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今号のメルマガは、相手を尊重しつつ自分の意見を言うテクニックについてです。書籍『技術者倫理 グローバル社会で活躍するための異文化理解』(実教出版)から紹介します。

みなさんは、相手を尊重するために自分の意見を抑えてしまうことはないでしょうか?「言わない方が相手のため…」と思いきや、相手を尊重するためにこそ、自分の意見を明確に相手に告げる必要がある――というのが、同書の著者の意見です。ただし同時に、何か問題が生じたとき、相手を「批判している」と受け取られてしまうような表現方法は慎むべきとも述べています。自分の意見を受け入れてもらえる状況をつくるためにも、表現方法はよくよく考えなければなりません。そんな時こそ役立つテクニックがあります。自分の状況や気持ちを率直に相手に伝える「わたし文」という手法を同書から紹介します。

例えば、部下が外回りに出かけたきり、なかなか帰って来ず、仕事場に戻ってくる時間が遅い場合に注意する時の表現を考えてみましょう。(同書の中では、夫婦間で「夫の帰宅時間が遅くなる」という例で紹介しています)。「遅く帰ってくるのなら、連絡ぐらいしなさい」と言えば、部下を責めているような印象を与えてしまいます。そう受け止められてしまう理由は「連絡ぐらいしなさい」の主語が「あなた」であり、言外に「連絡ぐらいできるでしょう。どうして連絡しないのか」と批判しているニュアンスが相手に伝わってしまうからです。

そこで、次のような表現をすればどうでしょうか。「帰りが予定よりも遅れるのであれば、心配になるから連絡してほしい」。この文章の「心配になるから連絡してほしい」のは「わたし」で、自分の状況(心配になる)や気持ち(連絡してほしい)を伝えているだけです。この表現では部下を批判するようなニュアンスを含みません。自分がどのように考えているのかを率直に伝える「わたし文」というテクニックです。相互理解を促すことに有効だと同書の著者は述べています。

特に外国人に対しては、 自分を抑えて意見や気持ちを明確に言わなかったり、 言ったとしても相手に伝わらない言い方をしてしまったり、という事はないでしょうか。相手を優先しすぎることにより、相手のいいなりになってしまうおそれがあります。

反対に、「言いっ放し」「押し付け」によって一方的に自分の主張を押し通そうとしたり、相手を黙らせて同意させようとしたりすれば、「自分とは異なる意見やモノの考え方に耳を傾けていない」と相手に思われるだけで、相手との間に良好な関係を構築することが難しくなります。

このために、相互に尊重し合うコミュニケーションが必要になるわけです。

いかがでしたでしょうか。
上述した帰宅時間を巡ってのやりとりの例にあるように、文化や価値観の近い、ごく親しい間柄の夫婦であっても、以心伝心が通じないことが日常的にあるわけです。ましてや他人、外国人とはもっと密にコミュニケーションをとらないと良い人間関係を構築できないということなのでしょう。そのときに有効なテクニックが存在し、トレーニングが必要だと同書では述べています。みなさんは相互に尊重し合うコミュニケーションを意識しているでしょうか。

◆ソース◆
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『技術者倫理 グローバル社会で活躍するための異文化理解』(実教出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4407346221
pp.29-31
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【記事提供元】実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-
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