メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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今号のメルマガは、組織内部での外国人との人間関係、特に上司と
部下の関係についてです。『海外勤務が決まったらすぐ読む本』
(あさ出版)から紹介します。

◆余計なおせっかいは焼かないほうが無難?

「特にEU系の人々(米国ではEU系にルーツを持つ人々)にはおせっかい
を焼いてはならない。これまで日本人の親切心から行うたくさんの
おせっかいが嫌われる状況を見てきた」と同書では述べています。

会社の中で、日本人のおせっかいはどこまでおこなって良いので
しょうか。同書が記述している内容は以下の通りです。

基本的に他人の仕事には口を挟みません。仕事を見ていて「こうする
と良いのに」と思っていても、外国ではその人の仕事はその人が行う
もの、こちら側から親切心で口出しすることは「ありがたい」と思われ
るよりも、「うるさい」と受け取られることが多いと言います。
なぜなら、その企業では、その人は「仕事ができる」と見なされて
雇用されています。逆にその仕事ができないのにも関わらず雇用されて
いるということになれば、その人のプライドの問題に関わるという
ことになります。

その人がどんなやり方で仕事していても「やり切って責務を果たすべき」
という考え方で運営されています。

◆上司と部下の関係はドライに割り切る

また、上司と部下の関係も個人として割り切っています。国内では
「部下の責任は上司の責任」となることが多いと思いますが、海外の
職場では各自が職務明細に従って職務遂行の義務を負っています。
そのため、海外では上司は上司、部下は部下、部下に何か問題がある
場合は、部下が自分で責任を取るのが常識です。海外では、上司や
パートナーの指示が間違っている場合、素直に受け取る部下はいません。
もっとも、間違って指示を出すような能力の低い上司が管理職の
ポジションについていないということのようです。

指示に不明な点がある場合、部下は納得するまで「どうしてですか?」
と上司に聞くし、納得がいかない指示には従いません。それどころか、
上司を上司と思わなくなるため、仕事上のトラブルが発生することに
なります。部下に正当性がある場合は人事異動を申し出ます。日本人の
ように思考停止でそのまま指示に従うということはありません。
そんな上司は辞めさせるか、異動させられることがほとんどです。

◆「連帯責任」は海外には存在しない?

海外の上司は「ボス」と呼ぶにふさわしいパフォーマンスが必要です。
上司は個人であり、部下も個人であるという考え方です。職責職務が
分離しており、部下に問題があった時は、上司が部下の異動も解雇も
できます。組織を健全に維持するため、また成果を上げるために、
上司は自分のチームを常にベストな状態に保つことが役目になります。

仕事を教えることもなく、指示することもあまりありません。上司は
チームの成果と管理と職務遂行上のリスクを管理する立場にあり、
「あーしろ」「こーしろ」とは部下に対して命じません。部下は部下で
考え、どうしたら良いかを自分で判断して行動に移します。その中で
トラブルが発生したら、部下自身で責任を負います。上司は指示を
しているわけではないので部下の責任をとりません。日本では上司への
日々の報告・連絡・相談(報連相)は基本中の基本ですが、報連相では
ない個人任せのマネジメントとはこういう仕組みと機能を持つという
ことです。

例外は、不祥事、不正、正しくないことを目撃した時です。北米でも、
社会の自浄作用は強く残っており、何か正しくないことをしている
人がいたら、必ず何かを注意されている場面に出くわし、「JUSTICE」
というものを感じると同書の著者は述べています。EUでも同じです。
善悪に対してはものすごくうるさく、ルール破りには厳格です。
それに比べると、アジア、アフリカ、中南米では基準が緩やかです。

いかがでしたでしょうか。
メルマガ筆者が実際に聞いたエピソードを披露しますと、ニュージー
ランドで働く友人は、同僚が忙しそうだったのでサポートしようと
したところ「余計なことはしなくていい、仕事量が多いのなら、
別の人を雇う判断をするし、あなたが余計に働いた分、本当は仕事に
就けるはずの人が就けなくなる」と言われたそうです。これも、
いわゆるおせっかいに入るのでしょうね。

みなさんは、日本的な組織のウエットな人間関係と、上記のような
ドライな関係の、良い面と悪い面をどのように考えますか?

◆ソース◆
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『海外勤務が決まったらすぐ読む本』(あさ出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/486063909X
pp.156‐161
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