難しい英単語をたくさん知っていたり、TOEICなどで高得点をとったり、ネイティブ並みの発音ができたりすれば、英語を上手に使いこなしていると言えるのでしょうか?
もちろん、それらも大きな要因かもしれませんが、それだけでは上手にコミュニケーションを図るのは難しいかもしれません。
今回は、その理由を体験談を交えて探っていきます。

体験談

ある日、日本人女性と結婚したオーストラリア人の母親から質問を受けました。家族で集まった際、母親が「コーヒー飲む?」と一同に質問したところその日本人女性以外は「飲む」と言ったので 彼女以外の人にコーヒーを出したら、彼女がとても動揺したとのこと。母親はなぜ彼女が動揺したのかを日本人である自分に質問してきたのです。

なぜこのような状況になったのか?
日本人の嫁は“遠慮”したのでしょうが、欧米のように“発せられた言葉が全て”である文化では、“遠慮”とは受け取らず、単に「飲みたくない」「今はいらない」と受け取られます。
しかし、これが日本であれば、“遠慮”してもたいてい人数分のお茶が出されます。つまり、欧米には日本のような“察する文化”は存在しないということ。これはお互いに相手の文化に対する理解が不足していたために起きたことだと考えられます。

言語とコミュニケーション

前述した通り、コミュニケーションを単に英語スキルだけで成立させるのは、実際の場面では困難です。その理由は、コミュニケーションが双方向的なものだからであり、相互の協力がなければ成り立たないからです。もし、コミュニケーションに支障をきたすことがあれば、それは決して一方だけの問題とは限りません。
先の出来事で言えば、行き違いの原因は、嫁が英語という言語が伝達される内容が全て言葉で表現されることを知らずに日本式に対応したことであり、母親も日本の文化を知らなかったためです。
つまり、双方とも異文化に対する理解が足りなかったということです。

このような話はよく聞きますが、原因は決して英語スキルではありません。これは言葉の使い方に自分の文化が影響を及ぼすことが原因だと言えます。
流暢に英語を話すことも大切ですが、異文化を理解していなければ円滑なコミュニケーションを図るのは困難です。言語としての英語だけでなく、異文化理解を深めることも重要です。


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