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今号のコラムは、リーディングの速度がリスニング力に関係するという話です。みなさんは、リーディングの速度とリスニング力には関係があると思いますか?書籍『英語は「英語で学ぶ」とうまくいく』(日本能率協会マネジメントセンター)からの見解を紹介します。

◆英文を理解できる速度は、リスニング力の支柱

みなさんの中には、洋画や英語ニュースなどで、英語の音声をなかなか聴き取れない場合、英語の字幕を補助的に使う勉強法を使った経験がある、あるいは使っているという方も多いのではないでしょうか。

字幕と聞いてメルマガ筆者が思い当たるのは「英語の字幕を全部読み終わらないうちに、次の字幕に切り替わってしまう」という自身の経験です。これは、「英語を読んで理解する速度」が遅すぎて、「音声として耳からインプットされる速度」についていけていない証拠なのだと同書では指摘しています。

リスニングができるようになるには、音を認識できることのほかに、“認識した英文を理解する速度”が必要です。リーディングと違って、リスニングは読み返すことができませんし、耳に入ってくる速度を自分で調整することもできません。一度リスニングしただけで、理解しなければならないのです。英文を一読して理解するのが困難であれば、同じ英文を聴いても理解するのはなおさら困難なはずです。言い換えれば、ある程度の速度で確実に読み取ることができない英文は、聴き取ることもできません。理解する速度は、文法や構文、語彙などを理解・学んでいくことで身につけていく必要があります。つまり、リスニングにはしっかりとしたリーディング力という支柱が必要になるというわけです。

◆リスニングには、日本語の半分程度の速度で英語を読む力が必要

それでは、リスニングできるようになるため、黙読・速読の速度は、最低でもどれくらいが必要なのでしょうか。同書では、同等の分量を日本語で読んだ場合にかかる時間の2倍以下を目指すようにアドバイスしています。つまり、日本語と英語と同じ内容の読み物があるとして、日本語なら仮に10分で読めるとした場合、英文テキストを20分以内で読めるように練習することを同書では奨励しています。

いかがでしたでしょうか。
「リスニング力が弱いのは、実はリーディングの速度が遅いから」という同書の指摘をメルマガ筆者はこれまであまり意識したことがありませんでした。確かに、日本語の字幕は全部読めても、英語の字幕は全部読む余裕がありません。だから、リスニングできないと同書の主張は一理ありそうです。

みなさんは、日本語で読む半分程度の速度で同じ内容の英語を読むリーディング力をお持ちでしょうか。


◆ソース◆
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『英語は「英語で学ぶ」とうまくいく』
(日本能率協会マネジメントセンター)
https://www.amazon.co.jp/dp/4820731580
pp.100-101
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