メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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今号のメルマガは、発信するビジネスメールが、用件を伝達するだけ
ではなく、相手のモチベーションが高まる内容になっていますか?
――という話です。書籍『人を動かす英文ビジネスメールの書き方』
(ダイヤモンド社)から紹介します。

日本語でも英語でも、ビジネスコミュニケーションの目的は一つです。
それは、「相手の心をつかみ、モチベーションを高め、自分の期待
通りの行動を起こしてもらうこと」です。

同書によるとその決め手となるのは論理性でも合理性でもなく、信頼
と尊敬に基づく「気くばり」なのだと言います。

「気くばり」というと、難しい言葉を避け、優しく丁寧に接すること
のように思われがちです。しかし、ビジネスにおける本当の「気くばり」
とは、そんな生易しいものではないのだと同書は言います。相手の
心に響くメッセージを発信しなければなりません。人の心を動かし、
動機付けするパワーは、「英語の洗練度」ではなく「信頼と尊敬」
だと言います。

ビジネスでは、相手との利害対立を避けることは難しく、自分個人
としては不本意な依頼や要求を相手に対してしなければならない
シーンがあります。相手にとって、それは決して喜んで同意したくは
ないことかもしれません。

そのような場合でも、相手を「理性的に対応しよう」という気持ちに
させるには、相手の自尊心に深く配慮し「気くばり」したメッセージ
を添えることが効果的です。

具体的にはどういうことなのでしょうか。
商品を貨物で受け取るというビジネスシーンで、それが当方のニーズ
を満たさない商品であるため、貨物の受け取りを拒否する例で考えて
みましょう。【NG例】→【気くばり例】の順番でみていきます。
まずは【NG例】です。

【NG例】
We cannot accept the delivery of the products because you 
failed to deliver one of the items we ordered as specified in 
our order sheet.
(配送された貨物には、弊社の発注書に記載した通りの注文品のうち、
1項目について梱包漏れがあったため、受け取ることができません)

上記のメッセージは、「ストレートでビジネスライク」という観点
からは、理由と共に受け取り拒否の意思を伝達できます。しかし、
内容がやや舌足らずで、用件の伝達のみにとどまっているため、
「相手の心を動かし、成果をあげるための信頼関係」を築くことは
できないでしょう。それに対して、相手の自尊心に「気くばり」した
メッセージを以下の例で見てみましょう。

【気くばり例】
We have enjoyed successful business with your company for 
over 12 years and have always been impressed by your outstanding 
services untill today. On checking the products delivered 
yesterday, however, we were unpleasantly surprised to discover 
that one item listed on your packing list has not been included 
in this shipment.
(貴社との12年を超えるお取引には感謝しており、今日まで貴社の
傑出したサービスの高さには関心しております。しかし、昨日配送
いただいた貨物のうち、貴社の梱包明細書に記載されている項目で
1点梱包漏れがあることに気が付きました。このようなことは過去に
一度もありませんでしたので、率直に驚いております) 

気くばりとして、
(1)取引の期間:「12年を超える素晴らしいサービスに対する感謝と満足」
(2)取引の質 :「梱包漏れは12年間1度もなかった」
――ことに言及することで、今回は梱包漏れというミスを起こして
しまった相手も「プライドにかけて早期に問題解決したい」という
気持ちになるでしょう。たとえ相手に「梱包漏れ」のような落ち度
がある場合でも、その内容が比較的軽微なら、「苦情という用件を
伝達する前に相手の自尊心を高める」アプローチが、早期のトラブル
解決につながると同書は述べています。

いかがでしたでしょうか。
みなさんはビジネスメールを受け取って、「自分のモチベーションが
高まった」という経験がありますでしょうか。メールをくれた相手に
対して好感も持つし、いい仕事をするという行動につながるのは
間違いありません。相手が自分に対する「気くばり」からそのような
メールをくれたのかどうかは、相手本人に聞いてみなければわかり
ませんが、日本人が日常生活で大切にする“思いやりの精神”なの
だろうと推察します。

上の【NG例】のような用件の伝達だけでは相手の心を動かして、
良い仕事をしてもらうためのモチベーションの向上にはつながらない
ことは確かですね。

翻って、自分が発信しているビジネスメールは、用件の伝達だけに
なってしまっているということにメルマガ筆者は改めて反省させられ
ました。

みなさんはビジネスメールを発信するとき、受け取って読んだ相手の
心に響き、モチベーションがアップすることを意識した内容にして
いますか?


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『人を動かす英文ビジネスメールの書き方』(ダイヤモンド社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478102589
pp.22‐23
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