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今号のコラムは、日本語の「チャレンジ」とは違う英語challengeの正しい使い方についてです。書籍『残念な英語 間違うのは日本人だけじゃない』(光文社新書)から紹介します。

◆「challengeする=挑戦する」ではない?

例えば、「英検1級にチェレンジします!」が「英検1級を思い切って受験してみます!」と解釈されるように、「チャレンジする=挑戦する」という考え方が日本語では一般的だと思います。しかしながら、英語で「思い切って受験してみます!」と言いたいときにchallengeがそのまま使えるかというと、実は少し違います。

Climbing Mt. Everest was a big challenge for me.
(エベレスト登頂は私にとって大きなチャレンジでした)

という文のように、名詞の場合は「challenge=挑戦」で問題ないことも多いのですが、動詞challengeの主要な意味は「挑戦する」ではなく、「異議を申し出る」です。そのため、以下の文のように、

I will challenge the test next week.
は「『来週にテストがあるなんておかしい』と訴えます」という奇妙な訴えをする意味になってしまいます。

「チャレンジします」の日本語のニュアンスを適切に表現したいのなら、
I will try my best on the test next week.
などがおすすめだと同書では述べています。

動詞challengeを使った定番表現にはchallenge ~ to a fight(~に戦いを挑む)という言い回しがあります。

【例文】
I challenged George to a fight
(私はジョージに戦いを挑んだ

いかがでしたでしょうか。
challengeは、最近、日本でも、バレーボールやテニス、野球といったスポーツで、審判員が下した「イン(セーフ)」や「アウト」のきわどい判定に、「ビデオによる再判定を要求」という意味でよく目や耳にします。「異議を申し立てる」という意味なら、なるほど、しっくりきます。みなさんは、動詞challengeが意味する「意義を申し立てる」というニュアンスを正しく把握していましたか。

◆ソース◆
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『残念な英語 間違うのは日本人だけじゃない』(光文社新書)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334043852
pp.106-107
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【記事提供元】実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-
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