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今号のメールは前置詞<on>についてです。<on>=「~の上に」と
いう理解では、前置詞<on>の本質的な意味はいつまでたっても
分からないという、大変意味深な話です。書籍『ホイホイわかる 
英語は前置詞だ!』(明日香出版社)では、前置詞の使い方を説明
していますが、その中から最もややこしい<on>についての内容を
紹介します。

前置詞<on>は確かに「~の上に」という意味もあるのですが、
「<on>=『の上に』」と固定した理解をしている限り、<on>の
使い方をマスターすることは決してできないと同書の著者の
西村喜久氏は言います。それでは、どのように<on>を理解したら
よいのでしょうか。具体例で見てみましょう。

A ball is on the line.
(ボールがラインの上にある)

この英文を読んで、「ボールは(ラインの上に)止まっている」
という《静(止まっている)》と見るのが日本人の考え方ですが、
ネイティブなら「ボールは動いている」、その結果「(ラインの上に
接触して)加わっている」と《動》の考え方をするのだとい西村氏は
言います。

He is on the TV.
(彼はテレビ番組に出演している)

これも<on>を《静》としてとらえるのではなく「彼がTV番組に加わって
いる」という具合に《動(加わって)》と発想するから<on>を使います。
on the TVだけで、言いたいことを情景として手っ取り早く伝えること
ができます。ここに“前置詞の使命”があるのだと西村氏は言います。

西村式の理解では、前置詞<on>は(ある目的のために)「動く」(あるいは)
「動いている」です。

「動く」「動いている」と併せてもう一つ、<on>の意味は、原因と
結果、つまり、「何が~してこうなった」「誰が~してこうなった」
という因果関係で広がっていきます。具体的には<on>の意味は
「(1)動いて、⇒(2)傾く、⇒(そしてその結果として)(3)~に
加わる」という具合に広がっています。(1)(2)(3)の順番で
<on>の意味の広がりを詳しく説明していきます。

(1)<on>は、ある目的のために「動く」「機能する」つまり「動いて機能する」

私たちの身の回りにある人工物、例えば、冷蔵庫、自動車、ステレオ、
家、道路などは、すべて人のため、世の中のために役立つ目的で作られ
ています。これらのものが「目的通りに機能している」ときには、
すべて<on>が使えます。

「機能している(動いている)」の意味合いで使われている例文をみて
みましょう。

(1-1)
He went to China on business.
(彼は商用で中国に行ったんです)

<on>の意味は「ある目的のために動いて」ですから、on businessで
「商用で」「仕事を目的として」というニュアンスが出てきます。

He speaks on Japan.
(彼は日本を目的として話す)
から、「日本について」「日本に関して」という意味が出てきます。
<on>にはじめから「~について」「~に関して」という意味がある
わけではないのです。

<on>は「何を目的として機能させるか、または使うか」によって、
いろいろな日本語の意味が出てきます。

例えば、
(hit her) on the head
ですと、<on>に「頭を目がけて」という意味が出てきます。

(1-2)
How long have you been on there?
(そこで、どれくらいの期間働いているのですか?)

<on>は「動く、機能する」という意味ですから、人が動いて機能する
から「働く」という意味になります。

(2)onは「動いて傾く」という感覚

<on>は原因と結果によって、つまり「こうすればああなる」といった
具合に意味が広がります。<on>は「動いて」その結果として「傾く」
という感じを伝えます。さらに(3)で後述しますが、動いて、その
結果「加わる」という意味合いも伝えます。 

良い方に傾けば「(ことが)うまく」「~が好きである」「気に入る」
「応援する」「賛成する」「支えになる」という意味が出てきます。

反対に、悪い方に傾くと「~の負担になって」「~がのしかかって」と
いう感じが出てきます。

良い方に傾く場合の例(2-1)と、悪い方に傾く例文(2-2)を
以下にみてみましょう。

(2-1)良い方に傾く場合の例文

This coffee is on me.
(このコーヒーは私のおごりです)

「このコーヒーは私に傾いている」すなわち「コーヒーは自分の負担で
ある」=「このコーヒーは私のおごりである」という意味合いになります。

I want to challenge to that on my life.
(私はそれに命がけで挑戦したいのです)

on my lifeで「自分の命を支えに」⇒「命を傾けて」⇒「命を張って」
「命がけで」という意味が出てきます。

(2-2)悪いほうに傾く場合の例文

I don't like greasy food. It's heavy on my stomach.
(脂っこい食事は好きではない。胃にもたれてつらいから)

「胃にもたれると胃の負担になる」ということでon my stomachとなります。

Don't hang on me.
(甘ったれるなよ)

「私に負担をかけて寄りかかる」⇒「甘ったれる」という意味になります。

(3)<on>は「動いて、加わって」という感覚
<on>には「動く」⇒「傾く」からさらに意味が広がって「~に加わる」
という意味合いもあります。何が加わるかによっていろいろな意味が
出てきます。いくつか例をあげてみましょう。

(3-1)
His glasses have been on his face for a long time.
(彼はずっとメガネをかけている)

「メガネをかける」⇒「メガネが顔に加わる」というイメージです
から、on his faceとなります。

(3-2)
The poster is on the wall. Who has put it on the wall?
(壁にポスターが貼ってあります。だれが貼ったのかな?)

ポスターが壁に加わっている⇒「ポスターが壁に貼ってある
という意味になります。

(3-3)
He is on the committee.
(彼は委員会の一員である)

「委員会の一員」というのは「委員会に加わっている」という意味に
なります。

いかがでしたでしょうか。
メルマガ筆者は、学生時代、英語の試験で前置詞の穴埋め問題が苦手
でした。苦手なまま今日まで至ってしまったので、同書による<on>の
考え方を読み、目からうろこが落ちました。ただ闇雲に英語に触れる
というだけでは不十分で、日本語とは異なる独特な発想というものが
英語に存在するということを理解して身につけ、英語的なものの考え
方に頭を切り替えないといけないのですね。

みなさんは前置詞の使い方に自信がありますか?


◆ソース◆
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『ホイホイわかる 英語は前置詞だ!』(明日香出版社)
https://www.amazon.co.jp/dp/475691960X
pp.26-39
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