテストを受けてみることをすすめています。

「GIを向上させてグローバル人材になる」というのは具体的には
どういうことなのか、同書では世界で暮らす人々のシティズンシップを
5段階のレベルで表現しています。本メルマガでは、基礎的なレベルの
「シティズン1.0」から最高レベルの「シティズン5.0」まで順番に説明
します。GIが低いとはどういうことなのか、GIが高いとはどういうこと
なのか、この5段階のシティズンのことなのではないかとメルマガ筆者は
読み解きました。


◆世界で暮らす人々を5段階のレベルに分類すると?

(1)シティズン1.0=自分自身にさえ忠誠を持っていれば良いという段階
自らの関心事にしか注意を向けない段階です。「自分」の利益にしか
興味がないと言う意味で「自己中心主義」です。「自己中心主義」
という言葉にはネガティブな意味合いが包含されてはいますが、この
最も基本的な自分一人の関心、ニーズ、考え方に基づく市民的アイデン
ティティは必要だと同書では言います。もちろん、これだけでは不十分
だと言えるでしょう。

(2)シティズン2.0=自己の利益と所属するグループ(氏族、部族、
政党等)の利益との均衡を図る段階
このレベルでは、関心は個人からグループのアイデンティティへと
移ります。何が「自分にとって」個人的に有益になるかだけを考える
のではなく、より大きく「自分たち」のことを考えるようになります。
このグループアイデンティティは民族的、または部族的、あるいは
何らかの「主義」(カトリック主義や共産主義、反共産主義など)に
よって体現されている場合があります。シティズン2.0は内戦や民族
浄化、そして止めるものがなれれば大量虐殺まで引き起こすかもしれ
ません。今日見られる戦争の多くが内戦であり、部族や人種、民族性、
宗教、思想などによって分類された競合グループ同士の憎しみあいに
根ざしています。

(3)シティズン3.0=自己とグループへの忠誠心よりも国家の利益を
優先する段階
シティズン3.0は個人やグループとってのアイデンティティも包含して
いますが、その枠を超えて社会または国家全体に共感できるグループ
でもあります。この意識レベルの市民は、部族や政党、人種、宗教が
異なっていても、自国のすべての市民の権利や利益を守ります。
「ナショナリズム」を最大限に肯定化した言い方をすると、自己の
アンデンティティの幅を広げ、同胞である他の市民をひとり残らず
包含します。シティズン3.0の段階ではもちろん不十分で、国粋主義的な
「自分たち」は他者である「彼ら」を悪者扱いして攻撃をしかけ、
世界大戦を引き起こした過去があります。

(4)シティズン4.0=複数の段階に忠誠心を抱いている段階
シティズン4.0はナショナリズムの「枠組みから飛び出す」市民である
ため、より幅広い市民の意識を表わしています。この世界観を身につけた
指導者や市民を、一つ国家、宗教、思想、人種、民族グループで定義
づけることはもはやできません。社会学者は「文化的交配」という言葉
でこの現象を説明しています。

(5)シティズン5.0=地球と、生きとし生けるものすべてに対して
忠誠心を抱いている段階
シティズン5.0は多文化の世界観を超越し、人類のみならず、すべての
生命を視野に入れています。シティズン5.0は「多国籍」なのではなく
「超国籍」です。彼らは人類という次元にとらわれず、人間を含む
すべての生命の基礎が自然そのものだと認識しています。
この段階への転換はしばしば宇宙飛行士に見られるといいます。宇宙
飛行士が宇宙から地球を目撃したとき、地球の一体感という形容しが
たい美と驚異にさらされたことが、彼らをこの超越した観点へ「超越」
させるきっかけになることがあるようです。

いかがでしたでしょうか。
カナダで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)が6月9日に閉幕
しました。通商政策を巡り米国と6カ国の意見対立が解消されないまま、
かろうじて首脳宣言が採択されましたが、サミットを途中退席した
トランプ米大統領が一転して「宣言を承認しない」としたことで、
G7の結束を示そうとした各国の取り組みは台無しに終わりました。

今回のG7に限ったことではないのですが、トランプ大統領の通商政策の
何が問題なのかと言えば、彼のIQやEQからくるものとはまた違うもの
ではないのかと感じていました。同書を読み、GIが低いところが問題なの
ではないのかと思いあたるわけですが、皆さんは「GIが高い」「GIが低い」
と感じる場面はありますか?


◆ソース◆
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『世界で生きる力――自分を本当にグローバル化する4つのステップ』
(英治出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4862760902/
pp.48-57、242-243
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