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今号のコラムは、文字通りの意味とは違った、比喩的な意味のある英語表現(イディオム)についてです。書籍『ついつい出ちゃう!日本人のかんちがい英語』(高橋書店)から紹介します。

日本語にもたくさんのイディオムがありますが、単語と文法を知っているだけではイディオムを理解することができないのは、本コラムの読者のみなさんがご存じの通りです。たとえば、日本語を良く知らない外国人に「腹が立つ」と言っても怒っているのだとは想像しにくいですし、「顔が広い」と言っても「人脈が広い」意味だとは想像しにくいでしょう。同書の著者によると、イディオムの背景にある「腹」とか「顔」というような比喩は、文化や歴史の影響を受けています。したがって、イディオムを学ぶことは、英語圏の文化を理解するする一助になり、文化を学ぶことは、イディオムを理解するのに役立つのだというのが同書の著者の主張です。

英語のイディオムは、知らないと全く意味が分からず、とっつきにくい存在と思っていましたが、文化的背景があることに気づかされると、興味のわき方が変わります。

同書に掲載しているイディオムは、「かんちがい度」を「高い」~「低い」まで5段階に分けており、本コラムではその中でも「かんちがい度」が高いイディオムを4つ選んで紹介します。

◆からだに関するイディオム

(1)You’re pulling my leg.
(冗談だろ!)
日本語では「足を引っ張る」=「邪魔をする」という意味がありますが、英語のpull one’s legには「邪魔をする」という意味はなく、「(誰それ)をからかう」という意味になります。You’re pulling my leg!は、本当かどうか分からないこと、信じられないことに対して「まさか!」「冗談だろ!」と驚きを表します。

【You’re pulling my leg!をほかの表現で言い換えるなら】
No way!
(まさか!)
You’re kidding. /You’re joking.
(冗談だろ!)

(2)Why the long face?
「どうして浮かない顔をしているの?」と相手を気遣う表現です。同書の解説では「笑っているときより悲しいときのほうが、顔は長く見えるかも」とありますが、言われてみれば、そのようなイメージは確かにありそうです。「細長い顔の形」でメルマガ筆者が真っ先に想起したのは、絵画のムンクの「叫び」のような頬がこけたイメージです。

◆食べ物に関するイディオム

(3)He’s a big cheese.
(彼は重役です)
big cheeseには「お偉方」「大物」という意味があります。大きなチーズを飾っておいて、偉い人が来たら、切り分けるという古い風習から生まれた表現だと考えられています。

(4)I buttered up my boss.
(上司のご機嫌取りをしました)
butterには名詞だけではなく「バターを塗る」という動詞があります。なぜbutter upが「おべっかを使う」「機嫌をとる」の意味になったのでしょうか。同書によると、一説には願いを叶えてもらうために仏像にバターを投げつけるというインドの古い風習から来ていると考えられています。

いかがでしたでしょうか。
(1)~(4)のイディオムは、本コラムの筆者が同書を読むまで知らなかったものです。食べ物に関するイディオムでは、チーズやバターに対して単純な食べ物なということにプラスして、文化的にどのように使われたか、新しいイメージが加わった印象です。

みなさんは、英語のイディオムの中に出てくる比喩の対象に「(日本語のイメージにはない)そんな意味があるのか」と“新しい発見”をしたものがありますか。



◆ソース◆
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『ついつい出ちゃう!日本人のかんちがい英語』(高橋書店)
https://www.amazon.co.jp/dp/4471113321
pp.12-13、26-27、40-41、54-55
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