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今号のコラムは、英語圏で放送されているニュースは、英語の教材として優れモノとは言えないという話です。英語のニュースでリスニング力を鍛えている方には、ちょっと驚きの内容かもしれません。書籍『在日39年、7000人の日本人を教えてわかったこと 日本人の英語勉強法 なぜ日本人はこんなにも英語ができないのか?』(中経出版)から紹介します。

長年日本に住み、日本人に英語を教えてきた同書の著者ジェームス・M・バーダマン氏によると、英語圏で放送されている「生のままのニュース」は、英語の教材としては優れモノとは言えないと述べています。「生のままのニュース」とは、日本語訳や字幕などがなく、教材として加工されていないものを指します。「リスニング力を鍛えることができるか?」という問いに対するバーダマン氏の答えは「NO」です。

理由として、そうしたニュースは、話すスピードがとてつもなく速いことをあげています。英語ネイティブを視聴対象としているのですから、当然です。

そうしたニュースを、非ネイティブの日本人が見ても、単に音を聞き流すだけになってしまいます。これでは、30分、1時間と頑張って視聴し続けても、効果的な英語の練習にはならず、教材としては意味をなさないというわけです。英語学習者としては耳が痛い話ですが、確かにBBCなどのニュースを流し聞きしたりしていることで、ついつい「学んでいるつもり」になっていたり「英語に触れている安心感」に自己満足してしまっている点も多いかもしれません。

結局のところ、日本人の英語学習者にとって、教材として加工されていない英語のニュースは、世界をよりよく知るための情報収集源に過ぎないとバーダマン氏は唱えます。海外のニュースを視聴することで、世界で今何が起きているのかを知ることができるのはもちろんのこと、日本のニュースを見ているだけよりも、幅広く世界の情報を得ることができます。この点においてはビジネスパーソンとして得ておくべきものは数多くあるでしょう。

「英語の教材として」ではなく「世界の情報を手に入れること」を目的と変えた場合は、英語音声のままで視聴して、内容がチンプンカンプンなら、日本語音声で見ることです。当たり前ですが、そうでなければ情報収集になりません。

一方で、教材として加工されている英語のニュース(具体的には、日本語訳や英語の字幕がついている)であれば、日々の英語学習に取り入れるべきだとバーダマン氏は言います。それによって、今、世界で使われている英語をインプットすることができます。

加工された教材としてバーダマン氏が勧めるのがNHK・BS1で放送されている『攻略!ABCニュース英語』という番組です(下記の◆ソース◆参照)。

これは米国の『ABCニュース』で放送されたトピックスの一つを取り上げ、それを5分間の語学番組に加工したものです。『ABCニュースシャワー』のような英語ニュース教材を見ることが習慣になれば、今の世界を説明するための語彙も増えていくでしょう。するとだんだんと、生の英語ニュースを見ても内容を把握しやすくなるというわけです。

いかがでしたでしょうか。
これまで英語ニュースでリスニング勉強をしていた方は、改めて「やり方」や「目的」を振り返ってみてもいいかもしれません。英語ニュースにはさまざまな新語が登場します。例えば、「民泊ビジネス」は英語ニュースでどのように呼ばれているかというと「private lodging businesses」と呼ばれています。英語のキーワードがわかると、何のニュースなのか、聴いて理解しやすくなります。みなさんはどのような新語を英語ニュースから学んでいますか?

◆ソース◆
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『在日39年、7000人の日本人を教えてわかったこと 日本人の英語勉強法 なぜ日本人はこんなにも英語ができないのか?』(中経出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00G6E8FBK
PART3 「英語ツール」の俗説
18 俗説「ニュース」は、優れたリスニング教材である
  真相 チンプンカンプンのまま聞いても、身にはならない

『攻略!ABCニュース英語』
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/abcns/index.html
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【記事提供元】実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-
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