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今号のコラムは、日本人の英語力が上がらない理由についてです。「○×式」と「和文英訳」の弊害、そして危機感の欠如について、雑誌『プレジデント』誌に大前研一学長が寄港した記事「世界に通じる英語の学び方」から紹介します。

◆“間違える”ことを恐れさせる○×式の英語教育

文部科学省の英語教育は他の教科と同様に○×式です。○×式で正しさを判定することに慣れてしまうと、日本人は英語で話すときにも「正しいか、間違っているか」を考えてしまいます。単語や構文、文法などを気にするあまり、間違えることを恐れて言葉が出てこなくなり、英会話にコンプレックスを持つ人が増えてしまう傾向にあります。英語はコミュニケーションのためのツールなのですから、相手に通じて実利を得ることが大切です。

◆「和文英訳」の文章をビジネスの現場に持ち込む危うさ

明治以来寸分変わらない英語教育も相俟って、ほとんどの日本人は「和文英訳」で英語のフレーズを考えるクセが身に沁みついています。ところが、和文英訳の文章をビジネスの現場に持ち込むと、真意が伝わらないどころか、大失敗するケースも多いと大前学長は指摘します。

たとえば、部下や取引先の仕事の進捗が予定よりも遅れているとしましょう。理由を尋ねるときに、日本人は「Why~」や「Explain to me」を使いがちです。「なぜ遅れたのですか?」や「説明してください」を和文英訳しただけで、本人はそこまで怒っているつもりはありません。しかし「Why~」も「Explain to me」も英語としては「なぜなんだ!」と問い詰めているようなキツイ英語になってしまいます。結果的に相手が傷ついたり、気分を害したり、あるいは反発してやる気をなくしたり、嘘をついて言い訳したりと、事態がこじれてしまいます。

◆「英語力を高めなければ食っていけない」韓国の危機感

大前学長は、英語力を急速に高めた国ではしばしば危機感が英語習得の原動力になっていると指摘します。

1997年、アジア通貨危機に見舞われた韓国はIMF(国際通貨基金)の管理下で救済を受けました。「二度とこの“進駐軍”(IMFのこと)の占領を受けないために、英語とインターネットの分野で我々は強くなって、経済を世界化しなければならない」と金大中大統領(当時)は毎日のように国民に向かって訴えました。この檄が功を奏して、韓国家庭の英語熱は一気に高まりました。

英語で活躍できる人材の輩出を目指して大学、特に「名門」と呼ばれる大学が変わりました。入試の英語レベルは格段に上がって、大学4年間で半年の海外留学を必須にしたり、英語だけで授業をする学部学科を設置する大学が増えました。ソウルにあり、大前学長が教鞭を執っていた梨花女子大学では、「卒業生を国際機関の局長以上にする」と言う目標を掲げています。男社会の韓国企業ではなく、男女平等の国際機関で、しかも局長以上になって活躍するための高度な英語力を身につけさせようというわけです。韓国における危機感は「英語力を高めなければ世界で食っていけない」という切羽詰まった危機感というわけです。

いかがでしたでしょうか。

みなさんは「英語力を高めなければ世界で食べていけない!」という危機感を、どのように行動へ昇華させていますか。

◆ソース◆
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『プレジデント』誌 2020年4月3日号 pp.16-19
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【記事提供元】実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-
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