メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

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┃2018/10/11 配信号
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今号のメルマガは、日本人が苦手とする「R」と「L」の発音を
間違えた時、外国人に正しく伝わっているのかという話です。
『グローバル・コミュニケーション学入門』(三省堂)から紹介します。

◆“rice”と“lice”を勘違いされることは実際に起こりうるのか?

例えば、「R」と「L」の発音の違いをマスターしないと、以下の
ような勘違いをされるのだとまことしやかに言われます。

We eat rice in Japan.

と言ったときに

We eat lice in Japan.
(日本人はシラミを食べる)

というような勘違いが本当に起こるのか、被験者と使って調べて
みた実験の結果を同書は紹介しています。

実験では合成音声ソフトで読み上げた英文を(A)英米人など英語が
母国語話者(ENL=English as a Native Language)52人、
(B)インド人、シンガポール人、フィリピン人など英語が公用語話者
(ESL=English as a Second Language)63人、(C)中国人、韓国人
など日本人在住の英語が外国語話者(EFL=English as a Foreign 
Language)56人の3グループに聞いてもらい、「話し手は何と言ったと
思いますか?」という質問をしました。下の表の右の数字は、
(A)~(C)各グループ何%の人が単語通りに回答したかを集計した
結果です。

[表]“rice”と“lice”を聞き取った人の割合(%)
(1)I don't want any rice.
(A)EN:98(B)ESL:98(C)EFL:82
(2)I don't want any lice.
(A)EN:75(B)ESL:78(C)EFL:54
(3)These chopsticks are for eating rice.
(A)EN:100(B)ESL:97(C)EFL:80
(4)This powder is for killing lice.
(A)EN:100(B)ESL:95(C)EFL:75
(5)This powder is for killing rice.
(A)EN:50(B)ESL:62(C)EFL:55
(6)These chopsticks are for eating lice.
(A)EN:52(B)ESL:62(C)EFL:25

「『日本人はシラミを食べる』と思われるのか?」という質問に
対する答えの目安になるのは、(5)と(6)の正答率です。
聞こえた通り「ご飯を殺す粉」「シラミを食べるお箸」と解釈した
のは、ENL話者の52%、ESL話者の62%でした。逆に、これらの問題で
「不正解」となった人たちは、聞こえてきた音の情報ではなく、
文脈情報を参考にして「お箸で食べるのなら(liceではなく)riceだろう」
「粉で殺すなら(riceではなく)liceだろう」と解釈したことになります。

つまり、「R」と「L」を発音するのが苦手な人が仮に「R」と
「L」の発音を言い間違えても、ENLやESLの半数ほどの聞き手は、
文のつながりと関連づけて理解しようとしてくれるということです。

「英語の発音が悪いから話せない」と尻込みするよりは、とにかく
声に出して相手に伝える努力をしようというのが同書の主張です。

◆発音に自信がない場合は、文脈を補って誤解される可能性を減らす工夫を

さらに同書がもう一つ指摘しているのは、話者の発音の良し悪しも
さることながら、単語に対する「親密度」によっても伝わりやすさ
が異なるということです。「親密度」とは、その単語に聞き手が
どのくらい馴染みがあるかということです。

話者と聞き手の持つ文化的背景が異なるグローバル・コミュニケー
ションの場面では、自分が日常的に使っている単語であっても、
相手にとっては親密度が低い単語である可能性もあります。
スムーズなコミュニケーションを妨げる要員は、実は話者の発音の
良し悪しではなく、話者と聞き手の間で特定の単語やフレーズに対する
親密度が異なることが要因になっている可能性も多いにあります。

Riceの場合、単にriceという単語を使うだけでなく、steamed rice
とかfried riceなどのように文脈を補って話をする気遣いをすると、
発音により誤解される可能性を減らせるのだとも同書では説明して
います。

いかがでしたでしょうか。
みなさんは「R」と「L」の発音の区別に自信がありますか。「R」と
「L」の発音で聞き手に勘違いされてしまったことがありますか。
それはどんな単語でしたでしょうか。発音コンプレックスを抱えて
いる方は、ぜひこれを期に様々な角度からの「単語の伝わり方」に
ついて考えてみてはいかがでしょうか。


◆ソース◆
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『グローバル・コミュニケーション学入門』(三省堂)
https://www.amazon.co.jp/dp/4385364168
pp.115-117
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