今号のコラムは、「協調性」というような難しい英単語を知らない
ときに、どのように言い換えるかという話です。書籍『なんでも英語で言えちゃう本」(日経ビジネス人文庫)からテクニックを紹介します。
◆“協調性がある私”は、具体的にどのようなイメージか?
ビジネスシーンで、一つ例を考えてみましょう。みなさんは、転職活動していて、その面接会場にいると仮定します。今日は英語での面接の日です。面接官が以下のような質問をしました。
「あなたの強みを教えてください」
そこでとっさに、
「私の強みは協調性があることです」
と言おうとして、「協調性」という英単語がわからず、言葉が止まってしまいました。さてどうすれば良いでしょうか。
みなさんがここでやるべきことは、頭の中でイメージを広げることです。ここで持つべきは、「“協調性がある私”が、イメージの中でいったい何をしているのか」という視点です。
それを考えることで、みなさんが本当に伝えたいこと、伝えたい「核」をつかめるようになります。さて、“協調性がある私”とはどんな人でしょうか。
どんどんイメージを広げてみましょう。「話し合いができる人」というイメージもあるでしょうし「人のアイデアを尊重できる人」とか「人の考え方を受け入れることができる人」というイメージもあるでしょう。この広げたイメージに、みなさんが持つ単語で使えそうなものを当てはめてみます。
まず、“協調性がある”のは私なので、主語は「私」です。このイメージの中にある“協調性がある私”が、具体的にどんなことをしていそうかを考えていきます。
「人の意見を尊重している」というイメージが浮かべば、
I respect people’s ideeas.
と表現することができるでしょう。ほかにも、「人の考え方を受け入れている」というイメージが浮かべば、
I can respect other people’s way of thinking.
と言う表現で言い換えることもできます。
◆逆に、“協調性がない”のはどんな人なのかをイメージするのも手
ここからがイメージを描くうえで使えるノウハウです。みなさんが今描いていたのは“協調性がある人”のイメージでした。
“協調性がある”ことを伝えようとしたときに、うまくイメ―ジがわかなかった場合は、反対に“協調性がない”というイメージを頭に思い浮かべるというテクニックです。
そして、ポイントは、そういう“協調性がない人”がしてしまいがちなことを、「私はしません」と否定するスタンスで英語にしてみることです。こうすうと、表現の幅が驚くほど広がります。
“協調性がない人”をイメージすると、「人を拒絶している」「人の意見を聞かない」というようないろいろなイメージが浮かびます。
I don’t reject people.
などという言い方で表現することができます。
「協調性」を辞書で調べると下記のような単語が出てきます。
Accommodativeness
Cooperativeness
上の単語を使いこなして表現できる人は、そのままズバッと使えばすっと意味は通じるので便利です。上記の単語を知らない人も気に病む必要はまったくありません。
「言い換え」で伝える方法は、みなさんの「イメージ」を駆使しているので、発言がより「具体的」になります。すると、抽象的なひとつの単語で表現するよりも、むしろ会話に臨場感が出るというメリットもあります。
いかがでしたでしょうか。
“私は協調性がある”――。みなさんならどのように言い換えて英語にしますか
◆ソース◆
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『なんでも英語で言えちゃう本」(日経ビジネス人文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532169798
pp.71-77
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