メルマガバックナンバーのコラムは、大前研一が自らが執筆・発行しているものではなく、

本講座の専属ライターにてお届けさせていただいております。

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今号のメルマガでは、知ってそうで知らなかった英語の過去時制と
現在完了について説明します。「今さら、中学英語のおさらい?」
と思うかもしれませんが、メルマガ筆者にとっては“新発見”の
事柄もありました。書籍『動詞の「時制」がよくわかる英文法談義』
(大修館書店)から紹介します。

◆過去時制は「終わった時間」に起きたことを表す

過去時制は文の表す出来事が、話者も聞き手も既に存在しない
「終わった時間」に起きたことを表します。当たり前のことを書いて
いるように思うかもしれませんが、「話者も聞き手も既に存在しない
終わった時間」か「まだ終わっていない時間」なのかを判断するのは
意外と難しいと同書で述べています。

次の(1)と(2)の疑問文を見てみましょう。同じ行為について
尋ねているのに時制が異なっています。日本語では区別がありません。
(1)と(2)のように時制が違っていると、具体的にどのように
意味が違うとみなさんは思いますか。

(1)Have you eaten breakfast?
(朝ごはん食べた?)
(2)Did you eat breakfast?
(朝ごはん食べた?)

(1)ではまだこれから食べる可能性があるということを意味して
います。(1)では朝ごはんを食べる時間がまだ終わっていません。
それに対して(2)では朝食時間もはや「終わった時間」になって
います。ですから今が午後なら(2)を言いますし、今が午前中でも、
朝食を食べる時間はもうないと話者が思えば、(2)の方を言います。

では、次の(3)と(4)はどうでしょうか。みなさんもいっしょに
考えてみてください。

(3)Has Jane called?
(ジェーンから電話あった?)
(4)Did Jane call?
(ジェーンから電話あった?)

冒頭で説明した(1)(2)の朝ごはんの例文と同じように考えて
みてください。(3)はまだこれからJaneが電話してくる可能性が
ある言い方です。まだこれから電話があるかもしれないという期待を
込めている言い方になります。(4)では、もう可能性がないと話者
が思っていることを意味します。(4)では、話者も聞き手も「特定
の時間に電話があるはず」と分かっていたニュアンスがあります。

このように、過去時制は特定の時間が話者と聞き手の双方に了解されて
いるときに使います。言い換えるならば、過去時制を使うには、話者と
聞き手が過去の同じ時間を想起できなければなりません。どの時間に
ついて話しているのか、相手の知識を考慮することが必要となります。
つまり、会話中に話者が突然、話者だけにしかわからない過去の時間に
視点が移ってしまうと、現在に置き去りにされた聞き手は面食らって
しまうということですね。日本語と異なり、英語では「話者は勝手に
過去の時間に視点を移してはならない」というルールが存在するようです。

◆過去形と現在完了と使い分ける

もうひとつ、「歴史上の事実は過去形で表す」というルールがあります。

(5)The Chinese invented paper. 
(中国人が紙を発明した)
(6)Geoffrey Chaucer wrote The Canterbury Tales. 
(ジェフリー・チョーサーが『カンタベリー物語』を執筆した)

歴史上の事実は、調べれば過去の時間が特定可能なので過去時制です。
紙を発明した当事者の中国人も、ジェフリー・カンタベリーも歴史上
の人物で、既に亡くなっているから(5)も(6)も「終わった時間」
に属します。ただし、主語が亡くなっていても、過去時制で言うとは
限りません。

(7)Newton has explained the movement of the moon.
(ニュートンが月の運動を説明した)

(7)などは、現在完了で言うことで、ニュートンの月の運動に関する
理論が今も受け入れられているニュアンスが伝わります。

しかしながら、次の(8)の例では必ず現在完了を使います。

(8)This is the fifth time you've asked me the same question.
(君が同じことを聞くのはこれで5回目だ)

(8)をyou asked me the same questuonと過去時制で言うことは
できません。5回目ということは、これから6回目があるかもしれない
という理由から、質問という行為が終わっていないということです。

さらに、誰かに出来事の第一報を知らせる時は、現在完了で言います。

(9)There has been a plane crash near London.
(ロンドン近郊で飛行機の墜落事故があった)

これは2回目の可能性があるという理由からではなく、「聞き手がまだ
知らないだろう」と思って知らせるのだから、過去の特定の時間を
話者と聞き手が共有することはできません。その場合は過去時制には
できないという理由からです。「話者は勝手に過去に視点を移しては
ならない」という上述したルールが効いています。

いかがでしたでしょうか。
一見、中学英語のおさらいと思いきや、とても意味深い過去時制と
現在完了の使い分けの一例を紹介しました。英語学習の中で今一つ
ピンと来にくいのが時制の体系ですね。みなさんは過去時制と現在
完了の“英語感”に自信がありますか。


◆ソース◆
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『動詞の「時制」がよくわかる英文法談義』(大修館書店)
https://www.amazon.co.jp/dp/4469246174
pp.25‐28、42‐44
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